見出し画像

【コスモ女子勉強会】NASAアジア代表から学ぶ宇宙業界の女性の活躍への期待

こんにちは、コスモ女子ライターのKayo☆です。
コスモ女子では講師の方をお招きし、宇宙に関する勉強会を開催しています。(前回イベントの様子はこちら

”宇宙”を語るうえでは外すことができない存在「NASA」。
今回は、NASAアジア担当代表のガーヴィー・マッキントッシュ氏をお招きし、アルテミス計画から宇宙業界におけるジェンダー平等など、NASAで働かれている方から直接学べる時間となりました!


NASAの概要とアポロ計画

画像1

まずはじめに、NASAの概要とこれまでの宇宙事業の歴史について、お話しいただきました。

現在NASAはアメリカに10施設あり、航空研究や地球及び宇宙科学、人間探査、宇宙技術に焦点をあてています。
NASAの現在の長官は、元宇宙飛行士のビル・ネルソン氏。

NASAの副長官には、同じく元宇宙飛行士のパム・メルロン氏が就任され、女性としては3人目。
女性が長官として就任したことは過去ありませんが、マッキントッシュ氏は将来的に女性長官の誕生を願っているとおっしゃっていました。

1969年に初めて月面着陸を成功させたアポロ計画。
これまでは月へのミッションは6回、12人の宇宙飛行士が月面着陸し探査活動をしてきました。

しかし、すべてが男性宇宙飛行士だったのです。

その理由は、1960~1970年代は女性が宇宙飛行士になることが許可されていなかったからだそう。

アポロ計画が終了し、スペースシャトルプログラムが始まってISS(国際宇宙ステーション)を建設する際に、初めて女性が宇宙飛行士として許可されるようになったのです。

この時、多くの女性が宇宙や宇宙飛行士を目指し始めたのかもしれませんね!


ISS(国際宇宙ステーション)は人類初の最高技術の構造物!

画像2

ISSの写真を見せていただいたとき、マッキントッシュ氏は、
「この写真を見るといつも感動します。なぜなら人類の中で高い知識と技術でできた構造物だからです」とおっしゃっていました。

このISSは日本をはじめ、アメリカ、ロシア、カナダ、ヨーロッパの15カ国が協力して建設した最大の有人実験施設です。
その宇宙実験の一部であるJAXAが開発した「きぼう」の存在は、みなさんご存知の通りですね。

マッキントッシュ氏から特別に、20年かけてISSが建設されていく動画をご提供いただきました。
著作権の関係上、残念ながら動画は載せられませんが、ひとつひとつ組み立てられていく光景を見て、日本だけではなく、多くの国と協力し合ってひとつのものを作り上げていくことに心が震えました。

日本も、宇宙事業にさまざま方面から貢献しています。
ISSへ食料や水などの物資や機材を届ける無人宇宙補給機「こうのとり」(HTV)であったり、実際に宇宙飛行士としてこれまで毛利衛さん、向井千秋さん、山崎直子さんなど合計11名の方がISSへ滞在しミッションを成功させてきました。

最近では、野口宇宙飛行士が初の民間機でISSへ行き、星出宇宙飛行士がコマンダーとしてミッションをおこないます。
日本人が国際的に活躍・貢献している姿を、とても誇りに感じる時間になりました。


初の女性・有色人種による月面着陸を目指すアルテミス計画

画像3

画像4

アルテミス計画は、初の女性・有色人種による月面着陸が期待される一大プロジェクトです。
女性がフォーカスされることは、とても嬉しいことですし大きなチャンスとなります。

月の探査活動が活発になっていくなかで、国際協力が進んでいくとお話し頂きました。
これまでの宇宙開発や宇宙事業は国家間のやり取りが大半でしたが、今後はispace社やダイモン社などといった民間企業がますます台頭していきます。

また、宇宙開発にも多様性が求められており、女性の活躍が不可欠であるとのこと。
ジェンダー平等が世界で取り入れられています。
宇宙業界においても性別関係なく活躍できる場があることを、第一線で活躍されている方から聞くことができ、改めてコスモ女子の活動に大きな意義を感じた時間でした!


さいごに

画像5

勉強会の後とコスモ女子会員メンバー限定の交流会において、マッキントッシュ氏に直接質問できる時間がありました!

女性宇宙飛行士が得意とする分野は?という質問に対しての回答が、とても印象に残っています。

「個々で得意分野は違うし、ミッション成功には一定のスキルが必要です。
地球から遠く離れたところでミッションを行うので、ミッションを行うのが女性か男性かなどはだれも気にしていません。」

近未来的な存在である「宇宙」のフィールドでは、すでに性別にとらわれず個々
人が能力を発揮しており、地球上のジェンダー問題にも明るい未来が期待できる言葉でした。

宇宙事業は自分と縁遠いもの、敷居が高いものと身構えてしまいがちですが、宇宙が好き!国際協力に興味がある!という想いがなによりも大切。

マッキントッシュ氏は、時に笑いを交えながらとても楽しくわかりやすくお話しくださり、NASAや宇宙が今まで以上に身近に感じる時間となりました!

もしかすると、近い将来にコスモ女子の中から宇宙飛行士が誕生するかもしれませんね!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

画像6

<講師プロフィール>

NASAアジア担当代表
Garvey McIntosh(ガーヴィー マッキントッシュ)氏
英語、日本語、ベトナム語、オランダ語を話す
ノースイースタン大学 (アメリカ)卒業
モントレー国際大学院 (アメリカ)卒業
1995 - 1999  長崎外国語短期大学で4年間英語を教える
2003 NASA本局(DC)勤務開始
2003 - 2011 NASA国際部にてJAXAを含む海外宇宙局とのプロジェクト調整業務を担当 (スペースシャトル、ISS、航空技術開発、宇宙科学関連)
2011 - 2012  NASA副長官付き特別補佐官としてNASAの政策全般の調整業務を担当。
2012 - 2017 NASA国際部と航空宇宙部に併籍し、特に20年以上の念願であった中国との航空研究合意書を調整し合意に至る。国際航空研究フォーラム(IFAR)を通しJAXAとの協力体制を構築すると共に多くの人脈を持つ。
2017年8月 NASAアジア代表部代表(在アメリカ大使館)
日本の宇宙政策やNASAとアジア諸国との宇宙探査や利用における協力等に関する諸事情の調整担当。駐日大使の宇宙関連事項のアドバイザーを兼務。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?