見出し画像

超小型衛星が身近に!新しいアイディアから広がる今後の宇宙開発利用


第5回勉強会「大学発!超小型衛星による新しい宇宙開発利用への挑戦」

2020年7月22日に第5回となるコスモ女子のオンライン勉強会が開催されました。

私たちコスモ女子は、株式会社KanattaがSDGs5番目の目標である「ジェンダー平等の実現」をミッションに掲げ、「女性にとって宇宙を身近な存在に」をテーマに発足した女性コミュニティです。

宇宙に関する専門的な勉強会から、宇宙がちょっぴり気になる初心者でも楽しめるイベントなどを定期的に開催しています。
宇宙に興味がある女性のキャリア形成、ビジョン実現を応援し、たくさんの女性が宇宙業界で活躍できる場を増やすことを目指しています。

前回の勉強会は、"スペースXの宇宙飛行が拓く地球低軌道(LEO)の宇宙ビジネス"をテーマに開催しました。
第4回イベントの様子はこちら 

第5回となる今回は、東京大学教授である中須賀真一先生より「大学発!超小型衛星による新しい宇宙開発利用への挑戦」をテーマにお話しいただきました。


大学・民間企業による低コストで宇宙事業への取り組み

東京大学大学院工学系研究科で教授を務める中須賀先生は、学生とともに超小型衛星の開発に取り組まれています。
これまで、人工衛星の開発から打ち上げまで、100億円以上かかっていたものが、大学や企業においては、数千万~5億円以下で実現可能になっているそうです。
大幅にコストを下げることによって、大学やベンチャー企業、地方自治体や新興国等が新しく宇宙ビジネスに参入することが可能となります。

実際に、東大と東工大が開発した1㎏の超小型衛星CubeSat(キューブサット)は、開発期間2年、部品費用300万円(部品費だけの値段)の超低コストで2003年に打ち上げられました。
なんと部品は、東京・秋葉原で手に入れたものだったのです。
一般流通している部品でも、高い技術力によって、打ち上げ時の衝撃や厳しい宇宙環境にもじゅうぶん通用する使い方ができるということを教えていただきました。

大学や企業では、コストをかけず、失敗を繰り返しながらも、超小型衛星の開発から打ち上げ、運用まで挑戦し続けているのです。


超小型衛星が宇宙を変えるきっかけに

「これから超小型衛星がどんどん活躍していきます」と、宇宙業界のこれからを語る中須賀先生。
日本において、宇宙ベンチャー企業は30社以上存在しており、超小型衛星によってこれからの宇宙を変える働きをしています。

たとえば……
アストロスケール社:宇宙ゴミ(デブリ)に関するサービスを計画中
ALE社:人工流れ星の放出サービスを事業化
iSpace社:月面の資源開発を事業化

さまざまな大学や企業が新しいアイディアを出し合い、今後の宇宙の新しい使い方を生み出しているのです。
まさに、「小粒でピリリと辛い超小型衛星が新世界を拓く」ですね!


さいごに

中須賀先生が実際にご経験されてきた超小型衛星の打ち上げ話や、日本企業の宇宙事業への取り組みを受け、宇宙業界における日本の活躍がますます楽しみになる時間でした。
先生と参加者の方々が一緒に、宇宙のこれからについて思案を巡らせた質疑応答タイムでは、ひとりひとりが宇宙開発に携わるイメージを抱いたのではないでしょうか。

コスモ女子では、宇宙が大好きな方から、宇宙に少し興味が出てきた方まで、多くの方に宇宙の魅力をお届けできるよう、今後も幅広く宇宙にまつわるイベントを開催・発信していきます。

次回8/12(水)には、
宇宙について知りたい!
宇宙にちょっとでも興味がある!
宇宙について語りたい!
そんな方々に向けたオンライン交流会を企画しています。
ぜひ、お気軽にご参加ください。

女性だけのチームで人工衛星を打ち上げる!

宇宙に興味のある女性の皆さん、コスモ女子として一緒に盛り上げていきましょう!


【コスモ女子SNSのご案内】

Facebook

公式LINE


【講師プロフィール

中須賀真一先生

1961年大阪府生まれ。1983年東京大学工学部卒、1988年東京大学博士課程修了、工学博士。
同年、日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所入社。1990年より東京大学講師、助教授、2004年より航空宇宙工学専攻教授。
日本航空宇宙学会、SICE、IAA等会員、IFAC元航空宇宙部会部門長、UNISEC元理事長、およびUNISEC-GLOBAL委員長。
超小型人工衛星、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、宇宙機の航法誘導制御等に関する研究・教育に従事。
世界初のCubeSatを含む超小型衛星11機の開発・打ち上げに成功し、この分野で世界をリード。2012年より内閣府宇宙政策委員会委員

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?