ご質問への回答 -性別にまつわる話をするとき-

Peing、たくさん質問きていてびっくりしました。お返事遅めですみません。ご質問、とっても嬉しいです!

今回はFtMの方からのご質問ですね。そもそも「FtMってなんだ?」と思われた方もいらっしゃると思うので説明を先にさせていただきます。

わたしのパートナーのように、女性(Female)として産まれたけれど男性(Male)として生きたいと思っている人FtM(Female to Male)と呼ばれています。

FtMの自覚があるからといって、全員が手術をし戸籍を変えているわけではありません。ホルモン治療(注射などで体内に定期的に男性ホルモンを入れます)をしている人もいれば、ナベシャツと呼ばれる胸を平らに見えるようにする下着だけを着て治療をしない人もいます。

個人的には、ひとくちにFtMだといっても全員が同じ治療や段階にいるわけではないことが、他者からの理解の難しさを生んでいるポイントだと思っています。

ホルモン治療をすると、ヒゲが生えたり声が低くなったりと外見が男性っぽくなっていきます。でも、それができない/したくない方もいます。ホルモン治療は定期的にホルモンを体内に入れる必要があり、一定のお金(戸籍変更前は保険適用外)がかかるため断念される方もいますし、産まれたままの体でいたいと望む方もいます。

戸籍は女性だから、女性として接した方がいいのかな…?
本人はどう思われたいんだろう…?

ひとりひとり状況が違うと、そういった疑問が本人の周りから生まれてしまうのも無理はないと思います。そしてセンシティブなテーマなだけに、本人に聞いていいのかどうかがわからず、周囲が本人に気を使って曖昧な態度になってしまい違和感がお互いに残るというケースも多いのではないかなと。

治療の段階が進んでいけば、誰が何を言わずとも、その人の性に対する社会的な認知は「生まれた時の性」から「本人の望む性」に変わっていく可能性は高いと思います。しかし未治療の場合は、自分から「こう接して欲しい」という提案がないと、「生まれた時の性」として扱われるケースが多いのではないでしょうか。

ここからが質問へのわたしなりの回答です。

性別は男女のふたつではなく、人の数だけあると個人的には思っています。だからこそ人への接し方や言葉のかけ方に模範回答は存在せず、「自分はこういう風に接してもらえると心地が良い」と言い合える関係性を構築することが望ましいのかなと。

しかし大半の方は男女のみの区別で、多くの物事を考えていると思います。質問者さんのことを同性として見なしている方は、性別は二つだけでないという発想には至らないかもしれません。

また自分の性自認や性的指向をカミングアウトしていない方にとっては、「こう接して欲しい」は言いにくい場面もあると思います。

そんな時は、「自分への接し方をこうして欲しい」ではなく、「こういう考え方もあるんじゃない?」と相手の視座を変えられるような話の展開をしていくと良いのではないでしょうか。

性別に多くの種類があることを知らないから、無意識に相手を傷つけてしまうのだと思います。(一定の知識を持っている上で不快な思いをさせる方がいるのであれば、物理的に距離をとることをおすすめします。)

以上、回答とさせていただきます。


わたしは専門家ではなく、トランスジェンダーのパートナーとして生活をする中で感じた気持ちを、個人の意見としてお伝えさせていただくことしかできません。(調べながらの発信を心がけていますが、もし誤った情報を私が書いてしまっている場合はぜひすぐ教えてください…!)

腹落ち感のある回答ができているかも正直不安です。それでもよければ、どなた様もぜひ気軽にご質問くださいませ。


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