点字教室、第一回目

#視覚障害
#眼球使用困難症
#障害理解
#点字
#白杖使用者の日常

何度かこの記事で、私は活動や仕事だけでなく日常においても、例えば買い物リストなどでもメモをとることができず困っているという記事を出したことがあります。
音声操作は難しく時間がかかるため、雑踏や店内ですぐにリストを出したり読み上げたり再生したりすることができない。
かといって点字は、視覚障害者の点字識字率が低い中でも私はある程度の読み書きは独学して覚えてはきた…けれども、紙に打ち込んだ点字のリストを空中で読むことは至難の技。…ということなど。

そんな中で、日本点字図書館の、点字教室に通うことができることとなりました。
そんなわけで初めての点字教室、第一回目の模様を記録・報告してみようと思います。

一度に参加されるのは複数名ですが、ボランティア講師のかたとボランティアアシスタントのかたが何名かおられて、実質、対面でのマンツーマン。個々人の進み方もばらばら。
私は今回が初回だったからでしょうか、講師のかたがついてくださいました。

まずは「読み」から、とのことで、今回はまだ打ち込みはしません。
最初に1枚、紙を渡してくださり、まずは触覚のテスト。
その前に右指先で読むか左指先で読むか、という話で、少々迷いました。
私は基本的に左利きではありますが、白杖はどちらでも使うことができ、シチュエーションによって持ち替えています。その上、どちらかというと右の方が使い慣れています。
しかし、点字は墨字と同じく左から右に読む。すると、左指先では読みにくいのではないか。両方の指で点字を触ってみても、どちらもどちらで、どちらが感覚が鋭敏、という自覚もない。
しかし点字に関しては、やはり左右を変えると指先に当たる感覚が変わってしまうため、どちらかの指で固定して慣れていった方が良い。
というわけで、右指先で読んでいくことに。

まず最初に一文字提示されており、その後に4つ、文字があり、最初の文字と同じ文字を当てろ、という問題を何題か行いました。

その後、次の紙を渡され、早速、母音であるア行に入って行きます。
まずはア行の文字が1文字ずつ、ランダムに何個も書いてあり、それを読んでいく。

一文字ずつ読めるようになったら次は、ア行だけで2文字構成の単語がいろいろと書いてあり(「あお」「うえ」など)、
それができたら、今度はア行で2文字~3文字の単語群。

それができると、次の紙。
次は、ナ行でした。恐らく、点が少ない順、そして点の位置がわかりやすい順(例えばナは3点目であるアの真下に点が配置される。それに比べてカなどは6点目なので最初から「斜め」の位置関係を感じ取らなければならなくなる)、なのでしょうか…わかりませんが。
しかし、ナ行だけではなく、ア行+ナ行で構成される2文字や3文字の単語を読んで行きました。

次の紙は、メ(6点全部のためわかりやすく記号としても使いやすい)と、ワヲン。
なぜしょっぱなからワヲン?!と思いましたが、ワは6点目の点がひとつだけ、ヲはア行のオの形がそのまま一段下に降りただけ、ンはワとヲの組み合わせでできているもので覚えやすい。そして、ワヲンをこの辺りでやっておくと、助詞をつけて簡単な文章を作ることができるようになるから、と。

1回目、1時間の中でこの日はこの紙を途中まで読んで行ったところで時間となりました。

私の場合、既に文字は覚えてはいた上、独学で読み書きもしていたからか、なかなか覚えが早そうだと言っていただきました。

また、こんなに集中して読み続けたことはあまりなかったため、読んでいると実は案外、まったく自分が自覚しないうちにいつの間にか指先や手のひらに力が入ってきていて、どんどん逆に読みにくくなるという現象に陥っていることを自覚。自覚できると力を抜くこともでき、そうすると読めるようになることも判明。
そして、点はなるべく指の腹の真ん中に近いところで触った方が良い。私は今まで、敏感な指先で、しかも上から1点1点、どこが浮き出ているか、もはや爪先で探るように点の位置を把握していることが多かった。これでは読むのが遅いのは当たり前。ずっと読んでいるとだんだん、指の腹のふくらみが平たんになり、点字仕様の指先になってくるそうです。そうなれば、指の腹の斜めに騙されて点の位置を読み違えることなく、指の腹で一度に「形」を感じることができるようになる。
もし文字が良くわからないときは、1点1点探るのではなく、上段・中段・下段というように、横列2点をセットとして感じながら、「指の腹で上下になぞる」すると、常に指の腹の同じ位置で感じて行くことができるため、位置関係も把握しやすい。何度かなでていると確かに、わかりやすかった。
あとは、紙が斜めになっていないか、指の当て方が斜めになっていないか確認することを怠らずに。
そして、右手で読むなら、右手で文章を読み始めた時に左手は文章の次の行に移しておくこと。でなければまた同じ行を読んでしまうし、左手を忘れるとどこを読んでいるかもわからなくなる。

たった1回目、1時間でしたが、今まで読めなかった問題がなぜか、またその対処法などいくつも気付きがあり、泣いて帰るかと少し覚悟していたけれども、面白かった。

その後も用具ショップでOCRの説明を受けていたら、一番最初に点字図書館であれこれ話を聞いてくださったスタッフさんが来てまたあれこれ話を聞いてくださり、他のスタッフさんにその場で繋げてくださり、PCの音声操作の小技や無料ソフト、デイジー図書の再生ソフトなども教えていただき、帰ってくることができました。

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