白杖使用者の冒険ー買い物における工夫/OCR読み上げソフト、音声録音、点字リスト…

#障害理解
#視覚障害
#白杖使用者の日常
#視覚障害の生活の工夫
#音声操作
#点字

先日、携帯電話で使うことのできるOCR(活字読み取り機能)アプリケーション、Seeing AIというものをインストール。
印字の手紙や、商品のパッケージなども、パッケージに関してはかなり意味不明の読み上げが多いものの、時たま「あ、ウェットティッシュと言った。ウェットティッシュかな」(ちなみに使い方を教えていただいた時に試しに読んだのがそれだった)などとわかるため、もしかしたら買い物の時に使えるか…と、ある日、食材を揃えに行った際に、商品パッケージと商品の前にある商品名・値札を読みこませてみた。

しかし…活字の資料などと違い、パッケージや値段・商品名の書かれた札などは、(本来は)<見やすく目立たせるため>に、文字の大きさやフォントが小さい場所の中でしょっちゅう変わったり、段がはっきりせず位置関係も微妙にずれて書かれていたり、いきなり色が変わっていた李するため、ほとんど読み込まず…
狙った商品かどうかを確かめるまでに、その商品棚の前で長時間立ちつくして白杖とかごを脇に抱えて携帯電話を近付けたり遠ざけたりし、しかも携帯電話の音声を聞くために耳を必死に携帯電話に近づけている…という非常に異質なことになってしまうことがわかった。
しかも商品棚の位置を覚えていた上で、候補2,3個に絞られた中で探したにも拘わらず、恐らくこれを「多分これだろう」までに識別するまでに、10分以上はかかったのではないだろうか…もっとかかったかもしれない。

この店は、値札はかなり見えやすい、活字としても案外揃った大人しい表示をしてくれているはずなのだが…。

その上、既にかごを片手に抱え白杖片手に、もう片方の手では商品棚を伝いながら人にぶつからないようゆっくりと移動するため、そこに更に携帯電話を持っているとかなり危険。

野菜売り場で、とりあえず携帯電話を商品棚に向けながら移動してみると、読んだ端から勝手に読み上げるが、やはり理解不能なものが多い。たまにパックにラップがしてありそのラップに白いシールに「行者にんにく」などと書かれたものは、うまく向ければ読み上げた。

何とも突っ込みたくなったのは…その店の商品棚のところどころに書いてある、「商品を写真撮影しないでください」という文字だけは、何度かしっかりはっきり読み上げてくれる点。
わざとか、こいつは…

そう、携帯電話を向けていると写真撮影しているように見えてしまう(実際ビデオカメラで映しているわけだが)。その上、携帯電話に耳を近付けていると、店内で通話をしているかのようにも見えてしまう。

わかりやすい活字商品札であるはずのこの店で使えないとなると、実質、無理がある。

この日に関しては、ひたすら商品棚を探っていると、店のスタッフさんが話しかけてくださり、一緒に探してくださった。

しかし…反省点がもうひとつ。
この時、買い物リストを点字で読むのは時間がかかるし、携帯電話音声操作をやっと覚えたので練習にと、レコーダー機能に自分の声で録音していった。
音声操作でレコーダーを立ち上げることはできたのだが、再生ボタンを押すと…店内の雑音の多い中で、レコーダーが再生されても、しかも音声操作ガイドの声がしゃべり続けてうるさくて、肝心の録音内容がほとんど聞き取れない。
(その上、音声ガイドが余計なものを読み上げないときも、なぜだか音声ガイドが録音再生している間中「かち、かち、かち」と時計が進行しているような音が鳴るため、しかも雑踏で聞こえないと困るから音声ガイドの音のほうを少しバランスを大きくしているため、本当に自分の声で録音された内容が聞き取れない)

しかもただでさえ時間がかかっているため店員さんを待たせ焦り(ありがたいことに「ゆっくりで大丈夫ですよ」と何度も言ってくださった…)、荷物を抱えながらでもあり、結局しっかり操作できない。

次はやはりリストは文字で打ち込んでいって何とかうまく起動させて読み上げさせるか、もしくは打ち込んだリストの画面を店員さんに見せてしまうか(別の書き込みや画面を見せてしまう危惧がある…)、もしくは…やはり解読に相当時間がかかっても点字で打って紙で持っていくか…点字で打てば、その点字の横などに例え読みにくくとも手書きで手がかりになるような数文字でも書いておけば、店員さんに見てもらうこともできるか。
結局、点字は、自分が空中でも解読できる能力と素早く読むことができる感覚さえしっかり磨けば、そして持っていくことさえ忘れなければ、一番確実な方法なのだろう。何にしても、一番確実なものはアナログだ…。

目下、試行錯誤中である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?