視覚障害者の日常―点字用郵便
日本点字図書館から、定期で届く、新着情報などのマガジン(デイジー版:デイジー形式という特殊な音声データで入っているCD-R)が来ました。
写真でわかるでしょうか。これはそもそもCD-Rの形の封筒…というより紙パッケージで来るので、触っただけでCD-Rの形(というよりCD-Rが1枚入っていますよと言わんばかりの真四角)だとわかります。
そして、左上に、「点字用郵便」という文字があります(これは点字ではなく墨字なので、触っただけではわかりませんが…きっと郵便局に知らせるためでしょう。)
点字用郵便と書かれている郵送物だからと言って、別に点字がついているわけではありません。要するに点字用郵便=盲人用郵便と同じく、郵便局側にわかるための扱いだと思います。
そのため、結局触ってもどこから誰宛に来たなど、一切点字ではないのでわからないのですが…
このマガジンには嬉しい配慮が。
写真を見て、わかるでしょうか…
宛先を印字したシールの中に、「にってん」という点字表記が!
郵便物の表面を探ってもほとんど何もわからずただただ紙束が来たかのように感じてしまうなか、「にってん」の文字を確認することのできる嬉しさ。
晴眼者は郵便物を当たり前のように目で見て何か書いてあることがわかりますが、同じように住んで生活しているのに、しかも自分宛に来ているはずなのに触っても何かが書いてあるのか書いていないのかすらわからない変わりばえもしない紙がたくさん、としか感じることができないなかで、「あ、何か書いてある!」と発見し感じることのできる嬉しさ。
同時に、最近、毎日点字訓練をしている中で殊に感じるようになっている、「点で作られる形が頭の中で文字情報と直結し、指先から、文字として、情報として受け取ることのできる感覚」。
点字の嬉しさ。素晴らしさ。ありがたさ。
これはあくまで私にとって、ですが、
私にとっては、まだ、
郵便受けを探って自分宛の郵便物なのに何が書いてあるのかどこから来たのか内容が何なのか、なにひとつわからない…これは、疎外感。
だからこそ、この「にってん」のたった4文字に、感動感激がひとしおです。
余談ですが…
このパッケージを開けると、びっくり。
なんと、CD-Rがそのままはだかで1枚入っていました。(笑)
このCDのラベルにはもちろん、機械がちゃんと読み込まなくなる可能性がありますからね、でこぼこした点字はついていません。墨字でいろいろ印刷してあるようです。私はタイミングをうまく見計らったり時間をかければ認識できないことはありませんが、そうとう時間や苦痛、心身の負担をともないます。今回は、中身はわかっているので、このラベルの印字まで認識しようとすることはしないことにします。
ああ、それでも、見える方もおられるかもしれないので、写真だけ下に掲載しておきますね。
個人情報などは書かれていないはず…
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