アイスの味
大好物のアイスの新商品を買ったら、予想外に美味しくなかった…私としてはかなりの大事件なんだけど、その話はまた。
「このアイスあんまり美味しくない。」
「わぁ最悪だな。」
「てめぇに言ってねーよ。でも食べられることがシアワセなので有り難く頂きます。」
「すごい!進歩したね。」
「えへへ。」
「扱いが違う。」
いつものメンバーといつものやりとりをしながら、ぼんやり考える。
「ねぇ、アイスの栄養価なんか、どれもそんなに大差ないのに、なんで美味しくないんだろう。
口に入れた時に美味しいか美味しくないかは、かなり個人差があるでしょ?
これって面白いね!味ってさ、コミュニケーションと同じじゃない?
伝える内容が同じでも、言い方とか伝え方とかで受け取る人間の感情に大きな差が出る。」
「………怖っ。何、お前、本当に人間なの?」
「だからタビトに言ってねーよ。」
「でも、シホは本当に人間の感覚と少し違うね。確かにそうだと思う。」
ほぉ、なるほどなるほど。
「そうだよ。味も身体への伝達方法の一つだ。胃に入ったら行くところは決まってるけど、胃に入れるかどうかは、本人の味の好みによって違うもの。
これって、情報を頭に入れるかどうかは、伝える側の人間の言い方や伝え方によって、受け取る側の人間が判断するよね。言い方や伝え方に嫌悪を持つと内容なんてあんまり入らないし、受け入れようとも思わないもの。
うんうん!ほうほう!納得。」
ぶつぶつぶつ。
一人ですごく楽しくなって、彼に話したいなぁって考えながらウキウキして帰った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?