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自主制作映画監督ドキュメント6

「自主制作を外す」

つい最近、出演する役者さんから指摘を受けました。
「自主制作映画ほしをみる」の「自主制作」の部分は、要らないんじゃないかということです。
自分的には、へっへっへっ。あたしゃ、監督って器でもねえし、そんな、まだ始めたばっかりでなんの映画の実績もねえ、下っ端ですから、いやあ、いっぱしの映画を名乗るなんて、どんでもねえでげす。へっへっへ。ご勘弁を。

…という気持ちだったんですが、どうやら参加者のモチベーションが下がるという問題もあり、公式Twitterは、「自主制作映画」というのを外しました。
公式ホームページも進行具合をみながら外そうと思っています。

なんだか、メジャーな作品と誤解されないかな、長尺の映画じゃなくて短編なんだけど大丈夫かな?って思ってるんですが、世の中には、こういう肩書き問題って、
いろいろありますよね。

「自主制作映画」だから。

アマチュア作品なんで。

って、しっかり線引きしようと思ったオレの考えは、親切心のつもりだったんですが、役者の方からは、それを言い訳にクオリティが下がる懸念もあるらしく、いや、そんなつもりはなかったんだけどなあ、と目から鱗でした。

でも、根底には、やっぱり「へっへっへ、映画を名乗るなんてとんでもねえ」と思ってしまう自己評価の低い自分もいますので、こっちに引っ張られてしまうと「まあ自主制作だからいいか」という逃げになるかもしれませんね。

本当は、監督という肩書きも、この作品が完成するまでは名乗りたくないんです。だって、まだちゃんと完成してないからって事なんですけど。
でも、撮影はまだでも、もう企画は始まっているので、キャストの方からは「監督、ここはどうなんですか?」「監督、これについてこう思ったんですけど」「監督、服買ってもいいですか?」「監督、お腹すいた」みたいな事が出てくるので、実際、現場監督には違いないので、「うん、オレ監督だから、オレが責任もつよ」って言い切らないといけないんですよね。


あらためて、自主制作という意味なんですが、これって、たしかに「自分が作りたいものを自分の企画で勝手に撮ります」別に誰の指示も受けてません。スケジュールは自分の都合です。というニュアンスがありますよね。
今回の「ほしをみる」は、スポンサーもプロデューサーも今のところいないので、オレの自腹で、オレの自己責任で、たくさんの人を動かして、なおかつ怪我なく、コロナなく、収穫あるものにしなければならないのですが、非常に趣味的な匂いはしますね。

「ああ。画質も音質もそれなりの、眠くなるようなヤツか」って思われても嫌なので、頑張ってはいますが、出来てみないとどうなるかはわからない。
だけど、いろんな人に協力をしてもらう中では、あらかじめ製品の優位さを保証するようなことも、言わなければならなりません。え、まだ撮影してないけど。
え、嘘つかなきゃいけないの?って思っちゃう。

でも、最初にオレが書いた拙い脚本を見てくれた人がいて、
ちゃんと読んで「やってみたい」って人がいて、
「なんか手伝いましょうか」っていう人がいて、
その信頼を裏切らないという点で、オレは「この秀作を必ず成功させるから、任せてくれよ」という責任がある訳なんですね。

へー。

心底、オレ、すごい事始めたんだなあって思っていますが、
ゼロから1を作る作業をしてきた自分が、今、クリエイティブな作業の真っ只中にいて、日々、ずっと作っているっていう快感も、じんわり感じているのです。

役者さんと、脚本の解釈を話す。キャラクターの設定を話す。人の行動を分析して伝える、どういう見え方が効果的か、どういう小道具でこの物語は信憑性を得るのかっていう話などなどを、みんなと真剣に話せる幸せは、紛れもなく、今、目の前に現実にあって、

これがまた、すげえ楽しい。

…それ以外の何者でも無いのです。
この極上の楽しさを全うするための作業ならば、

ああ、オレはいつでも腹括って、この映画を完成させるから付いて来やがれ!


って、言えますね。

おら、いっちょうやったるぞ。ドンと来いってもんだ


…あ、すいません。偉そうすぎましたか?
あ、コンプライアンスに触れますか?
ハラスメントですか? 威圧?
それは、すいません。そんなつもりじゃなかったんで、
引き続き、何卒、ご協力を…よろしくお願い致します。はい。


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