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勝手に鉄道検定:217問目

難易度 : ★★★★★★★☆☆☆(Lv. 7)

【問217】2021年1月現在、発着時にスイッチバックが必要な構造を持つ駅として間違っているものはどれか?

1. 姨捨駅
2. 湯田中駅
3. 大畑駅

明日1/23(土)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel


ご覧いただきまして、ありがとうございます!
「勝手に鉄道検定」の記事は、2部構成となっています。

・問題の「出題
・前の問題の「解答・解説」(簡易版)


この記事では、下記の内容をお伝えします。

・問217の「出題」
問217 : スイッチバックが不要な駅

・問216の「解答・解説」(簡易版)
問216 : サードレールから集電しない路線

※「出題」は、記事の冒頭にてさせていただきました。

問211~問220のテーマは、「線路・設備」です。
主に線路など、鉄道が走るための設備に関する問題を出題します。
問211から問220にかけて、難易度がどんどん上がっていきます

詳しい「解答・解説」は、こちらの記事をご覧ください。
※上記の記事は、「1/26(火)」から閲覧可能となります。

「勝手に鉄道検定」の問題一覧は、下記の記事にまとめています。


問216の「解答・解説」(簡易版)

正解は、「3. 東京メトロ副都心線」です。
銀座線と丸ノ内線の車両は、第三軌条方式によって集電しています。

電車の上にある菱形のものは?」と聞かれたら、パンタグラフを連想する方も多いかもしれません。
菱形でないものもありますが、パンタグラフは電車が走るための電気を得る(集電する)ために必要なパーツです。
しかし、車両が集電する方法はパンタグラフだけではありません

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これは、東京メトロ丸ノ内線です。
車両の上にはパンタグラフが無く、電気が流れる電線もありません
それでも、丸ノ内線は電気の力で走る電車であることは確かです。

では、丸ノ内線の車両はどのように集電しているのでしょうか?
車両が走っていない側の線路を見た方が確認しやすいと思いますが、2本のレールがある場所よりも少し高い位置に3つ目のレールが確認できます。
この3つ目のレールには、電気が流れています。
つまり、車両の上にある電線ではなく、車両の横にある3つ目のレールから集電します

この3つ目のレールをサードレール(third rail)といいます。
東京メトロの路線のうち初期に作られた銀座線丸ノ内線の車両は、車両の脇にある集電靴と呼ばれるパーツをサードレールに当てて集電します。
このような集電方式を、第三軌条方式サードレール方式)といいます。
ちなみに、集電靴はコレクタシュー(collector shoe)とも呼ばれます。

ここで、パンタグラフで集電する方法に名前は無いのか?と思った方も居ると思います。
集電靴でサードレールから集電する方法を第三軌条方式と言うのに対して、電線からパンタグラフで集電する方式を架空電車線方式といいます。

ちなみに、車両の上にある電線は架線(かせん)といいます。
列車遅延などの理由で「架線に障害物が…」と聞くこともあると思います。
「かせん」と読める言葉は河川、仮線など多くあるので、区別をするために架線(がせん)と濁って呼ぶこともあります。

ここまでの情報を整理します。

【架空電車線方式(かくうでんしゃせんほうしき)】
特徴 : 架線からパンタグラフによって集電
例 : JR山手線東海道新幹線小田急小田原線

【第三軌条方式(だいさんきじょうほうしき)】
特徴 : サードレールから集電靴によって集電
例 : 東京メトロ銀座線東京メトロ丸ノ内線札幌市営地下鉄南北線

東京メトロの路線は、銀座線と丸ノ内線以外は架空電車線方式によって集電をしています。
第三軌条方式には、トンネルの断面積が小さくて済むメリットがあります。
銀座線や丸ノ内線は、トンネルを掘削する技術が今ほど発達していなかった頃に完成した路線です。
なので、トンネルの断面積が小さくて済む第三軌条方式を採用しました。

一方、第三軌条方式の路線は架空電車線方式の路線と直通運転をすることは極めて難しいです。
日本を走る多くの路線が架空電車線方式なので、第三軌条方式にしてしまうと相互直通運転が難しくなるデメリットもあります。
東京メトロで一番新しい路線である副都心線は、東急東横線西武池袋線東武東上線などと直通運転をしますし、架空電車線方式です。


架線があるのか、サードレールがあるのかというのは、鉄道に興味が無いとなかなか気にしないポイントかもしれません。
この記事を見てくださった後に地下鉄などに乗ったとき、少しでも気にしてもらえたら嬉しいです。

最後に注意ですが、サードレールにはもちろん電気が流れています。
万が一線路に転落してしまった際、サードレールには絶対に触れないようにご注意ください。


ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!

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