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会社の事業内容の整理をするにあたって考えた大事なこと

2013年4月1日に自分の会社、COS KYOTOを立ち上げて今年度は10周年だった。創業して10年続いている会社は、大体7割(ベンチャーだと6.3%)らしい。ビジネスモデルや事業領域にもよるから一概には言えないけども、誰もあまりやっていない領域にチャレンジしているという意味では、たぶんベンチャーになる。というより単なる零細企業なのだろうけどもw

創業当初から、思いは全く変わっていない。というより、物心ついたときから変わっていない。環境問題に対する意識から僕の人生はスタートしているからだ。そして、ビジネスという現実の社会を動かしている実践の仕組みを通じて、社会のあり方を少しでも良い方向に変化していくような、そんなことを考えてきた。

最初は世の中でもっとも環境負荷を与えているエネルギー業界(大阪ガス)に入った。その中で人が変化しないと社会は変わらないことに気づき、人材育成研修の会社(グロービス)で法人研修に取り組んだが、リーマン・ショックで人は欲望を向いている現実を目の当たりにし、色々と悩みまくった結果、地域に根づいている文化や知恵の中にこそ、人の心を豊かにし、自然の中で社会を適切にまわしていく仕組みがあることに気づいた。そして、学び直した末に地域に根づいている文化を軸にビジネスを展開し、人の心が少しでも良い方向に変わっていく仕組みづくりをすることを決めた。

最初は身の回りにある日常品が、そういった背景・ストーリーにあふれた物になっていけば、それを使うたびに心が変わっていくのではないかと考えて、現在の世の中に合う製品づくり・販売に取り組んだ。(割と今はこういう人たち多いよね。しかも地域にどんどん増えている。いいことだ。)
しかし、自分には製品のデザイン・開発・流通・広報・営業等についての実践的な部分での経験・ノウハウも十分な資金もネットワークもなく、ビジネスモデルの構築で酔ってしまうというMBA卒の起業家にありがちなことをやってしまい、色々とどん底に陥った。
結局のところ、自分ひとりの実力およびできることで、何ができるかを考えていった結果、地域の魅力的な素材を発掘し、デザイナーなどそれらの素材を求めている人たち、特にアメリカや欧州など、そういったストーリーに響く人たちが多い市場のプレイヤーに届けていくということに取り組んで、少しずつ実践的なノウハウを蓄積していった。
その過程で、色々と失敗もしながらも、多くの人たちのサポートもいただき、海外との文化交流プロジェクトなども実現してきたし、日本各地にいろんなつながりができていった。

そんな10年を重ねていく中で2019年にコロナ禍になり、世の中が止まった。海外にも一切行けなくなり、これまでのやり方やチャレンジは転換を迫られた。だけど思考は止まらなかった。むしろオンラインでのチャレンジを増やし、コミュニケーションの幅はどんどん広がった。直接会えないけど、会話は海外とも増えていった。

そして行き着いたのが「人の心は、心を揺さぶる体験によって変化する」ということだった。知識などを蓄積し、交流することは、そのベースにある。その上で、強烈な体験をすることで、頭ではなく、心で、体で反応するようになっていく。そしてそういった体験こそが、地域に根づいている文化の叡智が詰まっている現場で感じられる。
自分自身がそうだったじゃないか。現場を訪ね、その背景にある自然・風土の偉大さに畏敬の心を抱き、その自然の恵みをいただいて、美しい道具や素材、芸術品へと変化させている作り手の一人ひとりの思いを聞き、話し、そしてその技を見るときに心がふるえ、感動し、だからこそそれを多くの人に伝えることが大事だ!と感じたから、この道を選んだんじゃないかと。
だったら、その自分の心がふるえる現場に人に来てもらって、同じように心がふるえる体験を提供していくことが自分の役割じゃないか。工芸、町工場、農場、森林、社寺など、ありとあらゆる現場にそういった知恵があることに気づき、感動している自分の心にもっと正直に気づけばよかったんだ。
しかも、そういった分野のことは素人だったから、歴史や文化、ものづくりなど、色んなことを学んできた(今もまだまだ勉強中・・・)からこそ、そしてなんだかんだビジネスの世界にどっぷり身をおいてまがりなりにもMBAをとったし、大企業もベンチャーも経験したからこそ、統合的に現代のビジネスの人たちにわかりやすく伝える場の設計もできるし、ファシリテーションもできる。

そう気づいたときに、自分が会社として、これからの向かうべき方向が統合的にクリアに見えてきた。答えは自分の中にあったんだ。
余計なことを色々と削ぎ落とし、まずはクリアにピュアな玉を磨き上げてみた。そうやって生まれてきたのがこれだ。

まだまだ荒削りなところもあるけども、かなり余計なことは削ぎ落とせたと思っている。ようやく自分の中でも迷いが吹っ切れてきた。

【ビジョン(ありたい姿)】
未来のために、美しい自然環境と人々の笑顔があふれる社会を構築する

【ミッション】
1.人が変わっていくきっかけの場の提供を通じ、自律的な社会の変革に貢献する。

2.地域に根付いている叡智のリサーチと現代にアップデートした発信を通じ、自然の恵みの範囲内で豊かに生きられる仕組みの構築に貢献する。

3.全ての事業運営において、資源を浪費しない(±0)仕組みで運営する

【事業内容】
■地域創生事業
・地域の叡智を世界に伝える
・地域の担い手を育てる

■人材育成事業
・エドノミー®を軸に地域の叡智を学び、現代に活かすプログラム
−Life Seeking Journeyプログラム
−セミナー・ワークショップ
・対象層
 ‐企業の(次世代)経営層等の変革
 ‐研究者・クリエイター・アーティスト向け
 ‐自己変革・人生変革したい個人向け

■地域の叡智のリサーチ事業
・エドノミー®をベースとした地域の叡智のリサーチ
・それらの発信

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