新訳「弓と禅」 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想
東北帝国大学に招かれ哲学を教えるべく来日し、1924年〜1929年まで講師を務めたドイツ人哲学者のオリゲン・ヘリゲル氏が、未知の日本文化の真髄を理解するため、弓術の大射道教を創始した阿波 研造氏を師として弓の修行をする過程で、無の心境を体得するまでの葛藤が綴られている。
禅の精神の理解や日本文化に対して西洋の価値観から捉えようとして師と議論しているうちは戸惑いの連続だったが、暗闇で師が的の真ん中に当て、さらに二の矢がその一本目の矢にあたっている様子を見てから修行に勤しみ、ドイツに帰国する頃には阿波氏より五段の免状を受けるに至る。
弓に限らず「道」と言われるものの目的とする世界観を、オリゲン・ヘリゲル氏のように日本の文化の本質から離れてしまった世界で生きる現代の日本人が感じる意味でも良い一冊。
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