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2023年度 #1 地域には学びの沼がある

いろいろな学びがある日々が続いているので、週報的にその週に起こったことや考えたことなどを書いていくことにした。

🌸2023年4月1日〜8日の振り返り

・4月1日に会社設立10周年記念パーティーでいろんな人と再会する
・来てくれた「お蚕友の会」のメンバーたちと京北・滋賀を訪ねる
・ドイツとのプロジェクトに向けて、竹を縄で結ぶ方法を教えてもらう
・DESIGN WEEK KYOTOの今後について語り合う

🍻10周年記念パーティーをLiv:raの小森さんと合同で開催。年度末の締め明けなので、かなりゆるーく開催したけど、やはり色んな人に支えられての人生ということを実感

2013年4月1日に株式会社として設立してから、COS KYOTOは10周年を迎えた。地域にある素晴らしい叡智を世界に伝えることで、人の価値観が変化し、少しでも心豊かで循環する社会を構築したい!という思いは創業当初から何も変わっていない。ただ、仕事の手法はどんどん変わった。京都で何の実績もない状況で相手にされず、あまり自分に経験もない商品開発や販売がうまく行かず、初年度にいきなり資金ショート寸前までいって、本気で倒産しかけたのを助けてもらったり、なけなしの残金でポートランドに行ってから素材の提供を通じて価値を伝える事業に転換していったりして、今は地域に人が来てもらってインプット・交流・体験を通じて価値観が変わるきっかけを提供する「ラーニング・ツーリズム」が事業になってきていることなど、これまでの経緯とそれぞれのステージで助けていただいた方々と話しながら振り返った。
来てくださった方々やサポートしてくださっている含め、関わってくださったすべての方々との交流・学びが今に繋がっていると心から感じる。
同じく10周年を4月で迎えたLiv:raの小森さんは、自分にとってはまさに商品開発を続けていた場合の世界線の自分を見ているように感じるくらい、実現したい思いや世界観が共通している。まさに交流を通じて学びを深めあえていると思うし、起業タイミングも同じなので、色々とご縁を感じる。
しかし年度末ギリギリまで色んな書類やら作っていたので、準備はあまりできなかったけど、小森さんと妻と一緒に運営できて、アットホーム感があって良かった。大々的な形でやるのも良いけど、自分としてはこういう雰囲気の方が性に合っているのだと思う。
それにしても司会をお願いした 山口大人さんのトークの展開力がさすがだった。ありがたすぎる。

🌴京北・滋賀への訪問は改めて、地域からは学びが深いことを実感

10周年パーティ翌日は、パーティに来てくださった「お蚕友の会」の仲間と京北を訪ねた。小森さんはLiv:raでシルクランジェリーを手掛けるだけでなく別名蚕姫と呼ばれるくらい、自分で蚕も育てるなどの蚕Loveな人でシルクや蚕に興味のある人で「お蚕友の会」というほとばしる昭和中期感の名前のゆるい会をやっていて、僕も会員だったりする。同じく会員のファッションデザイナーの石坂さん、サステナブルファッションの専門家である山口さん、さらにそこにそして今宮神社でも奉茶されていた薬草の専門家の村田さんも加わり、京北にファブビレッジを3月21日にオープンした高室幸子さんに会いに行った。工事中の様子を見ていたので、完成した状態を見られてよかったし、良い気が流れていた。場って大事。京都の木のものづくりを支えてきた京北から、新たな木の文化が発信されていくのだと思う。
あとなにげに初訪問だった「工藝の森」も行ってきた。すごーく行きたかったので、じんわり感動していた。ここで小森さんは桑も植えているとか。森で話をする幸子さんの様子がいきいきとしていて、森の気も良いし、どんどん手が加わって整備されていく未来が楽しみになった。

さらに翌日は、小森さん・石坂さん・山口さんと滋賀のシルク関係の染織関係の会社やまちづくり会社などを訪ねて周った。丹後ちりめんから派生した長浜の浜ちりめんは丹後550社に対して今は9社と規模は小さいが、化学的な処置を行わずに洗えるシルクを開発したりするなど、かなり各社が個性的な取り組みを展開しているなど、その他のことも含めて刺激的だった。やっぱり産地間交流・協力してお互い刺激しあって、世界に向けて価値を発信していけるようにしていきたいなぁと思った。
その他の産業やまちづくり関係者の皆さんも含めて、滋賀は基本「水」への意識が基本的に高い。というより前提として水と共にある暮らしがある。水が本来の意味でのコモンズ(共有物)であり、手をかけて守っていくものであるとの意識が通底していると感じた。このあたりの意識を新規の住民にも伝えていくためにもものづくりの現場を開いて交流するオープンファクトリーなどのやり方は大事なのだなと思った。文化意識がグラデーション的に浸透していくという感じかな。

🌿竹を縄で結ぶ方法を教えていただく

ドイツのゲーテ・インスティトゥート京都さんとはここ数年、色んな文化交流のプロジェクトを実施しているが、その一環で竹を用いたサステナブルな作品を作ることにチャレンジしている。竹が日本人にとってどのような意味を持つか、これまでどのような用いられ方をしてきたか、などを伝えてきたことが今回のことに結びついている。強度も必要なことになったので、祇園祭の縄絡みの結び方を様々な方々のご協力により教えてもらうことができた。本当にご縁に感謝。ありがたや・・・。ドイツにも恐らく縄の結び方はあると思われるので、共通性および差異から文化交流ができそう。

🌅DESIGN WEEK KYOTOの今後について語り合う

金曜には8回目の開催を終えたDESIGN WEEK KYOTOの今後について、参加してくださっている事業者の皆さんと話し合った。はるばる舞鶴や丹後からも参加してくださって、今後に向けて議論していった。これまでのような年に1回のオープンサイトイベントの形からは、やはり変わっていく方向性を皆さんも共感しておられて、地域ごとに自主的な取り組みを進めていくことになっていきそうだ。今後に向けての迷いがなくなった、本当にありがたい時間だった。

いろいろなことがあった1週間だったが、これまでの10年を振り返ったことで原点を改めて見つめ直し、今の時代に合った形で自分の果たすべき役割を多くの方々と共に取り組んでいくということに迷いを吹っ切ることができた、とても良い年度最初の週となった。

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