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異文化交流で見える「共通点」

ミラノ工科大学でインテリアや空間のデザインを学ぶ大学院生2名が2月から2ヶ月のインターンを終えた。長いようで短い2ヶ月だった。自分たちにとって、外国からのインターンを受け入れるのは、ドイツ、ベトナムに続いて3カ国目だった。
期間中、京都府内の色んなところに一緒に同行してもらってプロジェクトを一緒にやってきた。このあたりは改めてまとめたいが、印象に残っているのことを忘れないうちに書いておきたい。

鴨川沿いを移動しながら、「あそこは川床って言ってねー夏には川の上に床を作って涼みながら食事したりするんだよー」とかベタなことを説明しながら、「そういやミラノにもNavigliがあって、運河沿いにめっちゃ飲食店とかあって繁華街みたいになってるよね」ということを思い出したので、そこであれこれ話が盛り上がった。

それまで京都とミラノの建築や生活文化などの違い、自然風土の違いなどについて色々と議論してきた中で、お互いにふと「そういや世界中で川沿いって飲食街になってること多いよね」ということに気づき、「なぜ川沿いに人は集まり、語り合うのか」という人類の根源に迫るかのようなテーマで語り合った。

・ロマンチックな雰囲気だから
・川は人間の生活に不可欠であり、川の周りに街が発展してきたから
・お酒を飲みまくって気分が悪くなっても川に吐けるから

などなど色んな浅い思いつきや深い洞察を語り合った。

その会話の中でインターン生が言ったこの言葉が印象に残っている。
「色んな国に行く楽しさは、違うところを見るところもなんだけど、こういう普遍的な共通点に気づけること」

そうなんだよね。どうしても異文化の人たちと話していると表面的な違いにまず視点や思考が行きがちなんだけども、結局同じ人間だからこそ、違いを生み出している要因を理解できれば、実は自分も同じ思考になるかもしれないと思えるし、共感できずとも理解ができる。
そして、こういった普遍的な共通点に気づけると、人間に通底する根源的なところに思考が至る。

表面的なことや小さな違いなどに囚われて、物事が前に進まないことは、色んな場面で起こりがち。だからこそ、外国に限らず、多くの異文化の人たちと交流し合って、普遍的なことに気づき合えると、些細な違いなどを超えて前に進んでいける。

こういう交流が多様で深く日常的に行われている街が魅力的な街なんだろうな。

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