マガジンのカバー画像

思い・雑感

28
COS KYOTO代表/DESIGN KYOTO代表理事/エドノミー®研究家・北林 功の個人的な想いや日記をつれづれに書いています。
運営しているクリエイター

記事一覧

異文化交流で見える「共通点」

ミラノ工科大学でインテリアや空間のデザインを学ぶ大学院生2名が2月から2ヶ月のインターンを終えた。長いようで短い2ヶ月だった。自分たちにとって、外国からのインターンを受け入れるのは、ドイツ、ベトナムに続いて3カ国目だった。 期間中、京都府内の色んなところに一緒に同行してもらってプロジェクトを一緒にやってきた。このあたりは改めてまとめたいが、印象に残っているのことを忘れないうちに書いておきたい。 鴨川沿いを移動しながら、「あそこは川床って言ってねー夏には川の上に床を作って涼み

大三島で考えた、コーディネーターに求められる要素、そして地域側の要素

今週は月曜から瀬戸内の大三島に行ってきた。 今回のメインの目的は、この島にどのようにして海外から人が訪問してもらえるようにできるか、その上でどのような地域の未来を描いていくのかという事業の一環で、アドバイザーとして訪問した。 この島は、「神の島」とも呼ばれ、瀬戸内海でもかなり重要な位置づけとされる。僕自身も今回が初めての訪問だったので、地域の皆さんと議論するためにも、早めに行って島を巡ってきた。 大三島に行くには、関西からだと新幹線で福山へ行き、そこからバスに乗って大三島

違いに見る背景の違い、そしてやはり異文化コミュニケーションは楽しい発見の連続!

2月からミラノ工科大学の大学院でインテリアや空間デザインを学んでいる学生を2名、インターンとして受け入れている。 これまで海外からは、ドイツ人の大学生が多く、他にもミャンマーやベトナムからも受け入れてきたが、毎回色んな発見がある。違いと共通点と。 今回は、「停め方」における思考の違いが見えたので、それをご紹介。夏にイタリア人のデザイナーらと仕事の一環で京都を巡っていたときにも、この話題になった。 日本人は駐車場に車を停めるときに、バックで駐車することが多い。色んな要因があ

会社の事業内容の整理をするにあたって考えた大事なこと

2013年4月1日に自分の会社、COS KYOTOを立ち上げて今年度は10周年だった。創業して10年続いている会社は、大体7割(ベンチャーだと6.3%)らしい。ビジネスモデルや事業領域にもよるから一概には言えないけども、誰もあまりやっていない領域にチャレンジしているという意味では、たぶんベンチャーになる。というより単なる零細企業なのだろうけどもw 創業当初から、思いは全く変わっていない。というより、物心ついたときから変わっていない。環境問題に対する意識から僕の人生はスタート

伝えることの大切さと歯がゆさ

色んな立場で人は考え、話し、行動する。 立場が変わると、同じ人なのに言うことが変わったりする。それだけ置かれている立場によって、求められる役割や変わってしまうからだ。つまりは人は、自分の思いや信念だけで考え、判断し、話し、行動するのではなく、常に周囲の環境条件によって、それらは変化すると言える。 その環境条件よりも思いや信念が強い場合、個人としての発言や行動になっていく。つまりは周囲への依存度と個人としての思いの比率によって左右される。 多くの場合、家庭も含めて大なり小なり

見えないところを把握して、適切に人の手を入れて豊かな自然を維持する考え方を学び、先祖たちに思いを馳せる

🌸2023年5月1日〜7日の振り返り GWの怒涛の中国地方日本海側リサーチのあと、体力・知力ともに色々とアテられたのか、実は体調を崩していた。そのため、今更ながらのアップ。 ・玉利くんを始めとするKyoto Kitchenのメンバーらと一緒に「土中環境」著者の高田宏臣さんをゲストに招いた「プラネタリー ヘルス アクション」主催のワークショップに参加。初めての高田さんの圧倒的な熱量を浴びる。 大山のパワー、それに対する人の無知な営みと環境の破壊、土中環境改善から人の心の改

2023年度 #3 不思議なご縁も世の中の巡り合いの理ゆえ

🌸2023年4月17日〜30日の振り返り ちょっと怒涛の日々が続いたので、まとめてアップすることに。自省。 ・初めてEOの京都会に参加し、懐かしい面々にも会いつつ元ワークスアプリケーションズ代表の牧野さんの話から、世の中を変えてこそのアントレプレナーであることを改めて感じ、奮える心を思い出す。 ・玉利くんと曽爾方面を巡り、中央構造線地帯の圧倒的なパワーと、そこに古来より美杉の雲出川上流の水源を守ってきた川上山若宮八幡神社を偶然訪れたり、高校の後輩の篠田さんを訪ねたりし、色

2023年度 #2 「その季節しか味わえないことがあること」を、現代の人は本当にどこまでわかっているのだろうか

🌸2023年4月9日〜16日の振り返り ・Fashion Studiesのオンライントークセッションでハタフェス企画者のお一人、藤枝大裕さんとテキスタイル産地ネットワーク主催者の大田先生の話に感銘を受ける ・色んな人たちにDESIGN WEEK KYOTOとDESIGN KYOTOの今後の構想を話したことによって、今後の方向性が固まってくる ・木金の2日間突貫で急遽集まった初対面のチームメンバーで急遽資料を作るも、すごいチーム力でなんとか提出に間に合うという奇跡が起きる ・

2023年度 #1 地域には学びの沼がある

いろいろな学びがある日々が続いているので、週報的にその週に起こったことや考えたことなどを書いていくことにした。 🌸2023年4月1日〜8日の振り返り ・4月1日に会社設立10周年記念パーティーでいろんな人と再会する ・来てくれた「お蚕友の会」のメンバーたちと京北・滋賀を訪ねる ・ドイツとのプロジェクトに向けて、竹を縄で結ぶ方法を教えてもらう ・DESIGN WEEK KYOTOの今後について語り合う 🍻10周年記念パーティーをLiv:raの小森さんと合同で開催。年度末の

神の島・久高島で感じた「感覚を開く」意味

11月に約10年ぶりに沖縄に行ってきた。今回は副代表を務めている「テキスタイル産地ネットワーク」の第5回が沖縄で開催されることに伴い訪問した。そのことはまた別の機会に書きたいと思うが、今回はその会が終わったあと訪問した久高島での感動を伝えたい。 きっかけは今年の3月に久高島に訪問された放送作家の谷崎テトラさんだ。テトラさんとはその3月に京都でお会いし、今後の地球社会を考える上での仕組みや人材育成等について話していた。その中で「絶対久高島に行くべき!」と言っていただき、11月

モヤッとする翌日、東京オリンピック2020開会式が露呈したもの、僕たちはそれらを噛み締めて前を向いていかないといけない

「とにかく始まったんだから、純粋にアスリートのパフォーマンスを楽しんで勇気をもらおうよ」「現場で汗をかいて頑張って開催にこぎつけた人達を今批判してどうするの?」 その気持ちは、僕の中にもあり、書く手が止まる。ネット情報も錯綜する中、オリンピックや政権批判を書く事に、炎上や偉い人を怒らせるリスクこそあれ、何のメリットもない。 でも、今ここで、今回の一連のオリンピック大会準備が露呈したことを総括しておくことは、大切なことだと思う。今日しかかけない、競技が本格的に始まる前に、今

O'right:食べられる歯磨き粉などホントにまるごとサスティナブルな台湾企業。

2020年グッドデザイン賞金賞に選ばれ話題となった「O'right社の歯磨き粉」。 審査員コメント(石川善樹さんとかが担当されていますね)を読むと、 これまでの環境負荷の高いものづくりをゼロから新たにした画期的な取り組みと、目的意識と美意識の高い企業カルチャーや経営哲学を高く評価する。化学物質を含まないゼロカーボンパッケージ、循環型のプロダクト、社員のエンゲージメントまで、人と地球に優しいホリスティックでグリーンなライフスタイルの提案は、誰もが目指すものではあるものの、実

四分一生活が今後のスタンダードになると思う。例えば職人が①物を作る/修理やアップサイクルする②教室や体験を提供する③畑や森を整備して農作及び材料栽培する④地域コミュニティで支え合う活動をする、など1/4ずつの仕事をすることだ。専業ではもはや成り立たない社会の当たり前。

「三方よし」から「五方よし」へ

近江商人の経営哲学として「三方よし」はとても良く知られた言葉だ。「売り手によし、買い手によし、世間によし」ということで、「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方だ。近江商人にルーツを持つ企業が多い京都でも、「三方よし」は経営者のモットーとして語られることが多い。 一方で、地場産業のモノづくり関係の方々のサポートなどに取り組んでいるときに、色々な違和感を持つようになった。小売価格に対して、作り手の方々の取り分が少