ムビシナ投稿シナリオ ドラゴンの子

聖珠伝説パールシード 「ドラゴンの子」

LV2用シナリオ (PC3~4名を想定しています)


温暖な山村メヒコン

ここは、人々が牧歌的に平和な生活を続けている小さな村。
グッドドラゴンのひとり、銀竜シルヴァネスの奉仕種族と言われている
ヘイタイガエルやウーパールーパーたちと、近隣の人間たちとが共存して、細々とだがデーモン族とは関わりのない、平和な日々をおくっていた。


イントロダクション:

ウーパールーパーはドラゴン族の奉仕種族で
細々とした用事をこなす従者的な仕事をしていることが多い種族です。
彼らは、自分たちは、実は遠い未来に大きくなるとドラゴンに進化する
ドラゴンの幼体である、と信じている種族でもあります。
小間使いを申し付けることが多いヘイタイガエルたちは
そんなことはないのを知りつつも、「なれるといいゲロな」
と、やんわりかわすだけで、特に普段から波風は立てない事が常でした。

そんな平和な最中、ある時、変な噂がたった。
「黄金の色をしたウーパールーパーは、ドラゴンになるらしい。」
この噂を耳にした、ウーパールーパーたちは狂喜乱舞しました。
何しろ、ちょうど黄金色の子供が生まれたばかりだったのです。
そして、間もなくして、事態は悪い方向へと進みます。
折悪く、事あるごとに嬉しそうにこの話を振りまくウーパールーパーに
ヘイタイガエルの一人が「なれるわけないゲロ」と吐き捨てたのです。
この言葉から、ウーパールーパーたちとヘイタイガエルたちとの間に
大きなケンカが起きてしまいました。

その仲違いの噂は遂に村まで聞こえてきて、
村の人々は彼ら憂い、何とかしてあげようと考えました。
そして村の近くでいつも仲良く過ごしていた君たちが
お互いを仲直りさせるため、洞窟へと足を踏み入れることになりますが…


GM情報:

ドラゴン族の噂をかぎつけたデーモン族の諜報員である道化師が
調査のためにこの村の洞窟に密かにやってきています。
そこで、たまたま肌の色が黄色のウーパールーパーが1匹いるのを目撃し、
そしてウーパールーパーとヘイタイガエルの仲違いを思いつき
両者の反応に面白がった道化師は、ヘイタイガエルに変装して
仲違いをより大きく助長させました。

仲が険悪になる2つの種族を観察しつつ、
隠れているグッドドラゴンの居場所を炙り出そうという魂胆ですが、
そこに冒険者であるPC達が現れる。
道化師は、邪魔をされてはなるまいと、
冒険者の君たちが互いの種族を仲直りさせようとするのを妨害しつつ
急ぎ洞窟の最深部の調査をしようとしますが……
という流れになります。

基本的には、
1.ウーパールーパーとヘイタイガエルに会い、話を聞く。
2.なぜであれほど不自然にもいがみ合ったか、思い返してもらい
  一旦、ケンカをやめて考えてもらう。
(進行のため、PCの目的がより明確になる必要があるなら)
(3.あおった変なヘイタイガエルに気付いてもらう)
4.PC達がウーパールーパーとヘイタイガエルと協力して
  道化師をやっつける。
というのがメインストーリーです。


冒頭
この村はグッドドラゴン、シルヴァネスとゆかりが深く、
村はひっそりと竜の住む山との共存を続けていました。
その村が、いまやいつになく不穏な雰囲気に包まれています。
村のみんなや君たちが仲良くしていた、
竜に奉仕していたヘイタイガエルたちと、
その小間使い的な従者であったウーパールーパーたちが
激しく仲違いしてしまったのです。
今まで、とても仲良くしてきた両者が、
なぜ今、大ゲンカしたままなのか、
その真相を探り、仲直りをさせるべく、
君たちは村の勇者として調査しに行くこととなりました。
場所は君たちにはなじみの洞窟ではありますが、
思えば中に入ったのは入り口付近だけで
奥の方まで入ったことはありませんでした。
友達である彼らの住処におしかけて、はたして力になれのか
門出の儀式の最中も、不安が募ります。

司祭(ムラーノ)
「よくぞ集った我が勇者たちよ。
 君たちに重要な使命を担ってもらうことになったが
 是非とも完遂して、この村と銀の頂シルヴァネスの末裔との共存を
 再びもたらさん事を。皆に女神の祝福あれ!」
といって「薬草(HPを1D回復させる)」を
ひとりにつき1つ渡してくれます。
村の小さな教会をでると、出口では
村長や村の人たちが手を振りながら吉報を待つと見送ってくれます。


洞窟
●E4:洞窟の入り口
 [様子]
 しっとりとした岩壁が続く洞窟の入り口です。
 ところどころに水たまりがあり、
 濡れている石が続く地面は滑りやすそうです。
 奥(D4)に続く通路が続いていますが、ここには誰もいません。
 [調査]
 岩の上に残る土の付いた足跡がうっすらと残っています。
 見慣れたヘイタイガエルやウーパールパーに混じって
 人の靴跡らしきものもあるようです。
 [真相]
 足跡は洞窟に住むヘイタイガエルとウーパールーパーに加えて、
 道化師のものです。

●D4:分かれ道
 [様子]
 さらに奥(C4)に通じる通路と右手(D5)に通じる通路があります。
 [調査]
 たくさんの足音がベタベタと濡れた地面についています。
 ウーパールーパーたちとヘイタイガエルたちが、
 いつになく活発に右往左往している様子がうかがえます。
 [真相]
 ウーパールーパーたちがヘイタイガエルたちのいるところに押しかけては
 戻り、ヘイタイガエルたちも気を使って、ウーパールパーたち話を聞きに
 行ったりしている様子が分かります。

●C4:洞窟の広場
 [様子]
 君たちが来たことがある最深部、洞窟の広場に到着した。
 今は静かで誰もいない、と思ったが、ヒダリオクスミの方で、
 ヒダリカベにある、左(C3)へと続く門の中の様子を窺っている
 一体のゴーストがいる。
 「……見えてない見えてない。観察観察……」
 [調査]
 こっそり忍び寄れたら、ゴーストの不意を打てます。
 ゴーストは君たちに気付かれるとビックリして襲ってきます。
 「見られたからには生かしちゃおっけな~いヒヒヒ」
 [真相]
 このゴーストは道化師の言いつけにより
 ヘイタイガエルたちを監視しているデーモンです。
 やられた時に、ゴーストは道化師にテレパシーで連絡しつつ消滅します。
 「見られてやられてすみませ~んタイチョー」

●C3:門番のカエル
 [様子]
 洞窟の奥へと続く、狭い通路2カ所をはさんだ小部屋です。
 狭い部分には門を設置してヘイタイガエルたちが門番に立っています。
 門は開いており、
 4匹のヘイタイガエルが困った顔で奥(B3)の通路の方をみています。
 二匹のヘイタイガエルがそれぞれミギカベの門(C4)と
 オクカベの門(B3)を守っています。
 洞窟の奥(B3)から聞こえてくる
 門番の表情を見ると、ヘイタイガエルたちとウーパールーパーたちの
 ケンカは、まだまだ続いているようです。
 門番たちは君たちに気付くと、ぐったりしながら不平を漏らします。
 「いい加減にしてほしいゲロ。もう話すのも疲れたケロ」
 「よくないところにきたケロ。奥は行かない方がいいケロよ」
 「でも、止めてくれるなら行ってもいいケロ」
 [調査]
 通路の奥の方からは、ウーパールーパーたちとヘイタイガエルたちが
 口げんかしているのが聞こえます。
 「ウパ!」「ゲロ!」「ウパパ!!」「ゲロゲーロ!!」
 口調から怒っているのは分かりますが、
 すでに何を言っているのか分からない状態で、
 かなり白熱した雰囲気としか分かりません。
 [真相]
 特に何もありません。

●D5:分かれ道
 [様子]
 かなりジメジメした通路です。
 ミギの方と(D6)とオクの方(C5)に続く通路があります。
 [調査]
 特に何もありません。
 [真相]
 特に何もありません。

●C5:いきどまり
 [様子]
 いきどまりの場所を利用して雑多にものが置かれています。
 生活用品やお皿などのほかに、
 ウーパールーパーたちの槍などもあるようです。
 [調査]
 オクの方にまるいこぶみたいな岩が壁から突き出ており、
 その間から水がちょろちょろと流れ出ています。
 飲み水や洗い物に使っているようです。
 水を飲むとホッと一息でき、HPが1点回復します。
 [真相]
 ヘイタイガエルやウーパールーパーたちの倉庫兼、台所です。

●D6:ウーパールーパーたちの住処
 [様子]
 ここは岩肌がなだらかに下っており、
 奥のミギカベの方は地底湖のようになっています。
 水の中や水辺りで、気持ちよさそうに休んでいるウーパールーパーの子供
 たちがいます。
 [調査]
 ウーパールーパーの子供たちに話しかけると、以下の話が聞けます。
 親たちはヘイタイガエルたちのところに行っているらしい。
 最近、金色の子も生まれ、「この子はメヒコアラマンダーになるのよ。」
 と その子のお母さんが嬉しそうにしていたことを教えてくれる。
 お父さんは「メキコサラアンダー」って言ってなかった?
 などと、かなり微妙な違いを子供たちはお互いに口にしたりしますが、
 言っている子供たちもさして気にしている様子はありません。
 [真相]
 親たちが言っていた言葉はメヒコザラマンダーですが、
 そもそもその名前も、
 親たちが思い描いているドラゴンの名前ではありません。
 全員がなんであるのかよく分かっていない名前です。
 ウーパールーパーたちは、自分たちがドラゴンの幼体だと信じている
 ドラゴンの奉仕種族で、いつか自分たちも立派なドラゴンになれると
 せっせとヘイタイガエルたちのお世話や小間使いをしている状態です。

●B3:カエルたちのけんか
 [様子]
 君たちが来たことがある最深部、洞窟の広場に到着しました。
 奥の方で、ウーパールーパーたちとヘイタイガエルたちが口げんかしてい
 るのが聞こえてきます。
 「ウパ!」「ゲロ!」「ウパパ!!」「ゲロゲーロ!!」彼らが怒ってい
 るのは分かりますが、すでに何を言っているのか分からない状態で、
 見ただけでは、かなり白熱した雰囲気であるとしか分かりません。
 [調査]
 ウーパールーパーにでも、ヘイタイガエルにでも、誰かに声をかけると、
 ケンカの理由を聞くことができます。
 ウーパールーパーは、自分たちはドラゴンの幼体なのに、
 ヘイタイガエル達がそうじゃないと言い張り、認めようとしない、と。
 「メヒコザラマンダーになれるんだよ! 信じてくれないウパ!
  ひどいウパ!」
 「強いドラゴンにウパたちもなるんだよ!ホントウパ!信じてウパ!」
 もう一方のヘイタイガエルたちは、本当の事を言ってるのにウーパールー
 パーたちがここ最近、かたくなに認めない事に、お互いを思いやる心を失
 うほどげっそりしている事を告げます。
 「ドラゴンになれればいいけど、むりだケロ。」
 「俺たちもウーパールーパーもドラゴンじゃないケロ。
  なぜか分かってくれなくなったケロロ。疲れるケロよ」
 [真相]
 両方の主張を故意に膨らませ、煽動してことを大きくしているのは
 デーモン族の道化師です。
 両者の間の亀裂を膨らませ、奉仕しているドラゴンに頼るように仕向け、
 善の竜のひとり、シルヴァネスを居場所を探ろうとしているのです。
 なお、ここには道化師は居ません。

●A3:カエルたちの住処
 [様子]
 ヘイタイガエルたちの寝床のようですが、
 今はグッタリしているカエルたちが目立つ。
 彼らの子供であるオタマジャクシたちもくったりとしているようです。
 [調査]
 岩肌がサンゴのようになっており、ところどころに卵が付いています。
 ヘイタイガエルたちの卵のようです。
 ヘイタイガエル達に話を聞くと、
 ヘイタイガエルの長がグッタリしながら話をしてくれます。
 二カ月ほど前に、黄色い色をしたウーパールーパーが生まれたが
 どこから聞いてきたのか、ウーパールーパーたちは
 黄金の子供は大人になるとドラゴンになるらしい、
 との噂話を聞いて、
 遂に自分たちの中にドラゴンになる子供か生まれたと喜んだ。
 いつ大人になるか分からないが、この子が早く大人になって、
 ドラゴンの姿を見せて欲しいと、そういう希望を強く抱いたらしい。
 ただ、あまりにもその話ばかりするので、
 ある時、ヘイタイガエルのひとりが
 「なれるわけないゲロ」と言ってしまった。
 それまで、「なれるといいケロね」とか、
 「早く大人になれるといいねケロ」と言っていたが
 うっかり口を滑らせてしまった、というのだ。
 その時から、ウーパールーパーたちとヘイタイガエルたちとの間には
 ケンカが絶えなくなってしまったという。
 [真相]
 噂話は、道化師が冒険者やウーパールーパーの姿に化けて流したもので、
 うっかり口にしたヘイタイガエルというのも化けた道化師だった。
 道化師の目論見通り、仲違いをし始めたヘイタイガエルたちと
 ウーパールーパーたちは、未だに仲間に化けた道化師に踊らされている事
 に気づいてはいません。
 また、ここにいるヘイタイガエルたちは、ぐったりしていたため、
 道化師に扇動されて、奥へ向かった
 ヘイタイガエルとウーパールーパーの姿には、誰も気が付いていません。

●A2:洞窟の最深部へと続く道
 [様子]
 かなりひんやりした通路です。
 暗がりの奥から微かに水が叩きつける音が聞こえてきます。
 [調査]
 特に何もありません。
 [真相]
 特に何もありません。


●A1:滝と女神像
 [様子]
 通路の角からキンキンに冷えた水流が天井から噴き出して、
 清らかな滝つぼを作っています。
 [調査]
 滝音に紛れて、奥(B1)の方から、
 ヘイタイガエルとウーパールーパーの声がかすかに聞こえてきます。
 滝の水は清らかで、よく見ると滝つぼの水中には
 女神像がひっそりと沈んでいるのが見えます。
 この滝の水は、飲むとスッキリと頭が冴えていく気がします。
 滝の水を飲んだ人は、HPが3点回復します。
 [真相]
 特に何もありません。

●B1:門番
 [様子]
 奥(C1)へつながる狭い通路を守る様に、
 門番としてヘイタイガエルが立っています。
 その前には、ヘイタイガエル2匹とウーパールーパー2匹が
 門番に詰め寄っているようです。
 (道化師が化けたヘイタイガエル)
 「ウソかホントか、聞いてみるしかないケロ」
 「もう、いくら言っても聞かないケロ。祈って聞いてみようケロ」
 「お願いウパ」
 「待つケロ。祈っても…そもそも通していけない、きまりケロよ」
 (道化師)
 「ダメならまた考えるから、とりあえず気が済むかもしれないケロよ」 
 「待つケロ。きまりケロよ。先に長と話するケロ!」
 [調査]
 説得に夢中で、道化師の面影や特徴がうっすらと出ています。
 化けたはずのヘイタイガエルの顔にはピエロの目のような模様が、
 足先は水かきのむきだしの足ではなく、ピエロの靴が見てとれます。
 君たちに変装を見破られると、
 道化師はすごく可笑しい事でもあったかのようにけたたましく笑います。
 「ケヒヒヒヒヒ。こんなとこに邪魔な冒険者ケロピロ」
 ビックリする他のヘイタイガエルやウーパールーパーを嘲笑うと
 道化師は門番のヘイタイガエルを投げナイフで串刺しにしてしまいます。
 「ここを通れればもう用はない。さっさと始末してカエルケロよ。
  おっとこの口ぐせはもういらないケロね」
 門番は倒れていますが、
 門番の槍をとって、ヘイタイガエルとウーパールーパーが加勢します。
 戦闘では、君たちに加えて、
 「PCが3名の時は、
  ウーパールーパー1匹とヘイタイガエル1匹を仲間に加えたパーティ」
 「PCが4名の時は、
  ウーパールーパーかヘイタイガエルのいずれか片方1匹を
  仲間に加えたパーティ」
 で、道化師との戦闘を行ないます。
 道化師はHPが40点減るまでは「ヘイタイガエル」のデータを用いて
 化けている状態として扱います。
 40点減った時点で変身を解き、80点から受けたダメージを減らした
 状態の「道化師」とデータで戦います。
 [真相]
 クライマックスです。盛り上げていきましょう。

●C1:竜
 [様子]
 通路の奥には祭壇が設えてあり、
 奉じているのは洞窟と一体化した水晶でできた竜の像です。
 ヘイタイガエル達がしっかりと祀って敬っている様子がうかがえます。
 [調査]
 特に何もありませんが、道化師を倒していたなら、
 君たちへの感謝の気持ちを案内したヘイタイガエルが突如発します。
 それ以外の部分は適時演出するか、
 神聖そうな雰囲気である事だけ伝えて下さい。
 [真相]
 かつて、竜との交信を行なうべく設えられた場所です。
 ヘイタイガエルたちの話では、今は答えが返ってくることはないが、
 どうしても拝んでしまうそうです。
 ただ、銀龍シルヴァネスはちゃんと話はきいており、
 デーモン族に悟られないよう、返事をしていらない言動が起きないように
 細心の注意を払っています。
 自らが何かした方がいいと、その必要がある思える話には、
 返事ではなく、ヘイタイガエルを操って
 無意識のうちに問題を解決させているようです。
 交信しただけではシルヴァネスの居場所は掴めませんが、
 ここから交信できる事実が判明すれば
 いずれその場所もデーモン族に知られてしまう可能性はあります。


顛末:
君たち冒険者たちは、
無事にヘイタイガエルとウーパールーパーたちのケンカを仲裁し、
道化師の目論見を打ち崩すことはできたでしょうか?
無事に重責を果たして村に帰ると、
村人たちが暖かく迎えてくれるでしょう。
そして、ささやかながら、
再びヘイタイガエルやウーパールーパーたちとの和睦を祝った
お祭りが催されます。
もちろん、その主役はキミたちです。


聖珠伝説パールシード 「ドラゴンの子」終了です。


以下、シナリオ用のマップとなります。

画像1

以下に個々の部屋ごとの画像を添付しておきます。
ココフォリアのスクリーンパネルなど、ひとつひとつ進める形で遊びたい方の役には立つかと。

フロアA1

フロアB1

フロアC1

フロアA2

フロアA3

フロアB3

フロアC3

フロアC4

フロアD4

フロアE4

フロアF4

フロアC5

フロアD5

フロアD6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?