大阪と東京の新型コロナ流行比較(12/21)

 個票の発表をやめて以降あまりフォローしてませんでしたが久々に大阪府の新型コロナのデータを集計しました。ニュースでおぼろげながら知っていたもののこのところの新型コロナ関連の死者数の件数が多いのにびっくりしました。死者ゼロの日がありません。こんなことはいままでありませんでした。被害の規模や人口の多さから東京都どうしても比較してしまうのですが東京に追い付かんばかりの勢いです。やはり医療リソースの関係なのでしょうか。非常に気になります。本当疫学的に調査すべきだと感じます。
 まずテーブルを図示します。

スクリーンショット 2020-12-22 16.27.44

注 12/22 大阪府のデータを修正しました。広報で死亡日が明示されていないものがいくつかあります。それを報道日から類推して上中下に割り振っています。そこにいくつか誤りがありました。赤字で割り振られたところを明示しています。なお形状に大きな変化はないのでグラフは差し替えておりません。

東京と大阪の人口、13.8万(住民基本台帳による東京都の世帯と人口R2.1.1)と8.8万(大阪府毎月推計人口R2.1.1)ほどです。人口あたりでいうと大阪府は東京都を越えています。また何度も書いてますけどどちらでも男性の方がリスクが高く2都市でそこに差はないでしょう。グラフにすると、

1221図1

1221図2

夏の流行以降の大阪の方が死者数が多い傾向にあり、12月の死者数は東京都の春の流行に匹敵、おそらくかなり越えそうな勢いです。2都市間で医療の逼迫度にどの程度違いがあるのかわかりませんけど医療リソースの問題ならかなり危険な兆候だと思います。
 最近医療関係者などから非常時に対応できない日本の医療体制の問題が指摘されています。前から感じていたのですが今の現状は医療崩壊というよりか医療麻痺の方が適切ではないでしょうか。リソースはそれなりにあるのに適切に分配できないと。2類から5類の話もありますが、風評や偏見、過度の恐れをやめるなど国民全体のマインドをかなり変えない限り5類にしたところでこの麻痺はなおらないでしょう。残念ながら簡単に変わるものではありません。
 デジタル化も大事かもしれませんがこの状況下に適切なデータを収集・解析・発表すらできない程度のリテラシーの政府に望めるものはあまりないでしょう。それ以上に抜本的な医療体制の見直しが国会でなされることを早急に望みます。

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