発生日ベースで考えるべき

 何度も書いていますが新型コロナの陽性者数にしろ死者数にしろ流行の推移を正確にみるには報道日(公表日)ベースでなく発生日ベースで考えるべきです。もちろん陽性者数に関しては症状発症日が望ましいものの発症自体が自覚症状によるもので正確ではありません。それでも発症日ベースで考えるべきです。また診断日、確定日、公表日どの日なのか明確にすべきだとも思います。各都道府県の報道形式を10県ほど確認しましたがやたら細かいとこもあればざっくりしたところとかなり違いがあります。感心した県もありました。ただ死者の報道に関しては全体的に消極的な気がします。一方、神奈川県などは以前は確かなかったと思うのですが(ほとんど確認していなかったので)、年代別の一覧表などがあるのはなかなかいいことだと感じます。各自治体の裁量が大きいってことでしょうけどどうして全国的に統一した指針での公表を国は指導できないのでしょうかね?また大阪府は全体として整理されたデータを府が公表していますが、例えば京都府では府のサイトでまとめているものの府と市で別々の形式で取りまとめたものを公表しています。自治体の分権は大事なことだとも思うのですがこういった状況下ではいろいろ非効率的だなと強く感じます。前振りが脱線しつつ長くなりましたが東京都と大阪府の新型コロナ関連死に関して報道日と死亡日の違いを見てみましょう。

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グラフは週ごとに死者数の推移で、東京都の春のデータは死亡日を公表していないデータが多いので25W(6/15~6/21)からになります。53Wが12/28~1/3で年末ですね。東京都は年明けから都発表の死亡報道の人数が多い(1/1から1/9まで55名報道)でしたが実は大部分は12月のもの(30名、古いもので12/13)でした。亡くなられてから報道されるまでにギャップがあるのでもう1週間したら様相が異なるかもしれませんが死者数に関してはもしかしたらピークはいったん越えた可能性もあります(特に大阪府)。実は全国ベースの(厚労省のデータになるので報道日ベースですが)でみても、

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(これから再度上昇に転じる可能性が十分考えられるものの)死者数のピークはいったんは越えています。海外の推移をみても単調に増加するのでなくフラクチュエート(波打つ)してます。同一地域の波打ちと地域ごとのずれた波が重なり合っているのでややこしいんでしょうね。ドーナツ化現象とは少し意味が違いますがこれからは東京都、大阪府周辺での感染拡大が気になるところです。
 話をもどし東京都と大阪府の死亡日と報道日のズレを箱ヒゲ図に書いてみます。

名称未設定

少し道楽したのでメモリの間隔が若干異なるのはご了承ください。明らかに大阪府の方がズレが少ないです(正確にはばらつきが少ない)。先は分かりませんけど大阪府の方が優れているってことです。実に大阪府がkinotoをやめたのは残念です。もう手間なのとPDFデータなこともあり手は出しませんけど規模も考慮して公開データでの解析という点では北海道のデータを整理してみるのもいいのかもしれません。
 ワクチンの現状やら過去のパンデミックやらいろいろ書きたいことはあるのですがなかなかまとめるのは大変です。どうしても簡単なもの(文献を手広く読まずに済むもの)に手を出してしまいます。近々に頑張って書きたいと思います。


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