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新しい取り組みに対する批判との向き合い方

ナンバーナインでは、一年に5-6本くらい大小様々な新しい取り組みを行っています。

これはスタートアップの宿命ですが、時代の真芯を捉える、または少し先の未来を形に落とし込むためにもリスクを取ってどんどん新しい挑戦を行う必要があるためです。

しかし、新しい取り組みを行うと、大なり小なり批判の声が上がります。

ナンバーナインがデジタル配信事業を始めた時も、漫画×クラウドファンディングを始めた時も、マネジメント業務を始めた時も、漫画家養成プログラム「アクセルナイン」を始めた時も、業界内外から様々なご意見をいただきました。今年始めたWEBTOONへの取り組みも賛否様々なご意見をいただいたのが懐かしいです。

僕の基本的なスタンスとしては「新しい取り組みに対する批判の声に聞く耳を持つ必要はない」と考えているのですが、とはいっても、中には本当に親身になって言ってくれている人からの「聞くべき提言」があることも事実です。

今回は、この機会に「新しい取り組みに対する批判はなぜ起こるのか」「なぜ芯を食った批判にならないと言えるのか」「そうした批判に対してどういうスタンスでいるべきか」について僕の考えを整理してみます。

新しい取り組みに対する批判はなぜ起こるのか

あらゆる物事に対して、人はまず自分の理解の範疇で物事を捉えようとします。しかしながら、取り組みの新規性が高ければ高いほど、理解の範疇を超えるものが多くなってきます。

理解の範疇を超えると、人は自分のものさしで測れないこと=異常なことと捉え、批判に走ってしまうことがあります。

フランスの思想家・パスカルいわく、人間は常に、自分に理解できない事柄は何でも否定したくなるそうです。新しい取り組みに対する批判は、こうしたロジックから起こってしまうのだと思います。

加えて、新しい取り組みを始めるタイミングでは、正直プロジェクトの当事者ですら結果がどうなるかは分かりません。仮説とそれを検証するための実践(トライアンドエラー含む)をしてみた結果、失敗に終わるケースも全然あります。

そもそも、新しい取り組みのほとんどは失敗に終わります。残酷な話ですが、事実です。そうすると、挑戦せずに傍観している側からすると、批判をしている方が当たる確率も高まります。

成功確率は元から高くないケースが多いですが、それを正解に導くためには「正解」だと信じる当事者のモチベーションとやりきる力、さらに言うと覚悟が不可欠です。根性論になってしまいましたが、当事者たちに覚悟がないプロジェクトはだいたい失敗するというのを経験則的に知っています。

外野の批判が芯を食った批判にならない理由

では、なぜこれらの批判が芯を食ったものでないと感じるのでしょうか。それは、当事者と第三者の間に「情報量」「思考量」「視点」3つの違いがあるからだと思います。

情報量の違い

新しい取り組みを開始するには、まず取り組むに値するかどうかの仮説検証を行うための情報を集める必要があります。

みんながアクセスできるニュースや第三者がアクセスすることのできない社内データ、業界関係者向けの会報誌や飲み会での会話など……。様々な角度から得た知見を集めて初めて、当事者間でのディスカッションを始められるのです。また、検証期間中は感度が高まっているので、一見関係ないような情報も検討材料として有益なものになりえます。

このように、第三者と比べて圧倒的に情報量が違うので、正しい批判をするのは難しい可能性は高いです。
※情報を得すぎて複雑に思考した結果的はずれな方向に進んでしまうことはありますが…それはまた別のお話です

思考量の違い

新しい取り組みを公にする前に、当事者たちはそのプロジェクトに対して長い時間を掛けてたくさん議論を重ねています。それに対して多くの人たちは、半ば脊髄反射的に新しいプロジェクトに対して「ダメじゃん…」と思ってしまったりします。

僕自身も、他社のリリースや発表を見て「これは大変やな…」と思うことはありますが、こうした第三者の「うまくいかないのでは」については、当事者たちはたいてい織り込み済みで始めています。

よって、批判が芯を食う可能性が低くなります。

視点の違い

これは、そのプロジェクトを通してどういう世界を実現したいのか、ということにも繋がります。特に新しい取り組みに対する批判というものは、未来より今に目を向けている方や、未来に向けた変化を期待していない方のような保守的な立場から起こることが多いです。

一方で、新しい取り組みを行う当事者たちの視点は、現状に対する課題意識とそれを解決したいというところに出発点があります。

課題についても、近視眼的な課題というよりも、中長期的な課題を解決するための取り組みになることが多いです。批判される方々はあまりそこまでの展望が見えていない可能性があるため、正しい批判ができる人は少なくなります。

以上、これら3つの違いが当事者と第三者による認識の齟齬を生み、不適切な批判に繋がってしまうのではないかと考えています。

それらの批判に対してどう対応すべきか

結論はシンプルで、気にせずやり遂げるだけです。

いわれなき批判を目にすると、心が痛むこともあります。見なければいいのですが、嫌でも目に入ってしまう時はあります。僕の心もデリケートなので周りの発する言葉に傷ついてばかりです。それでも、自分たちが誰のためにその取り組みをやっているのか、この取り組みを通してどういう世界観を作っていきたいのか、その点をぶらさずに粛々と実践し、仮説検証を行っていくことに集中すればいいのです。

言うは易し行うは難しですが、正解は実行した者にし掴み取ることができません。

とはいっても、受け止めるべき批判も当然ある

これで終わってしまうと単なる精神論になってしまうのですが、もちろん受け止めるべき批判もあります。

それは、「その取り組みに直接関わる方々からの批判」と「取り組み自体の誤りに対する批判」です。

どんな取り組みにも、直接関わっていただく方々が明確に存在します。そしてそのターゲットとなる方々に誤解を与えてしまったり、当事者としても想定外の批判が飛んできたりすることがあります。これらの誤解や批判に対しては、向き合う必要があります。

加えてもう一つ。これは当然のことですが、取り組み自体がそもそも間違っていたり、進め方が悪かったり、配慮が行き届いていなかったりするところに対する批判については、受け止めなければいけません。

ナンバーナインも、これまで業界や漫画家さんたちに対する理解不足からくる批判やご指摘をいただくことがありました。それについては、真摯に受け止め、謝罪し、再発防止に努めてきました。

ナンバーナインは漫画業界のスタートアップとして、今後も積極的に新しい取り組みを行っていきます。もし気になる事やご意見をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひお話を聞かせてください。僕のTwitterのDMも開放していますので、漫画業界のため、漫画家さんの未来が明るくなるための意見交換ができたら嬉しいです。


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