見出し画像

予防接種の日

以前の投稿で、私はコロナワクチンは接種していないが、決して「反ワクチン」というわけではなく、ガチ気味の「反ワクチン」派であった妻を説得して、長男に予防接種を受けさせたという件を書きました。

そのうちの一つ、水疱瘡の予防接種の日がやってきました。当日いきなり病院に行くと長男に言うとパニックになる可能性が高いので、昨晩寝るときに頭出しをすることにしました。

できるだけ刺激しないように、注意深く「言ってなかったんだけど・・・その・・・明日・・・病院に行こう。」と伝えました。長男はすかさず「なんで?」と聞き返してきたので、「注射を・・・するの・・・」と目をまっすぐに見据えて伝えました。長男は意外にも冷静に話を飲み込んで、イソイソと布団を被って寝ました。

さて当日、朝ごはんを食べて、いざ、病院に行こうと声をかけた時、長男は「美容院行くんだよね?」と大変に古典的なとぼけ方をしたり、本やらおもちゃやらを持ち出して無理やり遊び出したりして、なかなか出発しようとしてくれません。

なんとかベビーカーに乗せましたが、病院の前に来ると降車を拒否し出します。無理やり降ろすと泣き出しました。病院の待合室では、持ってきた電車の本を見ながら気を逸らそうとしましたが、なかなかうまくいかず泣き止みません。ようやく落ち着いたところで呼び出しがかかり、診察室に入ると再び泣き始めました。

医者がワクチンの調合をしている最中、ずっと抱っこをして、落ち着け、大丈夫と声をかけながら待ちました。医者が傍にやってきたら、何事もないかのようにさっと長男のシャツの左袖を捲って、肩口に注射をしました。やはり針が刺さった時の泣き声が最高潮でしたが、熟練の暗殺者が短刀ですれ違い様にターゲットの急所を刺すかのような早業だったので、余計な時間はかかりませんでした。

新米の暗殺者・・・ではなく医者であれば、「今から注射するからね」とか「ちょっと痛いけど我慢してね」とか余計な一言を言って、子供に泣き叫んで抵抗され、なかなか注射が終わらないなんてこともあるのだろうと思いました。

今日の最大の懸念事項が終わったためか、長男は非常に機嫌が良くなり、昼寝の時も布団で走り回っていましたが、「大人しくしてないとまた刺したところ痛くなるぞ」と言うと、イソイソと布団を被って寝ました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?