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焼きたてパンと価値観についての考察

パンが好き。
焼きたてはなお。
ほんのりした温かさと、立ち上る香り。

小さなパンやさんで、「焼きたて」と書かれていたパンを買った。
アツアツではないけれど、「袋の口は開けておきますね」と言われて、受け取る。

ほわんと、温もりと香り。
なんと愛らしきこと。

店の外に出たら、日差しも穏やかで風もない。
そして、何よりわたしはおなかがすいている。

買い食いは、行儀がよくないからしてはダメ。

そうしつけられてきた。

いい大人なら、なおさらだろう。

だから、かな。
パンやさんのすぐ横の駐車場で、柵に腰かけてほんのりあったかいパンをかじると、なんだかおかしな嬉しさがあった。
パンがおいしいのも、もちろん嬉しいけど。
イタズラしている子どもみたい。

あれはよい、これはダメ。
この価値観は、いつからあるのかな?
どこからきたのかな?
どこで通用する価値観なのかな?

ひとつひとつに、気づくのは難しい。

この瞬間の感情は、イタズラ心とパンの味と、お天気と、いろいろな要素から生まれている。

わかっているのは、パンが好きだってことと、いま食べたら間違いなくおいしいってこと。
それに、わたしが買い食いしても、たぶん誰にも迷惑かけないし。
ということは、他者に迷惑をかけてはいけない、という価値観も強く関与するわけだ。

パンが焼きたてじゃなかったら?
それでも、その場で食べるかな。
おなかのすき具合によるかも。
パンの種類にもよる。
お天気とか、誰かと一緒にいるかとか。

何かを決める原因や理由は、自分の価値観に大きく影響されうる。
しかも、ひとつじゃない。

当たり前で、忘れがちだ。
ちゃんと覚えておこう。

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