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SNS時代のクリエイターは不幸なのか|イラレ職人月報2024/06

インターネット、SNS、コロナ禍、そして生成AIなど、技術や環境の変化により、クリエイターを取り巻く状況は大きく変わっています。

例えばSNSの普及により、最初からトップレベルの作品ばかり目にして若手は挫折してしまうのではないか。誰でも発信できるがゆえに「正しくない情報」に影響されてしまうのではないか…と、懸念を抱く人もよく見ます。

たしかに、僕自身も今この時代に生まれていたら、今のようにネットやSNSと上手く付き合えて無かったかもしれないです。これからのクリエイター達は大変だなぁと思うことが、全く無いと言ったら嘘になります。

では、SNSが普及し、生成AIが猛威を奮いつつあるこの時代に生まれたクリエイターたちは不幸なのでしょうか。そんなことはないと僕は思います。少なくとも、それを苦言として主張するのは違うのではないかと考えています。


幸福と不幸を分けるもの

僕が学生だった頃、若手デザイナーが地方で仕事をするのはかなり難易度が高く、デザイナー志望の人の大半は職を求めて上京せざるを得ない。そんな時代でした。

つまり、東京に住んでいる人が有利であり、地方は不利な状況だったと言えます。(もちろん東京で働くからこその苦労もある前提で)

しかしインターネットやSNSの普及により、地方にいても大きな仕事に関われるようになり、プロにならなくても普段の業務や副業としてデザインに携わる機会も増えました。その裏で「企業の広告代理店離れ」なんて話も聞きますし、仕事を失ったり迷惑だと感じる人もいるでしょう。

同様に、コロナ禍は大変な事態であり苦労した人も多いですが、一方そのおかげで今までより働きやすくなった、チャンスをつかめたという人も少なくないでしょう。僕自身もその一人です。

結局のところ技術や環境の変化は、それに対応できるかどうかで幸福になる人と不幸になる人が入れ替わるだけに過ぎないのではないでしょうか。(もちろんその比率の変化はあるとは思いますが)


そんなことより前を見よう

繰り返しになりますが、SNSの無い時代に幼少期を過ごした僕からすれば、今の若い人たちは大変だなぁと思うことはあります。

でもきっと僕らもまた、さらに上の世代の人たちからフォロワー数やTipsばかり気にして実力が身についてないかとか、Adobeはサブスクになって必要ない機能ばかりついて大変だ、とか思われているかもしれません。

僕らは僕らなりに、そんな環境の中で最善であろう道を模索してきました。昔と比べて良い点も悪い点もあり、それが僕らの当たり前です。それを上から憐れまれるのは、はっきり言って余計なお世話でしかない、と感じます。

同じように今の若者たちも、間違った情報が多いならその中で正しい情報を得る方法を身につけるでしょうし、フォロワー数が重視されるならそれを目指して工夫するでしょう。その結果として幸不幸が分かれます。なので、個人目線で物事を決めつけるのは、あまり意味がないのではないのではないでしょうか。

「そうではなかった時代」を勝手に他人に当てはめSNSで主張するのは、誰も得をしません。そんなことより今この環境で生き抜く方法を前向きに考える方が大事なのでは、と思ったので文章にまとめてみました。

以上です。
それでは良いイラレライフを。🐶

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