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自主制作ができないクリエイターの抜け出し方|イラレ職人月報2024/07

「仕事でなら作れるけど、自主制作だと何を作って良いかわからない…」というクリエイターをよく見かけます。実は僕も会社員時代はそうでした。

もちろん、すべてのクリエイターが自主制作をすべしと言う気は全くありません。今回対象としているのは「自分はこれで良いのだろうか…」という不安から自主制作を考えるけどできてない…という人についてです。

これは「自分が何を喜びにしているか」を曖昧にしていることが原因だと今は考えています。

「やらされ仕事」はコンセプトのないデザイン

決まった方針に従って手を動かし、結果を聞くヒマもなく次の仕事がやってきて、「クライアントが喜んでいた」という言葉も耳を通り抜けていく。仕事に喜びも未来も感じない。モノづくりはただの作業に成り下がった。

そんな状況でポテンシャルを発揮できるはずもありませんし、努力をする気も起きません。今となっては反省しかありませんが、会社員時代の僕は完全に「やらされ仕事」をしていました。

これは例えるなら、デザインのコンセプトがない状態です。コンセプトもなくラフも描かず、いきなりパソコンで作業を始めれば、あれも違うこれも違うとフラフラ悩み、時間を浪費してしまいます。

逆にコンセプトがしっかりした仕事は、良し悪しの判断はしやすく、効率的かつ建設的に物事を進めることができます。そのコンセプトに当たるものが、「自分が何を喜びにしているか」です。


自分が何を喜びにしているか

僕は自分が作ったモノが、世の中の役に立ったり、人に喜ばれるのが好きです。その反応を見るのが楽しいし、お金や数値などの結果が出ることに快感を覚えます。

だから直接反応を見れたり、自分自身で全ての結果を受け止められるSNSやフリーランスと相性が良かったのだと思います。

自分の「欲」の形と言っても良いでしょう。それを自覚したことにより、明確な指針が生まれました。コンセプトがはっきりしたので、それに必要かそうでないかで悩むことは減りました。

この欲を満たせる仕事を選び、それが可能な働き方を考え、それを実現するためのビジネスモデルを構築してきました。それが「イラレ職人コロ」という仕事です。

また、目標が明確になった分、今の自分に足りないモノも見えるようになり、読書などの勉強も自然にできるようになりました。


自分の軸を人任せにしてないか

クライアントのために、仕事のために、というのはもちろん立派な動機です。しかし、それは本当にあなたの喜びでしょうか。(もし本心であるなら天職です)

「仕事でしかモノを作れない」というのは、仕事という背骨がある時はモノづくりができるけど、仕事から離れると背骨がなくなってグニャグニャになってしまう。そんな状態なのかもしれません。

それは単に、自分の軸を人任せにしているだけなのではないでしょうか。

モノづくりを仕事にする前を思い出してください。あなたは何を動機に作品を作っていましたか?どんな時に喜びや達成感を感じていましたか?そこに、あなたの「欲」のヒントがあるかもしれません。

僕は小学生の時、自由帳に漫画を描いたり、ゲームを作ったりして友達に披露するのが好きでした。みんなが休み時間のたびに来てくれるのが嬉しかったのです。

高校の時はブログを書くことにハマっていました。人気ブログになるために、記事の内容やブログのテンプレートを夢中で改良しました。今にして思えば、デザインに興味を持ったきっかけがこれです。

いきなりこれだ!という明確な答えを見つけられるなら、今苦労はしていません。まずはこれかなという心当たりを探してみてください。

そしてそれを手放さず、実行してみてください。よくわからないままかもしれません。外れかもしれません。しかし、まるで石を削って彫刻が出来上がるように、徐々にあなたの欲の形が見えてくるはずです。


「合理性」だけでは越えられない壁

「自主制作しなくても別に良くない?」と考える人もいるでしょう。もちろん、全然良いと思います。仕事と割り切るも良し。仕事に全力投球するのもアリです。

ただ、その「合理性」だけでは越えられない壁もあるのではないか、と最近よく思います。

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