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やりたいことは言葉にしよう|イラレ職人月報2024/09

何かやりたい仕事とかがある人は、SNSなり知人なりに言った方が良いよ。

なぜなら仕事や頼み事というのは「上手い順」ではなく、あくまで「依頼者が認知した中」で「頼みやすい人」から選ばれるケースが多いからです。

どんなに実力があっても認知されていなければ依頼は来ないし、引き受けてくれるかどうかわからない人よりも「やります!」と手を挙げている人の方が頼みやすいものです。

そして周りの人も何かの機会に「あんなこと言ってたな」と思い出して、話を回してくれたり応援してくれるという話はよくあります。だからこそ実力とは別の意味で、人脈とか知名度はメチャクチャ重要なのです。

もちろん、依頼を遂行できるだけの能力があるかどうかという問題もあるので、口に出せばなんでも叶うわけではありません。しかし、言わないよりは言った方が格段に確率は高くなるのは間違いありません。

あとはやりたいと意思表示する以外にも、「もう作りました!」って勝手に作ってSNSなどに投稿するのもオススメです。実際に作れるスキルがあるという何よりの証明になり、拡散されればフォロワー以外の依頼者にも届きやすくなります。


マヨネーズ理論

「認知した中で選ばれる」ことの説明で、僕がよく使うのはマヨネーズの例です。元は下記記事で書かれていることですが、すごく長くて難しい話なので、メチャクチャざっくり説明します。

あなたはスーパーなどでマヨネーズを買う時、棚にある全てのマヨネーズを調べて吟味しますか?

ほとんどの人は深く考えず、キユーピーマヨネーズなどの知っているメーカーの商品を手にすることが多いと思います。大手メーカーなら価格も味も間違いはないだろうという安心感から買いやすいのもあるでしょう。

それと同じように、クリエイティブの依頼者も(具体的な理由がない限り)、全てのクリエイターを調べて実力を比べたりはしません。パッと思いついた人や、調べてパッと見つかる人を候補にすることが多いはずです。

もちろんその候補の中で明らかに見劣りするなら選ばれることはないので、実力は大切です。大切ですが、そもそも認知されなければ勝負の舞台に立つことすらできないのも事実です。

だから「やりたい!」と声に出すことが重要なんです。日頃から発信で知名度を高めたり、人脈を築いたり、ブランド化したり、営業メールを送ったり、これらは全て「パッと思いつく」候補に入るための工夫と言えるでしょう。


自分は「頼みやすい」かどうか

候補に入ったあとは、当然ですがその中からさらに選ばれなければいけません。

その際に依頼者からすると、全く知らない人にいきなり依頼をするのはハードルが高いものです。「依頼して良いのだろうか」「ちゃんと作れる人なんだろうか」「気難しい人だったらどうしよう」といった不安がつきまといます。

その点、「知っている人」というのは強力な武器です。実力やコストなどで明確な差が無い限り、知っている人や好きな人に頼みたくなるのが人の常です。具体的に何とは言いませんが、僕もこれまでの仕事でいわゆる「コネ」で決まるんだなと感じるケースが何度もありました。

また「実力」や「人格」などは曖昧で、部外者からは判断が難しいものです。まして依頼者はその分野の素人だから依頼をするわけで、ポートフォリオなどを見ても良し悪しを的確に判断はできません。

実力の判断ができないのなら、別のもので客観的に判断するしかありません。賞などの「実績」や、SNSなどの「数字」はわかりやすい基準でしょう。我々の分野ではそこまで大きくはないでしょうが「学歴」もその1つです。

僕の場合、「元々はグラフィックデザイナーとして会社で働いていた」というのも響くことが多いです。いわゆるインフルエンサーという胡散臭い商売をしていますが、会社員として働けるだけの能力や知識、人格はあるのだろうという客観的な判断材料になります。(実体はさておき)

そういう実績とかがないのなら「もう作りました!」って勝手に作ってSNSなどに投稿しましょう。「イラレ職人コロ」は最初からイラレで有名だったのではなく、SNSでイラレ動画をバズらせて、発信を継続し続けてきたという実績を作ったから仕事が来るのです。

要するに、客観的な「説得力」があるかどうかも重要なのだと思います。第三者から見て自分が「頼みやすい」かどうかを考えると良いでしょう。


「軌道に乗せる」という意識

「言われた通りやってみたけどダメだった」「知名度がある人だからできること」という反応はこの手の話に付き物です。

まぁ、それはそうです。大半の人は失敗するだろうし、知名度がある人なら高確率で成功します。絶対に誰でも同じように作用する手法なんてありえません。ゲームではないのだから、環境や相手やタイミングによって結果は無限に分岐します。

「やりたいことを言う」「ポートフォリオを作る」「デッサンを勉強する」などなど、クリエイターに対する様々なノウハウがありますが、それらは単一の行動で良し悪しを考えるのではなく、「作用しているか」を考えるのが大事です。

「ポートフォリオを作ったのに仕事が来ない」は、デザインで例えるなら「素敵なフォントにしたのにデザインが良くならない」と言うようなもの。フォントは1要素として大切だけど、それで全てが決まるはずがない。それと同じです。

「やりたいことを言ったのに仕事が来ない」のは、実力が足りないのかもしれないし、伝わってないとか、需要がないとか、知名度の問題か、もしくは他に頼みにくい原因があるとか、たまたまタイミングが悪いだけかもしれない。

そういう失敗の原因や解決策を考えられるのは自分自身だけです。他人に「正解」を委ねるのは、ただのギャンブルです。

1度で上手くいかないのは当然です。何度も試行錯誤を続けて「軌道に乗せる」ことができて初めて「成功」につながるのだと僕は思います。

以上です。
それでは良いイラレライフを。🐶

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