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靴作りの道具#2『銀ペン』

今回は、靴作りで使用している『銀ペン』について述べたいと思います。

まず初めに銀ペンとは、革を裁断する際のラインを引く、縫製する際に目印となるラインを引くなど、革専用の銀色のインクが出るボールペンのことです。

皮革業界でよく使用されているものは、ドイツのschneider社製の銀ペンかと思います。

ドイツschneider社製の銀ペン

この銀ペンのメリットは、革に描いた線が手や布で擦るとほぼほぼ消えて見えなくなることです。
デメリットは、インクの残量が見えないため、最後のインクまで使い切れたかどうかが不明確なことです。

気がつくとインクが出なくなることがよくあります。
「ペン先を下にし、お湯に数分浸しておくことで復活する。」と聞いたことがあり、試してみましたがダメでした。

ペン先をお湯に浸した状態

しかし、銀ペンコンパスに付いてある銀ペンはいまだにつかなくなった事がありません。

日本SANWA社製の銀ペンコンパスとドイツschneider社製の銀ペン

大阪府のアッパー関連の資材屋さんに「銀ペンはすぐに付きにくくなるから、ペン先を下に向けた状態で置くと長持ちするよ。」と聞いたことがあります。
そのことを踏まえると、銀ペンコンパスは常に下に向けた状態でフックなどにかけてあることが多いことから長持ちしていると考えられます。

現在使用している銀ペンは、uni MITSUBISHI PENCILの『ユニボールシグノ』です。(ちなみに0.8mmのもの)
顔料インクでくっくりとしたラインが描け、インクの残量も目視できます。
ただし、注意点が2点あります。
・描いた直後のラインに触れると滲む
・乾いたラインを手や布で擦っても消えない

uni MITSUBISHI PENCILの『ユニボールシグノ』

note : 村上紀之


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