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サイレン 【小説】

 大きなサイレンが鳴り響いた。また、空襲だ。こんどもカラだったらいいが。空は私たちの空のままであってほしい。どっかの国のものではない。かといって私たちの国の所有物というふうにまで言われてほしくもない。私たちが生きるまま、その頭上に自然にある空であってほしい。まるで猿が見上げるがごとく。たとえそれが嵐で風と雷が渦巻いていたとしてもだ。

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