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たわごと #001 オタクの発見と滅亡

そして誰もいなくなった。
それは子供の頃に、秘密基地を作り、それが感情を失った大人に破壊されるような感覚に近いのかもしれない。

ニッチな凝り性ヘンタイ専門的家あるいは非社会的なマニアックが内輪ノリで楽しんでいたところに、ねぇねぇ、何してるのー?と、みーちゃん・はーちゃんがあたかも同士のように振る舞い、和を乱し、自己主張を始める。しょっぱい知識と甘い認識で声高に熱量があることをうそぶく。その実、内集団での承認欲求を満たせることだけが無意識的なアイデンティティなのだろうが。

こうして、オタクという集合の要素は、他称/蔑称オタクが自称オタクに置き換えられ、そして最終的にはオタクという記号的なキャラクターに置き換えられ、単なる〇〇が好きな人として認知されるようになった。概ね旧来のオタクの滅びはこんな感じだった。

もはや辞書的な意味すら新しい記号としてのオタクというものに置き換わってしまった。今日では、オタクというものには、社会性の欠如や関心事項以外のことはしないなどというネガティブな側面から、専門性や熱量、知性といったポジティブな側面までもが欠落してしまっている。

早まった一般化と意味を知りもせずに語感だけでなんとなく新語を使いたくなる愚劣な人間によって歪められた現オタク集合を再定義することは不可能であるため、旧来のオタクを新たな集合に定義したいものだ。


お宅はどのようにお考えでしょうか。
お宅は。

ね?


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