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ヒロシの頭痛騒動

ヒロシは父です。

昭和20年3月生まれのおじいちゃんです。

昭和の最後のころはお正月の時期でしたので、ヒロシは出稼ぎ先から帰ってきて、家にいました。

テレビで、「天皇陛下が崩御されました」というニュースを見た朝、父ヒロシも、母チエコも、もちろん、その娘たちもですが、「ホウギョ」という言葉を知らず、チエコのボロボロの国語辞典で調べました。

チエコの国語辞典はページを綴ってある糸が解けていて、あ行の最初の方のページが無くなっていました。どういう使い方をしたらそんなふうになってしまうんだろう、と思うのですが、「崩御」は調べられました。

さて、この日、ヒロシは頭が痛くて病院にいったら、検査の必要ありとのことで数日後入院することになってしまいました。

おそらく当時は入院して大規模な検査をしなければならなかったのでしょう。検査後しばらくヒロシは「腕が痛い」と言っていました。
先日、わたしが頭痛で行ったクリニックではMRI撮って脳疾患無しと安心しましたが、昭和の終わりの僻地の県立病院はそんな感じだったのですね。

酒の飲み過ぎ、とチエコに責められながら県立病院に入院したヒロシは異常なしで数日後帰ってきました。疲れてたんだねーで終わった出来事でしたが、退院した翌日には新幹線で横浜へと発ちました。

そんなふうに「平成」が始まり、その後ヒロシが怪我をしたのは平成2年の夏なのですが、チエコはしばらく「平成になったら悪いことばっかり続いてダメだ」とメチャクチャな言いぶりでした。

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