43歳2児の母|本業はライター22年|雑誌、web、広告、エッセイ何でも書く人|Yah…

43歳2児の母|本業はライター22年|雑誌、web、広告、エッセイ何でも書く人|Yahoo!ニュース毎日記事掲載|ナチュラルワインと猫が好き|シュタイナー育ち|お仕事のご依頼はお気軽に

最近の記事

『 いつか逢うなら、今がいい 』

中野警察署の前を通った。 建て替え前の古い社屋はもうない。 でもあの古びた建物が今でも忘れられない。 前を通るたび、胃の真ん中がキュッとなる。 安置所。薄暗いその部屋に 横たわっていたのは親友だ。 ドラマみたいに 顔には白い布がかけられていた。 ドッキリみたいで少し笑っちゃうくらいだった。 馬鹿話して、花札やって タバコ吸って、酒飲んで その背中を送り出してからたった1時間。 幾度となく一緒に聴いた 『粉雪』はしばらく聴けなかった。 今も不意に流れると涙が滲む。 もう

    • 「 短いスカート履いてるくせに 」

      超満員電車に乗って通学をしていたJK時代。 1990年代終わりのことだ。 毎朝、なんとなく同じ場所に並び、 整列乗車する私の後ろにある日、ジジイが並んだ。 イヤな予感がした。 電車が到着し、ドアが開く。 車内はぎゅうぎゅう詰め。 そこに整列していた乗客がさらに乗り込む。 私はジジイに背を向けぬよう カラダを翻したが、次の瞬間 後ろからの波に押されてあえなく  元通りになってしまった。 「駆け込み乗車はおやめください」 駅員の少しイラついた声が響く。 試合終了。また、だ

    『 いつか逢うなら、今がいい 』