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ネオ総統(1期オリジナルカラー ソフビ)

ネオ総統が・・・動き出す!


そんなセリフから始まる発売予告CMをご存じでしょうか?
今回紹介するのは「アストロイドESOSO」に登場するえそその宿敵にして悪の秘密結社ザイニン帝國の軍用人型兵器である「ネオ総統」です。

当時のコマーシャル映像より抜粋。ちなみにCMで使われた物は製品版と少し色が違うようです。

コアランドより「アストロイドえそそ」のソフビが発売された1ヵ月ほど後に宿敵である「ネオ総統」の方もソフビ化して発売されました。

前回の「アストロイドえそそ」の時は様々なトラブルが起きて造形にやや難があった形となりましたが、今回の「ネオ総統」はギミックなどが充実したコアランドらしい造りになったのではないかと思います。

ソフビの紹介は記事の後半にて行わせていただきますが、まずは作品としての「ネオ総統」について紹介しようかと思います。

会場内で流れていたアニメーション作品の一コマ

「アストロイドESOSO」の舞台であるネオトキオは世界有数のメガロポリスであり、空飛ぶ車やオートマチック道路など現在の我々にとっても夢に溢れた超近代都市です。
そんなネオトキオを牛耳るべくやってきたのが悪の秘密結社ザイニン帝國でした。
そんなザイニン帝國の野望を阻止するべく戦うのが「アストロイドえそそ」という地球生まれの改造少女であり、その目的に沿って物語は進行します。

2種類存在した漫画版「アストロイドESOSO」の内のゴウ寺岡が作者の物(通称:GO版)

「ネオ総統」はザイニン帝國が開発した軍用人型兵器で、ザイニン帝國の技術力の粋を集めたシンボル的存在です。

軍服を着た軍人のような見た目ですが、特筆すべきは胸部の大革命モニターで ここから人々を洗脳する恐怖の洗脳映像を垂れ流しています。
この映像を見た人々は「ネオ総統」・・・ひいてはザイニン帝國の忠実なる兵士となり、ザイニン帝國の為に労働に勤しむ同志へと変貌するのです。
そんな「ネオ総統」は所謂ロボットですから、ネオ総統単体で動く事は出来ません。

そんな「ネオ総統」を操るのが、

写真引用:「突然‼ アストロイダー‼」(著:宇宙博士)

こちらのザイニン帝國 最高統括研究員「ピッグハム」です。
ザイニン帝國のブレインとして動く優秀な科学者であり、ネオ総統を設計した科学者でもあります。
「ネオ総統」は操縦者の意識と連動して動くので、実質的にはネオ総統=ピッグハムという事でもあるのです。

ピッグハムは世界的に名の知られた科学者、野原仁志(のはら ひとし)という人間でしたが 恐るべき生体実験に没頭するあまり学会を追放されてしまいました。
復讐の為、自らの身体を実験体とした代償に豚の姿へと生体変異してしまいました。

そんな「ピッグハム」の実写化が当時のCMにて登場しましたが、アニメイラストを動かす予定だった所を監督が急遽、当日に実写化すると言い出したらしく、俳優も居ない中でピッグハム役を務めたのはたまたまその場に居合わせたコアランドの社員だったようです。

当時の社員が後に語るには、マスクのせいでほとんど前が見えなかったとの事。

そんなテレビコマーシャルまで打たれて華々しく発売された「ネオ総統」の1期カラーのソフビがこちらになります。

貴重な箱入りの当時物。定価は800円でした。

私は箱付きで所有していますが「アストロイドえそそ」とはまた違ったパッケージとなっています。

と言うのも、「アストロイドESOSO」シリーズのソフビは当時のブームによって急遽作られたという背景を前回の記事にて書かせていただきましたが、箱の制作も急いでいたようで窓付きの箱を短期間で用意するのが困難だったと言われています。
(実は中身のソフビが不気味すぎるので隠していたという説もあるそうですが・・・)

箱から出した物。イラストに忠実に作られています。

主人公を差し置いて色々と力が入っているようにも見えますが、当時のファンが基本的に男児だった事を考えると男性を模したキャラクターである「ネオ総統」に力を入れるのも時代的に仕方ないのかなとも思います。
それだけ男性キャラを制作する機会も多かったでしょうしノウハウもそちらの方があった事でしょう。

ビニール製のマント、右腕のラインストーン、左腕のロゴステッカーなど装飾品だけでも当時の職人の手間が伺えます。

商品ロゴが印刷されたステッカー。本体の色によってステッカーの色も違うみたいです。

また、「ネオ総統」にはオマケとして指人形サイズの「ピッグハム」が付属しています。
かなり小さめな指人形なのですが良い感じでデフォルメされており可愛らしく作られています。
しかもちゃんとミニチュアの小箱まで用意されており「ピッグハム」自体も重要なキャラの一人として扱われているのが作品のファンとしては嬉しく思います。

小さくて可愛いピッグハムの指人形。

そして肝心の本体である「ネオ総統」は動かしても非常に面白いソフビとなっており、作中に登場する攻撃を巧みに取り込んだギミックが存在します。

「アストロイドえそそ」の方も後に強化パーツが追加付属販売されましたが、「アストロイドえそそ」は基本的に殴る蹴る以外の攻撃方法を持っていなかったのでソフビのギミックが付けられなかったのも仕方のなかったように思えます。
ちょっと話が脱線しましたが「ネオ総統」のギミック要素を紹介します。

腕を外すとチェーンが伸びるチェーンピストル。

まずは右手のチェーンピストルです。
人差指を立てたポーズは「ネオ総統」お決まりのポーズではありますが、実はこの指が厄介でして超硬度の「ネオチタニウム金属」にて作られています。
何でも貫通するという指をピストルのようにして発射するのがチェーンピストルです。
実際の作中ではミサイルのような形になっているのですが、玩具なので子供が無くさないように鎖で繋がれた仕様になっています。
あとチェーンピストルという名称ではありますが、これはコアランドが勝手に付けた名称で作中では「ガンマロケット」という名称が付いてます。そもそもチェ-ン付いてませんしね。

クリア素体から透けてイラストが見える大革命モニター。

お次は胸部の大革命モニターです。
作中でネオトキオの市民を瞬く間に同志へと変貌させたあの恐怖の洗脳映像を垂れ流すモニターです。

もう映像は残っていませんが、作中で洗脳映像を垂れ流す際に高速で画面が点滅したようで万博の行列に並んでいた子供達が何人も倒れて医療テントへ運ばれたそうです。
それも倒れた方が軟弱なのだとして問題視されなかったのが今の時代では考えられませんが・・・。

1期にはこのようなパターンの絵柄があったようです。残念ながら筆者は所持していません。

ソフビの方はというと、このような大革命モニター専用フィルムという物が付属しており、なんとこのフィルムを差し替える事でモニターの映像を変えられるという面白いギミックが付いておりました。
フィルムも3種類付属しておりましたが、販売した時期と色によってフィルムが変更された物があるようで種類についての全容は解明されていません。

というよりもコアランドの販売方法に不明瞭な点が多すぎるのと当時の情報を知る人がほとんど残っていないので解明のしようが無いのが現実です。
「アストロイドえそそ」や「ネオ総統」に加えて「幽界ヒーローNAGEKI」、「仰天獣」、「ポ太郎」などを含めた様々な制作を担当していたコアランドですが通常販売品以外にも関係者配布カラー抽選カラーなど裏で作られたカラーが多数存在しているので全容の把握は不可能に近いです。
出来る限りは記事にまとめたいのですがなかなか難しいところですね。

と、少し脱線したので戻しましょう。
最後のギミックがこちらです。

頭にピッグハムを入れて頭脳ドッキングできます。

前述した付属の指人形「ピッグハム」と頭脳ドッキングさせる事が出来ます。
その為にわざわざ「ピッグハム」を用意したのかと驚かされますが、もしかしたらコアランドに洗脳されてしまった社員が居たのかもしれませんね。
一応この状態で帽子を被せる事も可能ですが、かなりギリギリのサイズで作られているのでドライヤーなどで温めてから取り付けた方が良さそうです。

ちなみに目の部分もクリア仕様になっているので中に何か入れてみても面白いかもしれません。(私は試した事ありませんが)

正式名称は「威光の瞳」というそうです。

そんな「ネオ総統」も「アストロイドえそそ」同様に発売から50年経った現在では幻のソフビとしてオークションサイト等で高額で取引されております。
一説によると主人公であるえそそと違って1期の販売数がえそその半分以下との事なので世の中に出回っている数はかなり少ないものと見られます。
一つ一つの制作工程がかなり多いので当時、職人一人で切り盛りしていたコアランドにとって大量生産するのが難しかったようです。

ただし、コアランドの販売方法として1期カラーはそれでも入手は他の期に比べて簡単だと思います。
他にもネオ総統にはカラーがありますが、どれも市場に出回った数は20個に満たなくソフビとしての総数自体もかなり少ないものとなっています。
コアランドは約1年周期で新作の下請け販売を行っておりましたが、旧作になると途端に製造数を絞る傾向にあったようなので。

そしてやはり悪役というのもあり、代々的にコマーシャルを打った割りには販売数も多くなかったようですので、この時代に運よく手に入った方には大事に保管していただけたらと思っています。

私のインスタグラムアカウント(@core_land_koala)にて地方の玩具店で発掘したデッドストックのコアランド商品を不定期で販売しております。
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終わり。


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