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気になる企業を調べてみた4(新生銀行)

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安定した収益力を持つ銀行グループ

経営理念の1つ目にこの文言が登場して個人的には結構衝撃を受けました。安定していることが、経営をする上で念じている理(ことわり)ということだそうで…。確かに大株主様に安定しているよ、問題ないよ、現状維持でいいよというメッセージを投げる意味では有効な気も…(勘ぐりすぎか…?)ただ、理念の最初に書くだけあって利益は本当に安定している実は良い企業。(でもまだ公的資金注入中なので、手放しでは褒められないのが悩ましいところ)

TOB(株式公開買い付け)実施中

現時点(2021年11月3日時点)ネット金融大手のSBIホールディングスからTOB実施中。1株2000円の買い付け価格(足元1874円)の引き上げを求める新生銀行経営陣 vs 買い付け価格引き上げには応じないSBIHDという状況。SBIHDさんは、新生銀行を買収して個人への裾野をさらに広げつつ、法人分野への進出加速を狙っているのかもなぁと素人考え。

銀行+ノンバンク

そんな新生銀行の事業構造は、70%が個人向けローン等、30%が法人向け融資などで利益を稼ぐ構造。銀行+ノンバンクというより、ノンバンク中心の銀行といった方が正しいんじゃないのかなぁ(特に利益構造からはそう見える)と思ってしまうが「銀行」の看板があるのでそんなことはしないのでしょうね。名門銀行が前身ですし。

価値共創型ビジネス:他社との連携

経営レベルで語られている「価値共創型ビジネス」という面白い言葉で取り組みがされていました。ドコモユーザー向けキャッシングや、ファミペイアプリの少額借入機能の裏に新生銀行が居るようで、なるほど!と思った次第。個人向けキャッシングのノウハウ(アプラスやレイクALSAなど)を提携他社に提供し、キャッシングにより提携企業は商品サービスへの消費増加、新生銀行は貸出残高増加とwin-winな関係でサービスができるという構造。なるほど。

株主構成と公的資金

新生銀行を語る上で外せないのは「公的資金」の存在。約3500億円。これを返せる株価は7500円前後らしく現実的ではない。現在注入された公的資金は普通株に転換され、大株主として「預金保険機構」「整理回収機構」が合わせて18%の株を持つ状況。株価上昇の為には新サービスや抜本的な改革が必要と思われますが、経営理念一丁目一番地に「安定収益」を語る新生銀行では難しいだろうな…と思うのは仕方のないことなのかな…。。。国は新生銀行の経営を「現在の経営陣」に任せるのか「SBIホールディングス」に委ねるのか。またはそれ以外の要因で事態が動くのか。地銀再編等の波とも合わせて注目の一件ですね。

数字関係

安定を経営理念に掲げるだけあって、とっても安定している利益水準に見えます。コロナの影響は受けている感じもありますが、個人中心の貸金→回収というビジネスが過半を占めている為、個人が倒れなければ基本的に回収ができると考えると、安定感抜群というのは頷けるような気がします。何気に収益率も低くないので、本当に公的資金が無ければいい銀行だ!と言われそうな気もしますね。(つまり、いい経営をしているともいえるのかも、で株価割安だからSBIHDが出てきたと考えることができるのかもしれませんね)

結びに

今を時めくSBIホールディングスが仕掛けたTOBでマスコミの取り上げ方等もあり、新生銀行の経営ってどんなもんなんやろ…と思って調べてみたのですが、とっても安定した堅実な事業をしていることが分かりました。(個人的な意見ですが…やはりマス個人向けの貸金ビジネスは需要が尽きないと思うので安定感は高いと思います)そんな新生銀行には今後も注視していきたいですね。(全然余談ですがShinsei Bankって聞くとどーも国内資本の銀行じゃない気がして、取引を始めたいと思わなかったんですよねぇ…隣国っぽいん雰囲気がワードから感じられて…完全に勘違いなんでしょうけど。企業の名前が与える影響って大きいなと感じた企業の1つでもあります)


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