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算数の勉強でも銀行の仕事でも身につかない経営者に求められる計数感覚

以前ある新聞で「算数の力を伸ばす秘訣」について小さな記事が書かれていました。

話の主旨は「算数の力を伸ばす秘訣というのはなかなか難しいが、算数の力を伸びなくする方法の一つが筆算の強要である」でした。

例えば「○○○―195」という計算をする際に多くの生徒は1の位から順番に計算して答えを出しますが、「195は200というかたまりから5をとったもの」という感覚が奪われてしまっているという指摘です。

このため、本来はもっと簡単に回答できるものが、かえってややこしくなっているというものです。

この話を読んで思い出したのが、私が新入社員として銀行に入社した時のことです。

新入社員が最初にやらされるのがお札の勘定と加算機。その加算機を早く正確に操作するためのコツとして先輩から教わったのが、「数字の意味を考えずに反射的に指を動かせるようにする」ということでした。

このような練習を毎日繰り返した結果、事務処理を行う上での計算は早く正確にできるようにはなりました。しかし、反面、数字のイメージが湧きにくくなるという弊害もあったような気がします。

つまり、加算機を操作する上では300万円と3億円の違いが単に0のキーを押す回数の違いだけになってしまい、それぞれの数字が持つ意味やその大きさに対する感度がやや鈍ってしまったのです。

1円単位できっちりと計算して答えを出すことは会社の事務としてはとても大切な事です。

しかし、経営者に必要な計数感覚というのは、前者の事例で言えば、「195を200から5少ないものと捉えて考える」ことであり、後者の事例で言えば、「300万円を100倍しないと3億円にならない」という発想をすぐに思いつくかどうかということではないでしょうか。

数字が苦手という経営者の方の中には、よくよく話を聞いてみると、数字が苦手というよりは単に計算が嫌いとか、面倒くさいという場合も多いようです。

今や複雑な計算はコンピューターで処理してもらえますが、出てきた数字の意味を考えるのはあくまで人です。経営者は会社を経営していく上で、数字の持つ意味をしっかりと理解し、大きな方向性はけっして間違えないという舵取りが求められています。

算数の筆算や銀行の加算機では身につかない計数感覚をいかにして磨いていくか。コツを知りたい方はお気軽にお問い合わせいただければ嬉しく思います。

サポートは、マインドの感情とマネーの勘定を整えることで、自己成長につながる研究費に活用させていただき、得られた気づきをnoteへの記事に投稿する形で還元します。