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答案用紙の一言がくれる勇気

高校生の頃の現代文の先生がちょっと変わった面白い先生だった。
先生というより、文学が好きで好きでたまらないという方だった。

高校に入学して、今まで自信があった勉強は瞬く間に、苦手なものへと変化していった。
テスト範囲の勉強を全ての教科で終わらせたことなど一度もなく、いつもいかに切り抜けるか、一か八か勝負の教科もいくつもあった。

現代文はまだ日本語の意味がわかるのでテストも前向きに受けれた。
文章を読んで、自分なりの意見を解答欄に書いていく。
返却された答案の点数はひどいものだった。
そんな数字には慣れっこだった。
しかしそこには赤字で書かれた文字があった。

「正解ではないけど、でもおもしろい・・・!」

先生が私の答えを読んで、面白がってくれた。
それだけで認めてもらえたような嬉しさがあった。

授業中あてられてもまともなことを答えられず、テストでもいい点を取れない自分は先生から見たら困った子なんだろうと思っていたし、印象もないだろうと思っていた。

だからこそこの一文は考えること、意見を書くことの大切さと、それを認める言葉の力を感じさせてくれた経験になった。

今大人になり、子どもたちの意見や考えをたくさん聞きたくて色々な場面で意見を書いてもらっている。
あの時の先生の一文を胸に、私も子どもたちの考えに言葉をかけている。


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