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016. 暑いレースへの準備

シーズンを通して暑熱順化トレーニングを行うことで、最高のパフォーマンスを発揮することができます。血漿とヘモグロビンを増やすことに加え暑い環境条件下でのレースに備えることができます。

しかし、これまで暑熱順化トレーニングをしていなくて、これから始まる暑い季節のレースに備えたい場合はどうすればいいのでしょうか?この記事では2~4週間で出来るやり方をご紹介します。

暑熱適応に必要な日数は個人差がありますが、ほとんどのアスリートは14日間あれば効果が表れます。遠征日程や他のトレーニングとの兼ね合いにもよりますが、レースの2~4週間前には暑熱順化トレーニングを始める事をお勧めします。もし“ヒートブロックトレーニング”をレースの数日前までに完了した場合、レース当日までは順応により得た耐性を保つ目的の暑熱順化セッションを行う事も必要になるかもしれません。

順化(Acclimatization)と順化(Acclimation)

順化 (Acclimatization)とは、レース当日と同じコンディションでトレーニングを行うことで、重要な要素は気温・相対湿度・日射量です。

順化 (Acclimation)とは、レース当日の条件をシミュレーション(人工的に室温を暖める・厚着して屋外トレーニングを実施する)してトレーニングを繰り返し行う事です。もし室内でトレーニングする場合は、加湿器などを使って湿度をレース当日の状態に近づけます。

【補足】
「“acclimatization”(順化)という用語は、自然環境への反復的な曝露への応答として引き起こされる生理的適応を指し、“acclimation”(順化)という用語は、実験室での人工的な条件への曝露によって引き起こされる適応を指す。しかしながら、ストレスの多い環境(例えば、高い気温)への反復的な曝露によって起こる生理的適応を指すのに、これら2つの用語はしばしば互換的に用いられている。(中略)ここでは順化(acclimation)という用語を用いることとする。」

参照:スコット K. パワーズ・エドワード T. ハウリー (2020). パワーズ運動生理学 体力と競技力向上のための理論と応用 株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル, p294

暑熱順化トレーニング導入ステップ "1+3"

暑熱順化トレーニングの基礎は単純です。
〇 暑熱負荷=自身のヒートトレーニングゾーンまで体温を上昇させる
〇 その温度域で45~75~90分の運動(低~中負荷)を続ける
※ COREスマホアプリを使って各温度ゾーンで費やした時間を確認

Step 0. まずはCOREを使って体温を“認識”する

以前も記載した通り、まずは普段の生活・トレーニングで“体温を認識する”ことから始めるのはハードルが一番低い導入方法かもしれません。

Step 1. ヒートランプテスト

まずは、暑熱順化トレーニングに適した自分の「体温ゾーン」を理解するためにヒートランプテストを実施しましょう!

Step 2. ヒートブロックトレーニング

暑熱順化による生理的適応について、最初の暑熱曝露から最短7日ほど、14日後までには最大の暑熱順化に達する」と言われています。
それを根拠に、アスリートの皆さんにおいてはヒートトレーニングの導入初期に2週間の“ヒートブロックトレーニング”を実施する事をお勧めしています。 

「ヒートトレーニングゾーンまで体温を上げて、45~90分間、(低負荷)運動を続ける。」

もし必要な暑熱負荷(ヒートトレーニングゾーン内での運動)が足りない場合、ワークアウト後に湯船に浸かったりサウナに入るなどの“受動”暑熱負荷を身体に与えるのも有効的です。事も出来ます。※COREセンサー自体はサウナでの使用は推奨していませんのでご留意ください

[ポイント] ヒートトレーニング集中期: 2週間~ / 週6~7セッション

Step 3. ヒートトレーニング

暑熱曝露を停止してから数日間で暑熱耐性の低下(順化の喪失)がみられると言われており、1週間以内に著しく低下し、4週間後には暑熱耐性が完全に失われるとの研究結果も発表されています(Armstrong LE and Maresh CM., 1991)。

もしヒートブロックトレーニングをレースの数日~数週間前までに実施した場合は、暑熱耐性を維持する必要があります。

実際には、普段のトレーニング計画の中にヒートセッションを週2~3回組み込むだけなので、ご自身のトレーニングリズムを大幅に変更する必要もありません。

[ポイント] ヒートトレーニング:週2~3回 / 各セッションは45~75~90分

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次回のテーマ

次回のCORE Body Temp 日本公式 noteでは、健康維持と体温の関連について綴ろうと思いますのでお付き合い頂けると幸いです。

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