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残業規制だけじゃ足りない

「わたし、定時で帰ります。」という文字にひかれて、手に取った本を開くと、夢中で読んでしまった。

途中で気づいたのですが、どうやらドラマ化された本の続編の続編だそうな。
どこまでドラマでやっていたかは知らないけれど、とにかく、これは3作目らしい。
よく見たら【ライジング】と書いてあったww

話の内容は、

絶対残業しない主人公結衣。
このスタイルが時代と合ったのか、会社も残業時間を徐々に制限していく。

プライベートの充実
仕事の効率化

を口実に。
あなたのために、といわんばかりに。

そして、部下が「残業をさせてくれ!」と言う。
業務の効率化をすれば「余計なことをしないでくれ」と言う。

なぜ、早く帰ろうとしないの?
面倒な仕事、やめたくないの?

自分とは違う感覚に結衣は戸惑いながら、相手への理解を通して会社・社会全体の問題に気づいていく……。

そんなストーリー。

2020年4月働き改革関連法で、「時間外労働の上限規制」が適用されました。
↓これですね

引用:厚生労働省HP

さて、私自身、残業規制はなんだか労働者の実態と違う気がして、それだけじゃ足りないって私は思っていたのです。
確実に過労を防ぐ。日本の悪き習慣を変えるきっかけとなる。が、何かが足りない。

残業規制で描く好都合なストーリーはきっとこんな感じ。

残業しなくなった分の時間は、プライベートの充実につながる。そしてまた心身の健康にもつながる。
プライベートの充実とは、家族との時間だったり、趣味の時間、スキルアップのための時間が想定できます。

しかし、この本ではその矛盾を描く。

充分な収入がない中で理想通りになるだろうか。

本ではこんなサイクルが生まれていた。
残業規制→収入減少→副業を始める→疲労→本業の生産性に悪影響→評価低下→モチベーションの低下

副業は、スキルアップにつながるのでは?
と、思うかもしれないけれど、選ぶ仕事は目先のお金稼ぎなので単純作業になりがちで、それは到底スキルアップには繋がらない。

これを読みながら、あぁ、心当たりがある。
と、遠い昔を思い出した。
20代前半、東京で働いていた時これに陥りかけた。
早朝の時間を使い、少ない収入をカバーするため副業をしようとしていたのだ。

そして、選んだのはやはり同じ作業を繰り返す単純作業だった。

その人の人生をよりよくするサイクルには、十分な収入が必要。
残業代(生活残業)を稼がなくても、安心して暮らせるような。

それと同時に、それぞれのキャリアデザインを描くことが大事だ。
目先の何かに飛びつくのではなく。

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