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ソーシャルフェス®︎ラボに参加してみて

『フェスティバル』

 コロナウイルスが蔓延する最中、多くの人が一箇所に集結するイベント故に、昨今、悪い意味で話題になりがちなエンターテイメント。

時代背景的に仕方がないと思いつつ、参加したことのない人の半数はフェスティバルやレイヴを「大規模に騒ぐパーティーや音楽を1日中消費するだけのエンターテイメント」という表面的な側面でのみ捉えているように思えてなりません。

しかし、前述のイベント・ムーブメントの中には「社会的に良い影響」を意図的、または偶発的にもたらしているイベントも間違いなく存在してる。それは今年参加した「FUJI ROCK」と「BURNING JAPAN」が間違いなくそれで、自分の抱いていた仮説は確信へと変わりました。

ここでの「社会的に良い影響をもたらすフェス」 =「考えさせられるメッセージ性や価値観が変革する体験価値」を包含するイベントという意。あくまで「フェスティバル的なイベント全般」を広く指してはいません。

そんなフェス(イベント)のもたらす「多様性に満ちて、誰をも受容する理想郷のような世界」「人生を変える体験になりうる魔力」に取り憑かれた人間なわけです。


フェスに人生を魅せられた自分は大学3年時の10月、音楽の消費に留まらず人生の幸福度が上がるフェスティバルを実現したいという思いを持ち、スペキュラティブエンターテインメントという面白いアプローチでフェスを主催していた雨宮さんの元(=Ozone)で長期インターンを始めました。

そして今年の6月に雨宮さんがソーシャルフェスラボというフェスの作り方を学べるプログラムを開講するとのことで、MUD LAND FESTIVALなどの企画を作り上げた脳内を覗ける!!という興奮に近い感情で参加に至りました。

前置きが長くなりましたが、「8月中旬までプログラムを走り切った感想」をnoteに備忘録的な意味も踏まえ、書いていきたいと思います。

※「自分が理想とするフェスティバルの一部」も最後に記載。


○ フェス制作やエンターテインメントに感心あり
○ 小圷が理想とするフェスの世界観を少し覗いてみたい

この2つに関心がある方は是非、読み進めてみてください。


ソーシャルフェス®︎ラボとは?

SDGsのそれぞれのゴールが達成されたあとの世界をフェスティバルとしてそうぞうするプロジェクト・ソーシャルフェス®︎。
その作り方を学ぶための「オンラインスクール」フェスづくりをサポートする「オンラインサロン」が1つになった「SDGs+フェスティバル」の可能性を最大化するラボラトリーになります。

スクールは5回の【講座+ワークショップ】と1回の【成果発表会+懇親会】の全6回を3ヶ月に渡り開講されて、第一回目は参加者は約15名。

「音楽好きの学生からイベントを主催しているデザイナー、校長先生や僧侶」に至るまで参加の目的も職種も全然違うながら、「エンターテイメント」や「SDGs」に指向性を持った多様な受講生が集まりました。


以下の流れでプログラムが進行

1.Orientation                      SDGsとフェスティバルの交差点

2.Research        課題と事例を参照する

3.Imagination       未来の描き方。ソーシャルフェスの企画術

4.Team up          企画の中間発表とチームアップ

5.Creative        フェスティバル製作の方法論

6. Presentation & Party  企画の発表と実現に向けたフィードバック


時間軸で振り返ると長くなるので、このプログラムで特に自分が感じた魅力を2つに絞って紹介していきます。

1. 企画を練り上げるプロセスの精緻さ
2. 知識の体系化・モチベーションの増加がなされる仕組み


企画を練り上げるプロセスの精緻さ


フェス制作の上で、「コンセプトやタイトル、コンテンツ」を決める必要があるのは、皆さんも理解いただけると思います。しかし実際に個人だけで構想すると、ターゲットや目的がなかなか決まらず、「リサーチ⇄思考」を繰り返して、いつの間にか時間が過ぎて何も決まってないなんてことになりかねません(小圷の体験談)

更にソーシャルフェスは「SDGs × フェスティバル」という「社会的なメッセージ性を包含して、人をワクワク・楽しませるエンターテイメント」として成り立たせる企画の構想は、かなり難解だとプログラム開始前は思ってました。

しかし言葉の一つ一つが定義されていたり (下記画像参照) 、企画を考える上でつまずきそうなポイントを全て網羅的に講義で説明してくれており、スムーズに最後の企画書作成まで到達できました。

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企画成立に至るまでの思考プロセスは端的で理解しやすぎる上に、素敵すぎる言語表現の数々に軽く感動してしまいました。 あと講義中は「すげぇ!こうやって企画考えてたんだ〜」っていう気づきと感心の嵐でした笑

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どんな人生の過ごし方をしたら アイディア=「武術  = 筋力 + 脱力」なんて最高の表現が頭に思い浮かぶんだよ!!と良い意味で軽くキレてました笑 講義は、こういった良すぎる表現の嵐です。


<企画構想プロセス> (小圷まとめなので少し違うかも)

⓪ SDGsを理解し、自分の取り組みたい目標は何か考え、
具体的な解決策を調べる。

① 自分が最も関心のあるSDGsが達成した後の
希望に満ち溢れた未来(ユートピア)をそうぞう。

①のユニークな考え方:

×「課題の啓蒙」 ○「希望の体験」

SDGsという少し固い内容ながらも、講義やワークショップのような教育的な働きかけではなく、「SDGsのそれぞれのゴールが達成されたあとの世界 = 各個人が描くユートピア」を実際にフェスティバルとして体験してもらう。フェスは理想郷だと心の底から思っている自分にとっては、死ぬほど腑に落ちるし、「希望の体験」は個人的に大好きな表現。

そして、

「エンタメ」→「デザイン」→「アート」の文脈で気づきを与える

② 「現状の課題、ターゲットの思考等」を描いた理想の未来と比較し、
そのギャップを埋めるために必要なアプローチを思考。

「SDGsで選んだ課題のカルテ」というキャッチーな宿題で、想定されるディストピア・ユートピア、自分が取り組む理由などを記載して、今後の治療方針という名の軽いフェス のコンセプト的なものを形作る。

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③④… こういったプロセスで脳内イメージを膨らまし、徐々にビジョンやコンテンツを詰めて、最終的にはフェスの企画書が出来上がっていく。最後の発表に向けたスライド制作では、今まで考えたことがパズルのように組み合わさっていく気持ちの良い体験で、緻密に考え抜かれたプログラムだと気付かされました。


知識の体系化・モチベーションの増加がなされる仕組み

1.「SDGs × フェスティバル」という同一テーマを6回も多角的に考える

毎講義ごとにテーマが地続きで説明されていく上に、雨宮さん以外の講師はいないため、しっかり点と点が見事に繋がり体系化した知識として定着。

下記に記載したのが「イベント系あるある」

単発イベント  記憶からすぐに消えがち

テーマは同一、登壇者が毎回変化」するイベント→ 知識が体系化されない。

「人によって考え方は違うんだな〜、結果何が一番自分に合う考え方なんだっけ」という疑問で終わりがち


2.毎講義ごとに課題を出される

正直、重めな課題だと「嫌だな...」と思ってました。しかし、実際に取り組み始めると脳内で繰り広げているフェスのイメージへのワクワクが止まらず、途中で楽しくなっていて企画を進める楽しさを久々に思い出しました笑

そして課題があることで、毎講義前に振り返る必要があり記憶の反復に繋がるという...笑 思いもよらぬ嬉しいメリットがありました。


3. 共通の目標に向かう受講生の仲間意識 と 参加者意識(×傍観者

受講生は全員と会話できる少人数に設定されているので、回を重ねるごとに仲間意識が芽生えました。最後の発表後は「文化祭が終わった後のクラス」のようなエモい感情になり、お互いの企画をリスペクトし合う関係性は非常に心地よかったです。

そして講義に取り組む姿勢に関しても、受講生同士でディスカッションをする時間などが設けられるため、「おもんない大学のオンライン授業」をただ眺めてた時とは違い、しっかり思考しながら集中して取り組めました。


といった感じで「ソーシャルフェスラボ」、めちゃくちゃオススメです。


第2期が9月3日(今日!!)、第3期が12月3日 締め切りなので、もし興味ある方がいたら、是非応募してみてください!

※ もし、質問があれば直接メッセくれれば答えます✋

雨宮さん主催で、自分も運営に携わっている KaMing SINGULARITY も9月12日に開催されます。オンラインチケットであれば購入可能なので、興味がある方は、是非チェックしてみてください!!


自分の理想とするユートピアとは


そして、最後に自分が構想したフェスティバルについても一部紹介。フェスのタイトルも決めましたが、いじられたくないので伏せておきます笑

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選んだ課題は、SDGsの10-2

元々フェスに感じていた「多様性に満ちて、誰をも受容するような感覚」が自分にとっては最高であり、その体験に近しい上に元々関心を寄せていたターゲットだったので10-2を選択。


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フェスの目的は、自分が大学生活でのあらゆる体験から感じた人生を楽しく生きるための価値観、大学で衝撃を受けた文化人類学の授業も織り交ぜて、フェスに昇華したイメージです。


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ゴールイメージ (SDGs10番のゴールが達成されたあとの世界) を踏まえて、どのように感情を持っていくのかという設計をめちゃくちゃ考えました。かなり複雑化してます笑


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そして、具体的に提供する仮コンテンツは「アート、音楽、トークセッション」などでかなりバラつきあり。


といった感じで、「カルチャーショックのような新しい出会い」や「音楽やコミュニケーションを通した一体感」を体験できる場が自分の理想とするフェスティバルです。


あくまで、これはまだvol0の仮案でもっとブラッシュアップして、完全に腑に落ちるまで作り込みます。もし興味ある人がいたら、実際の企画書 & 実現に向けたロードマップを見せるので教えてください!

このフェスの一部を見て、「自分のフェスに興味を持ってくれて一緒にやりたいという人、フェスについて語り合いたいという人」がいれば是非 連絡してもらえると嬉しいです。興味ありそうな友人の紹介だけでもありがたいですし、たまたま見たソーシャルフェスラボ第2・3期生でも大歓迎です。


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最後に

いや〜本当に「ソーシャルフェスラボ」を受講して良かったです。

フェスが持っている魔力を再認識させられる、そんな3ヶ月でした。

コロナが収束したら、1969年のウッドストックフェスが賛否ありながらも自由の象徴になったように、現代ではコロナに打ち勝った・収まった象徴として開催されたら良いな〜なんて思ってます。


NO FESTIVAL, NO LIFE

またフェスがコロナ以前のように開催できる日が来るのを祈って

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