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1人1人に光を当てる 撮影タイムの楽しみ方

家族・親族ならではの感動シーンをつくろう

少人数ウェディングは、余興やスピーチなどパーティー中のイベントが少なかったり、チャペルからパーティー会場への移動にも時間がかからないため、70名前後の結婚式よりも撮影タイムを長めに取れるのも魅力の1つです。ここでは、家族や親族のみだからこそ収めておきたいシーンのつくり方など、少人数ウェディングならではの撮影タイムの楽しみ方をご紹介します。

■ 家族水入らずの時間をつくろう

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職場の上司・同僚や学生時代の懐かしい友人などを招待しない少人数ウェディングは、身近な人との時間をたっぷり確保できるのもポイントの1つ。2人の結婚を誰よりも喜んでいる家族、両親と水入らずのシーンをつくり、結婚式だからこそ溢れ出す感情を記録しましょう。

ただし、ただ家族や両親と水入らずの場を用意しても、感情の動きまでも映りこむような写真は残せません。新郎新婦と家族の心の奥の感情を刺激する「スイッチ」を押すような仕掛けを用意しましょう。

仕掛け  その1 お支度timeに母娘の心の交流を撮る

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たとえば、母親が口紅を塗って花嫁支度の仕上げを行う「紅差しの儀」や、ベールを付けてあげるなどもシャッターチャンスの1つです。ここで重要なポイントは、その儀式の意味を母娘で理解しておくこと。「紅差しの儀」には「幸せになって」というメッセージ、魔除けの意味を持つベールを着けてあげる行為には、「娘のこれからの人生を禍から守ってください」という祈りが込められているなど、そうした意味が母娘の感情の「スイッチ」を押し、照れくさくて言えなかった言葉などを引き出してくれます。その瞬間こそが、感情の動きまで映りこんだ1枚となるのです。

仕掛け その2 家族へのファーストミート

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ファーストミートは、花嫁支度を整えた後、その姿を初めて新郎に見てもらうのが一般的ですが、2人の晴れ姿を家族に見てもらう時間にしてみませんか。

家族、特に両親の感情が最も揺さぶられる瞬間は、花嫁の手紙朗読やその後の花束贈呈シーンですが、ファーストミートは家族だけのリラックスした雰囲気の中、息子・娘の幸せな姿をじっくり噛みしめる時間となります。

新郎が両親に感謝の気持ちを伝えられるというのも、家族のファーストミートのメリットの1つ。家族以外の目がある中では照れくさくても、プライベート空間であれば「今までありがとう」などと素直に言えるという男性も少なくありません。

新婦の父が「キレイだよ」とボソッとつぶやく様子、普段はあまり笑顔を見せない新郎の父が照れ笑いを浮かべる様子など、穏やかな感動シーンを収めることができます。よりリラックスして感情表現してほしい場合は、両親には普段着のまま参加してもらうというのもオススメです。

■ テーブルラウンドではなく「パーソンラウンド」

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70名前後の結婚式では、新郎新婦が各テーブルを回って記念写真を撮る「テーブルラウンド」が一般的ですが、20名前後の場合は、新郎新婦がゲスト1人1人と会話しながら撮影する「パーソンラウンド」もおススメです。1人1人に感謝を伝え、ゲストの笑顔や嬉し泣きなど、表情豊かな写真を残せます。

100名以上のパーティーでは、一度もプロカメラマンの写真に映らないゲストも出てきますが、20名前後であれば、1人あたり10~20回程度フォーカスすることができたりします。そのため、ゲスト1人1人にベストショットを残すことができたり、夫婦や兄弟姉妹、家族などグループ単位の写真も残せたりします。

アルバムを作るなら、集合写真の見開き隣ページに、ゲストのベストショットを並べるといった編集方法も素敵な思い出の残し方ではないでしょうか。

■ 集合写真は整列せずに自由なポーズで

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挙式後の集合写真も少人数なら趣向を凝らした、一味違う写真を撮ることもできます。チャペルからパーティー会場への移動時間が短くて済んだり、挙式前、少し早めに集まってもらうなども声掛けしやすいためです。

たとえば、2人がその式場を選んだ決め手となったスペース、景色が美しい場所などで撮るも良し、整列せずに、椅子やソファをランダムに並べて、思い思いのポーズで個性を表現するも良し、大人数よりも自由度の高い集合写真を撮影できます。

集合写真タイムで、両家の緊張感がほぐれるようなミニゲームなどのイベントを盛り込むのもおススメです。たとえば、新郎と新婦父の腕相撲勝負、風船早割り大会などのライトなイベントは、それ自体がシャッターチャンスになる他、その後の会食でもゲストの表情が柔らかくなりやすく、ゲストにプレゼントしても喜んでもらえるような素敵なショットが増えます。

■ 少人数婚の素敵ショットにまつわるエピソード

では実際、少人数ウェディングでどんな写真が撮れるのか。ここからは少人数ウェディングで撮影された素敵ショットのリアルなエピソードをご紹介します。

Case  1 お調子者の新郎が男泣き

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「姉ちゃんには感謝してるんだよ・・・」
 普段は、お調子者キャラの新郎が本音をこぼし、男泣きした瞬間を、カメラマンの飯岡拓馬さんは逃さずとらえました。

40代の新郎は根っからの自由人。実家には滅多に顔も出さず、家族にも「好き放題に生きている奴」と映っていて、仲の良い家族とは言えない関係性が長く続いていました。

結婚式は新郎新婦の家族のみ10名のアットホームなパーティー。その和やかな空気の中で、新郎も素直な気持ちで本心を打ち明けることができ、両親と2人の姉も号泣、温かな家族の時間が流れました。

教えてくれた人 飯岡拓馬さん/所属:フォトエクボ(神奈川県)

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プロフィール

ウェディングの写真会社に4年程勤める中で撮影・編集・制作などの技術を学ぶ。現在は主にウェディング・物撮り・建築・食品容器メーカー・大学関係などの撮影を行う他、映像と写真を組み合わせた撮影も手掛ける。

フォトエクボのメニューを見る▶https://cordy.jp/products/list.php?brand_id=741

Case  2 母娘は感動のリアクションもそっくりでした

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「やっぱり母娘だな」

カメラマンの吉川和貴さんは微笑ましい気持ちで、ある家族のファーストミートを撮影しました。

吉川さんが「やっぱり母娘」と感じたのは、娘の花嫁姿を目の当たりにした新婦母のリアクション。口元を押さえて「はっ」と息を飲むように涙ぐむ姿は、その数分前の新婦の姿と瓜二つだったからです。

実は、家族のファーストミートの直前、新婦新郎2人だけのファーストミートも行っていました。そこで新郎は新婦に88本のバラの花束をプレゼント。その時の反応が、母親とほぼ同じだったため、吉川さんは「後々、「同じだね」と笑って見返してもらえたら」と想像しながらシャッターを切りました。

家族のファーストミート後、しばらく歓談タイム。「キレイやな」と照れながらつぶやく新婦の父、新郎に対して「馬子にも衣装やな」とはにかむ新郎父の表情もカメラに収めました。

「新郎父は、普段なかなか笑顔を見せない厳格なタイプだと聞いていましたが、この時ばかりは、照れ笑いを浮かべていました。これも、後々、「お父さんが笑うなんて!どんな気持ちやったん?」などと家族でネタにしていただけると思いました。リラックスした中でこそ引き出せる表情もあり、それもアットホームな少人数婚での撮影の醍醐味の1つではないでしょうか」(吉川さん)

教えてくれた人 吉川和貴さん/Photo Studio DEPO(滋賀県)

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プロフィール

カメラマン・ウェディングカメラマン歴、約4年。
結婚式の他、桂由美ドレスショーランウェイ撮影、海外アイドルグループアーティスト撮影、友人のサプライズウェディングプロデュースの撮影・企画も手掛ける。近畿圏のフォトコンテストにおいて、3年連続入賞。

DEPOのメニューを見る▶https://cordy.jp/products/list.php?brand_id=727