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ティーポットに映された春

大学二年生の時からお世話になっている国際交流課の方とお茶会に行ってきた。場所は大学の近くにあるにもかかわらず、訪れたのは二人とも初めてだった。

大学在学中、学期明けにはガイダンスや歓迎会、学期中には各種の文化交流イベント、学期終わりにはパーティーや卒業式、個人的にはスピーチコンテスト出場や、アルバイト探し、大学院受験のための書類作成や失恋話、いままで公私においてその方に付き合ってもらった。留学の初期から今まで関係が絶えていない数少ない日本人のお付き合いの中の一人なのだ。日本語学校から大学、大学から予備校、予備校から大学院へと転々するたびに知り合いがなくなってしまう私にとっては、あの方は宝物なのだ。

そんな方に、お別れの時に、「〇ちゃんは大人になったね」と言ってくれた。「それは外見からですか」と聞くと、「外見を含めて、考えもそうだ」と。

親からですら言われたことのない言葉だ。私の成長を見続けてくれたからこそ言える言葉だ。ありがたい。 

駅で別れる前に、ブランドのハンドクリームをくれた。「これを使って素敵な女性になってちょうだい」と励まされた。

快くいただいた。そして、励まされた通りに邁進するんだ。この手で、この体で。だって、そのために女子大に入ったものだから。

そして、いつかお返ししなければならないからだ。


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