キラキラした女の子が好きなので架空のオーディションを開催する vol.2 綾川 凉

2023年1月21日 東京会場にて
綺麗に切りそろえられたボブカットの黒髪に、全身むらなくついた筋肉。整った顔立ちは、クールでミステリアスな印象を与える。会場に到着した凉は受付を済ませ、胸に名前の書かれたゼッケンを渡された。通された待合室で、ゼッケンをつけ、軽く周囲をうかがってみる。緊張ですすり泣く子、小声で歌の練習をする子、互いに鼓舞しあう仲間がいる子。凉が軽くストレッチでもするか、と立ち上がると、部屋に入ってきた少女と目が合った。二人はまじまじと見つめあう。

(綺麗。)
(超かわいい。)

ルックスがいい二人が見つめあうものだから、周囲の注目も集まる。は、と二人はぎこちない会釈をして視線を外す。凉は胸が高鳴るのを感じた。凉はストレッチを開始し、自分の出番を待つ。

「彼女と目が合った瞬間、自分がここまでやってきて、確かにアイドルへの夢を一歩踏み出したんだってことを、実感しました。仮に自分が合格したら、こういう素敵な子たちと切磋琢磨できて、最高の結果であれば一緒のチームでデビューができる、そういう風景?ビジョン?が急に目の前にぶわーって広がって、すごくわくわくして、頑張ろうと思いました。」

プロフィール

名前:綾川 凉(あやかわ すずし)
出身:10歳までアメリカで過ごした。その後は埼玉
生年月日:2003年8月10日
年齢:19(大学2年生)
身長:172㎝
趣味:ゲーム、古着屋巡り
家族構成:父、母、弟(現在は東京で犬と2人で一人暮らし)
ダンス:アメリカではじめたモダンバレエを高3まで続けていた
歌:ラップが好き

「ラッパーの無慈法師(MUJIBOSHI)さんが好きです。歌って踊れてラップもできる歌手になりたいと思っています。」

一次審査の評価

ネイティブ並みの英語力とクールなビジュアルで、世界進出を狙うならこういう子が一人いるといいのではとの期待があった。

二次審査の評価

歌はラッパーの無慈法師「AM 27:00」。リズム感と滑舌は素晴らしかったが、アイドルオーディションにラップで応募するのは若干破天荒すぎるようにも思える。ただ、ダンスが素晴らしかったため、無慈法師の中ではメロディが多い曲だったこと等を鑑みて、歌だけでは絶対に不合格だが合格とした。

ダンスについて、本当に自分の見せ方をよく理解していた。肉体の美しさ、表情の豊かさを120%引き出す、計算しつくされた動き。そしてその瞳が、「私を見て」とはっきり言っているのが聞こえた。本当に我々の目をくぎ付けにするカリスマ性がある。

自己PR動画では、無慈法師「AM 27:00」を自分で英語に直して披露。発音も素晴らしく、努力と才能を感じるが、無慈法師を推しすぎていて少し怖かった。

三次審査面接にて

「帰国してすぐ、全く日本語がしゃべれず、つらい思いをしていました。とにかく日本語を聞こうと思ってラジオを聞き始めて、それで初めて聞いたのが、無慈法師さんの番組だったんです。」

三次審査

またMUJIBOSHIだったら不合格にすると決めていたが、こちらの心配は杞憂に終わった(スタッフには事前に曲を提出しているため、心配していたのは私だけだった)彼女の選曲はGirls Pick(通称ガルピ)の大流行した恋愛ソングだった。歌はまだ課題も多いが、声量や音程の安定感が、二次審査からここまでの間に堅実に努力を積み重ねてきたことを感じさせるものであった。

ダンスでは、男性アイドルのダンスナンバーをセレクト。アレンジでバク転まで披露していたが、猛々しい雰囲気にもならず、なぜか二次審査では見られなかった色気のある視線を身に着けていた。

歌:Girls Pick「진짜(Japanese ver.)」(2010)

♪~
Yes!やった!君が今
やっと言った言葉
진짜?
もう信じたよ
今更嘘とかなしだよ

ハジけちゃうかも
いつもよりメイクのノリもいいかも
まつ毛もいつもよりテンション高いし
いつもより服も似合ってるかも

ねぇ…今日はずっと側にいて
好きを零れるほど注いで
夢じゃないんだってこと
私にちゃんと教えてよ…

涙も好きも笑顔も心も
君にだけずっと注いできた
私自身はもうカラカラなの
早く君で私を満たして

Yes!やった!君が今
真っ赤な顔で言った言葉
진짜?
大好きだよ?
もう離さないよ?

ハジけちゃうかも
いつもよりスマホの電波いいかも
今日は楽しいニュースが多いし
電車もいつもより空いてるかも

ずっと君を好きでよかった
昨日諦めなくてよかった
君が辛いとき側にいたのが私で
これからもずっといさせて

Yes!진짜大好きだよ…

ダンス:GGT-rain(ガットレイン)「BBB」(2017)

ダンスに定評のあるGGTグループの中でも、特に実力のあるメンバー五人組で構成されたGGT-rainのデビューシングル。

大きな動きと、小さくキレのある動きのメリハリがあり、本当に大きくのびのびと踊って見える。また、終始楽しそうにキラキラと輝いて見えた。

激しい踊りの中に、ふと恋する乙女のような表情を見せる。そのギャップが、不思議な色気を醸し出していて、彼女だけのステージにしていた。


三次審査結果

綾川凉:合格(東京会場2人目)

「合格と聞いて、とても嬉しいです。」

liner notes

今回から、曲に、その曲の発表年も入れることにしました。
あと応募者同士の絡みも書いていけたらと…

前回↓


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