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私の昭和歌謡48 夜明けのうた 1964

カンツォーネはたまたシャンソン語るよう心に沁むは夜明けのうたよ


なんでこんな繰り返しの童謡みたいな歌を、父さんも母さんも叔父さんも叔母さんも「いい歌だー」と聞いたりするのか、小学生の私には理解できなかった。

この曲を私が認めたのは、66歳だった。
この年の秋、私はGISTの開腹手術をした。全く不安もなく「手術して2週間ぐらいで職場復帰」なんて、超アマアマな考えだった。

手術後、なんと、ヘタレてしまった。チューブで苦しい。動けない。身体中痛い。寝てるんだろうけど、眠れない気がして、夜中に何度も苦しくて起きる。そして、病室へ移っても、リハビリが普通にできなかった。

早く退院して、家でゆったりしたい。そればっかり考えてはいるけれど、力が出ない。何より睡眠が普通にできないのがつらかった。

毎夜、夜明け前にトイレに起きる。そして、病室の窓から夜明けを見た。

そうして、私はいつのまにか、この歌を口ずさんでいた。そうすると、いつのまにか眠れた。

昭和の小学生は、流行歌は全て口ずさむから、好きな歌はもちろん、嫌いでも覚えて歌える。

覚えていた!ww

🎵夜明けのうたよ 私の心の 昨日の悲しみ 流しておくれ
夜明けのうたよ 私の心に 若い力を 満たしておくれ🎵

お世話になりました。
岩谷時子さん、いずみたくさん。当時、童謡じゃん、と言いながらも歌っておいた甲斐があるってものよ。

歌手、岸洋子は、もう亡くなったけれど、シャンソンやカンツォーネの歌手のように、まろやかな声で、この平坦な繰り返しのメロディーを歌っていた。

そういえば、これは、出来のいい讃美歌だ!
先唱が歌って、みんなが唱和する。今歌うとそんな感じがする。60年も経って、再認識する歌謡曲があるなんて、すごいもんだ。

でもね。
今日で手術から、ちょうど1年目。回復している。夜中に起きる時は、ほとんどない。そして、この歌も、ほとんど歌わない。

ありがとう、夜明けのうた。


【参考資料】


【前回の記事】


【手術のこと】


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