私の昭和歌謡114 秋桜 1977
シンプルなシャンソンに似たつぶやきをものの見事に百恵は歌う
私は、山口百恵を、暗いし、垢抜けないし、歌が下手だと思っていた。
(百恵ファンの方ごめんなさい)
だから、どうしてテレビがちやほやするのか全く理解できなかった。
それが当時の私。
今45年ぶりに聴く。
歌詞は覚えているし、口ずさむことはできる。
口ずさむなら誰でもできる。ところが。
この曲を歌ってみた。上手に歌えない。こんな単純な始まりの、そこで、つまづく。
そして、気づくんだ。百恵ちゃんって、こんなに上手だったっけ?
確かに、売り出し始めは、本当に下手だった。当時の「としごろ」「青い果実」を聞く。そして、「秋桜」を聞けば、それだけで百恵ちゃんの努力がわかる。
郷ひろみの歌や踊りにしろ、百恵ちゃんの歌にしろ、最初は見向きもしない私だが、年月を経て聞いて驚く歌手には、大きな尊敬を感じる。
よく頑張ってパフォーマンスを磨いたと感心する。
さて。「秋桜」のはじまりは、メロディックではないシャンソン風の語りだ。
🎵 うすべにのコスモスが🎵まで半音で上下するだけ。
これが難しいんだわあ。
で、抑えてたから、🎵あきのひのー🎵で一気に歌っちゃいたくなる。ダメ!
🎵なにげない ひだまりに🎵でゆーっくりのトリルのように静かに下がって
🎵ゆれているー🎵と続くけど、
次が急に上がるからって、ここを盛り上げられない。
うーん。難しい。
これを百恵ちゃんは見事に歌う。さて、次だ。
🎵 こんな小春日和の 穏やかな日は・・・心配いらないと笑った 🎵
このサビだけど、これも煮えきらなく終える。
パーーーと盛り上げて終えることができない。うううw
さだまさしさーーん、なんて歌なの!
こういう歌を、百恵ちゃんはそれまでの努力で、見事に歌い上げることに成功している。驚きだ。今更、ファンになってしまう。
引退していて一般人に徹していることにも、脱帽なのである。
どうして、復帰しないで今まで、普通に暮らしていられるのか?
これも数多いタレントの結婚生活を思えば、あっぱれなのである。
私も68歳だが、長い年月で人を見る目も養われる。
あの頃、暗いし、垢抜けないし、歌が下手だと思っていた私。
今は、百恵ちゃんが歌う「秋桜」と、結婚と引退の今までの生活を見て、尊敬するに至ったのだ。うん。
【参考資料】
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