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意見募集:FGIツール「クロック式コンセプト評価(仮名)」

先日、19時過ぎにブランド担当から相談があると呼び出され、来週実施するFGIに使用するマッピングの軸について1.5時間くらい考えさせられた。その中で思いついたやり方を公開して、いろんな人の意見をもらってブラシュアップしてみたいと思う。なので、面白そうと思った人はどんどん使ってもらって構わない。私が考案したと主張はするがw、権利関係は全てフリーです(まあ、箸にも棒にも掛かないものかもしれないけれど)

背景
とあるブランドが自分たちのブランドのポジショニングを見直す必要があるか?について検討しており、そのポジショニングと自分たちが掲げるブランドコンセプトがあっているかについて、カテゴリーユーザーに話を聞き、方向性を定めたいというもの。

問題
これでは、軸が定まらない。まず、ブランドのポジショニングはブランドの意思で決めるはずのものだが、そこが定まっていないから、見直すポジションがどこなのかわからない。そもそも自分の目指すポジションとその現状のズレがどの程度かのもわからないから、見直した方がいいかもわからないことになる。
そして、そのポジショニングと自分たちが掲げるブランドコンセプトとズレを把握したいという。

不確定性原理というかなんといかう、現状、1つも固定するものがないため、どれかを決めようとしても、固定されたものがないので、座標Aを決めて座標Bを決めようとすると、座標A自体が動いてしまい座標Zになる感じになってしまう。

マーケテイングの教科書的にはこのような状況はNGである。しかし、このようなブランドは世の中的に少なくない。ブランド活動を経年で実施していくと、短期的な成果を求められる場面が当然でてくる。その時に、その場に応じた(その時の流行、経営者、ブランドマネージャーの判断、考え方などなど)対応を続けていくとブランドは迷子になってしまうことがある。(特に失敗を繰り返すとき)

話を元に戻す。

そんな背景と問題をかかえ、どう課題を解決しようか?を考えたものが今回紹介するツールだ。

まずブランド担当者が考えていたのが、以下の2つマップだった。この2つを念頭に考えていたため、軸を考えて欲しいという呼び出しだった。

しかし、上記の問題で指摘した通り、今回の課題は座標が固定できない。つまり、原点が規定できない。そのため、いろいろな軸を考えたとしても、うまくフィットしたものができなし、複数要素を組み合わせた統合軸ををうまく作れたとしても、FGIで来てもらう一般の対象者の人が回答できるかわからない。

そこで考えたのが以下のツールだ。名前は仮称で「クロック式コンセプト評価」としておく。

まず、以下のようなマップを用意する。そして、評価したいブランドとダミーとして競合の画像を用意しておいて、12時方向の直線の上に、そのブランドと自分との距離を相対的に配置してもらう。この時、自分とブランドとの距離の基準は対象に任せる。買いたいでも、好きでも、憧れでもなんでもいい。とにかく、そのブランドと自分の距離を相対的に示してもらう。

ダミーの競合A~Cと自ブランド(青)を以下のように自分の基準で配置してもらう。この場合だと一番Aが近く、Bが一番遠い。この相対的な距離も対象者自身の感覚で配置してもらう。そして、この距離関係がなんでこうなっているかの理由を聞く。

次に、自分たちが評価してもらいたいコンセプトを対象者に呈示して、評価してもらう。評価の基準は、自分が配置した距離の基準とそのコンセプトの乖離度(まさに角度)とそのコンセプトの自分との共感度(好きでもいいし、自分の価値観との近さでもいい)

この手法には、最高の形は、ブランドもコンセプトも自分の上に重なること、距離、角度とも0。ワーストは11時59分で自分からブランドの距離が離れていること。

このツールの目的は、「ブランドと自分の距離」とその距離を定義した理由をまず明らかにできる。それが価格なのかデザインなのか、価値観なのか使用実感なのか、それらの複合なのか。そのためには、同じように付置してもらうブランドは自ランドと近しいものを用意しなければいけない。BMWのSUVとスズキの軽のワゴンでは意味合いが異なってしまうので、ガチの競合でないと意味がない。

そして、それぞれの距離感の理由を把握したのち、自分たちが用意したコンセプトがその人の価値基準(=距離感)とどれだけマッチしているか、全く違うのかが把握できる。そして、その価値基準(=距離感)とマッチ度とは別に、そのコンセプトを自分との共感度(好き嫌いとか、合致しているところがあるかないかなど)の共感度を把握できる。

もし、コンセプトが価値基準と乖離しているとしても、コンセプトの共感してもらえるならば、その価値基準を変えてもらうことができれば可能性があるし、価値基準と近いとしても共感が遠いとしたら、コンセプトのブラッシュアップをすればよい。

これは対象者の人の位置を中心に決めている。その対象者を中心して、その対象者たちの価値軸が把握でき、その価値軸の中での相対的な距離感が把握できる。それを把握したのち、コンセプトとのズレや合致度、共感度が把握できると思う。

ただ問題点は、これを回答させるのは少し頭を使う。対象者が難しいと思ってテキトーに回答されればその後、その結果を使うのは難しくなる。ただ、これはFGIを前提にしたツールなので、その場で意見を聞けるし、モデレーターさんがいるので、その人の補助があれば可能だと思っている。

これを読んでご意見があれば、どんどん伝えて欲しいし、どんどん使ってもらって構わない。私もブラッシュアップしていきたいと思う。


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