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スーパーカブ90 2023#4 エンジン大改造

その人はそれを、レストア、と言っている。
ぼくは違うと思っている。
が、議論することでもないので、あえて否定はしなかった。

モノは20年ほど放置されていた、スーパーカブ90 HA02 だという。
周囲の植物と同化しているような状態から引っ張りだして、再び乗れる状態にする計画だと言う。
それなら、ノーマルパーツもしくはHONDAのパーツを使うべきだと、個人的には思うが、予定している作業は、すべてカスタムパーツを使う。
108ccシリンダ・ピストン、シリンダヘッド、ハイカム・シャフト、オイルポンプ、強化クラッチ、大径キャブレタ。
はじめはボアアップキットの導入を決めたらしい。
けれど、カスタムパーツを見ているうちに、あれもこれもと膨らんで買いそろえたとのこと。
うーん、このペースで手を入れていくと、いくらかかるかわからないですよ。

昨年の今ごろもカブを手掛けていたよな、と妙な巡りあわせを思いつつ、作業にとりかかった。

カブのエンジンは、排気量の大小により多少パーツが変わるが、基本的な構造はC50でもHA02でも変わらない。
ベースガスケットにゴムパッキンが入るし、シリンダのスタッドボルトの隣りにオイル通路がある。
一度、腰上の分解・組立を経験していれば、格別にむつかしいことはない。
ただ、今回はオイルポンプを社外品に替えるので、オイル通路の拡張はやってやろう。
しかし、シリンダガスケットにはパッキンを入れない指定になっているが大丈夫なのだろうか?
このカスタムパーツメーカーは、それほど加工に自信があるってことか。
若干、スタッドボルトが窮屈ではあったけれど、これといって困難なことはなく燃焼系は組み上げた。

強化クラッチは、プレートとスプリングのセット。
どちらも、見た目ではなにが強化されているのかわからない。
組み付けるにも余計に力が要るわけではなく、これで効果が体感できるものなのか疑問が残る。
オイルポンプにいたっては、外した箇所にそのまま付け直すだけなので、拍子抜けするほどの簡単さである。

昨年いじり倒したカブは、キャブレタをノーマルとは反対向きに加工してつけてやった。
パワーフィルタがフロントホイール側に向いていると、よろしくないものまで吸い込んでしまうのではないか?と考えたからだ。
このキャブレタセットは、インテークマニホールドの形状により後ろ向きにはつけられなかった。
反対向きにすると、どうしてもフレームに干渉してしまう。

ここは乗り出してから課題として様子をみるのがよいでしょう。
車体にエンジンを載せて、試運転しているところで伝えた。

ハンドルを替えて配線を作りなおすし、前後のホイールはリムを替えて組み直す計画なのだそうだ。
春先にまた面倒をみることになるだろうな。

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