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紙袋に詰めた憧れ

昨日、本屋さんで本を買った。新書を2冊。タイトルにグッと引かれて手に取った。いつもと変わらない日常。ちょっと違うとしたら、いつもの本屋さんではないこと。たまたま立ち寄ったメガドンキに本屋さんが入っていたのだ。商品やPOPが天井まで張り巡らされ、まるでジャングルのよう。その商品ジャングルの奥地には私の知らない本屋さんが広がっていた。(そして意外と大きくてびっくり)

隅から隅までラインナップを拝見。

児童書、参考書、料理の本がいっぱいあるな、
暮らしの本いいなぁ…机ほしいな
新書がこんなに!?ビジネス書も!!
あぁ、、欲しかった小説がある


ジャングルの奥地にあったのはオアシスでした。
予定しなかったオアシスで2時間ほど滞在。紙の香りに包まれて幸せな時間は一瞬で過ぎていく。迷いに迷って2冊を購入した。(今日からうちの子だぞー)

お会計を済ませると店員さんは紙袋に本を入れてくれた。最近はそのまま渡されることが多いので「ほぉ」と心の中で声がこぼれる。特に何でもない茶色の紙袋。ちょうどピッタリ新書が2冊収まるサイズ。私はその紙袋ごと、マイバックにそっと入れた(バックinバック!)

家に帰って買ってきた子たちを定位置に置いていく作業。それぞれが定位置に帰ったことを確認してマイバックから紙袋を取り出す。それを少し眺める。だたの紙袋だけど、何かこう魅力を感じるのだ。なんだか自分のQOL(クオリティ オブ ライフ)が上がった気がする。


小さい頃、ジブリ映画『魔女の宅急便』の主人公キキが飼い猫のジジと買い物するからシーンに憧れていた。憧れていたのは大きい紙袋に日用品を入れて、抱え込んで歩いているところ。その映画のほんの一部、シナリオには関与のないあのシーンに胸が高鳴った。「紙袋に入れて買い物がしたい!」そう願ったが当時もスーパーは当たり前のようにレジ袋。今までも当たり前のように利用していたのに、「魔女宅」を見てからはそれが妙に寂しかった。

そんなことを思い出しながら紙袋をひと撫で。
「紙袋いっぱいではないし、テープで止められちゃってるけど、少しは夢叶ったよー」


憧れていたあの頃から紙袋なんて数え切れないほど見てきているのに。なんで今思い出したんだろう。ジャングルの中で見つけたオアシスに心を癒してもらったからかな?何気ないものにも何かしら思うことがあるんだなぁと。


何でもない紙袋が特別に思えた昼下がり。

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