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カモのように

アオサギを見た。アオサギは、鶴やペリカンくらいの大きさの鳥である。公園に散歩に行くと毎回カモを見ているのだが、ふと視線を外すと、そこにはアオサギがいた。

目がカモに慣れていたし、静かな公園でぼーっとしていたので、とっても驚いた。

アオサギは、音もなくただ突っ立っていた。そして、じーっとカモを見つめていた。次にくちばしを水の中に入れ、何か噛んでいた。虫でも噛んでいたのだろう。落ち着いた性格の鳥かな?と思っていたら、急にカモのほうにバサッと羽を広げて歩いて行った。急に動いたので、カモたちはびっくりして水の中に逃げていった。

それを見て、「うわ、性格の悪い鳥だなぁ」と思ってしまった。穏やかにみんなゆっくりしていたのに、自分の都合で周りの人(鳥)を移動させるなんて。でも、それは本当に性格の悪い行動だったのだろうか。

カモたちにインタビューをしたら、「別に何も思ってないです」とか、「急に来たから動いただけ。それ以上でも以下でもない」などと話す可能性もある。

というか、逃げたあとのカモは一秒前のことも憶えていないような顔をしていた。だからアオサギに驚かされても、なんとも思っていないのかもしれない。

私は驚かされるのがとても不快だ。急に車がブン!とスピードを上げてきたり、急に大きな声の集団が近くに来たりするととても嫌な気分になる。でも、その気分に押されて不快なままでいるのも癪(しゃく)に障る。

カモのように、アオサギのようなものが急に来ても、スルーする人になりたいな。


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