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第2回THE NEW COOL NOTER賞~1/4講評(千本松さん~小説部門)

第2回THE NEW COOL NOTER賞へご参加いただいている皆様。
本日までに応募された作品のうち、小説部門の審査スタッフの千本松さんに講評をいただいた作品の記事について、一部引用しながら掲載させていただきます。

千本松さん講評文(2作品)

千本松さんの講評記事から、一部引用させていただきます。

小説という形態をとっている以上、これよりは複雑なストーリーがあって、誰かが実際に動いて、なにかが起こって、物事が変化していくべきで、Aには申し訳ないのですが、Aがなにを考えていようと、読者には関係ないことなのです。もっとタケムラに活躍する場を与えないと。

3,000字あれば、かなりの冒険ドラマが創れます。極端なことを言えば、Aが喋っている部分を全部削って、タケムラの大冒険にすれば小説として動いていきます。Aの一番言いたかった主張を、ほんの少しタケムラの口から喋らせるのはいいと思います。

そうなると、自然にタケムラのキャラクターも魅力的になっていきます。彼の好きな食べ物はなに? 好きな女性のタイプは? 彼はどんな顔をしているの? 背の高さは? 服の趣味は? 読者の興味は尽きません。作者はそれに答えるべきなのです。


千本松さんの講評記事から、一部引用させていただきます。

紅葉や空気の描写が多過ぎる。もっともっと少なくして、一発だけ、ガンと読者を襲うくらいの感覚でいいと思う。調べたら、この描写だけで560字使っている。3,000字しか使えないのだから、その分をもっとドラマに使って欲しい。やっぱり社長と上手くいきそう、とか。ヒロインや社長のキャラクターも実はいまいちはっきりしていない。目に浮かんでこない。読者はもっと知りたいはず。景色の描写を減らして、ドラマを盛り上げる。

これから少し厳しいことを書きますね。気になったのですが、この小説は日常的過ぎるのではないかと。日常的なことを書いて成功した作家も多いけれど、そのような作品には必ず普遍的で恒久的な何かが含まれている。

もうひとつ気になったのは、商標名を使うこと。LINE、Mac、スタバ、そしてコロナの話題も出てくる。Macだってスタバだって永遠に存在するものではない。コロナはまだいつ終結するか分からないけど、万が一、来年とかに終わってしまったら、この小説の読者は、ああ、あの頃に書いたのねー、と興醒めするだろう。


千本松さんの講評記事から、一部引用させていただきます。

このコンテストは短編ですね、3,000字。この数字を提案したのは私なんです。そのくらいあれば文学作品が書けるのではないかと。同じく短編で有名な、芥川龍之介の『歯車』は28,027字で、1927年に発表されました。太宰治の短編『女生徒』は33,515字で、1939年の作品です。

3つの作品の字数を平均すると、大体23,000字くらいです。このくらいの文字数があると、後世に遺る作品ができる可能性があるかも知れないということですね。こうしてみるとやはり『檸檬』は凄いですね。世界的にみても、この短さでこんなに影響力のある小説はないんじゃないかと思います。梶井基次郎の他の作品を読むと、非常に暗いものが多いです。あの檸檬は彼の人生に起こった唯一、魔法のような瞬間だったのでしょう。

そのような魔法を、我々も体験できるのだろうか?

椿さんほど長く書いてらっしゃる方の作品を読んでいると、私から見ても、ああ、この言い回しは上手いな、とか、ストーリーがよくできてる、とか、私だったらきっとこうするな、とか色々考えさせられます。

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第2回THE NEW COOL NOTER賞への、みなさまのエントリーをこころからお待ちしております。

■募集期間  ―― 令和2年12月1日~令和3年1月5日まで
■応募方法

#第2回THE_NEW_COOL_NOTER賞 」のハッシュタグをつけてください。
特定の部門へのエントリを希望する場合は、さらに「 #第2回THE_NEW_COOL_NOTER賞 ○○部門」を付けてくだされば、各審査委員が拝見します(必須ではありません)。
※希望する場合は複数の部門への応募が可能です。

また、お一人様何作品応募いただいても構いませんが、授賞対象は1作品までとさせていただきます。
なお、過去作品でも応募可能です。その場合も、同様にハッシュタグをつけていただけるだけでエントリとなります。

よろしくお願いいたします。

参加者同士の交流の場所を設けてございます。
お気軽にご参加ください。

*なお講評は分担制にしているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

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