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新しい時代の小売りと物流

インターネット通販が全盛期の今の時代。年齢問わずほとんどの方がパソコンやスマートフォンを使ってインターネットで買い物をしているのではないでしょうか。また、インターネットを使わなくてもカタログやテレビショッピングを使って通販をしている方々もいます。私の両親は特にカタログ通販で洋服を購入しています。

日本は、これから未曾有の高齢化社会になります。また、若い人があまりいません。日本の出生率が昔に比べて下がってしまった事で、これからの働き手がいない、企業では人材不足がとても懸念されています。私自身、約18年間と言うサラリーマン生活のほとんどを流通業の現場、物流の現場にいました。そこで感じた事は、年々働き手がいなくなってきているという事です。

現在の人々の生活を支えている小売業の筆頭はコンビニエンスストアです。そのコンビニを裏で支えているのが、必要な時に必要な量の商品を供給している物流センターです。年々、コンビニは店舗を拡大していっています。コンビニの物流の仕事をしてきた4年半の間に、私が管轄していた地域だけでも店舗数は、約30店舗は増えています。どんどんと拡大されるコンビニ。それを裏で支えている物流センターは、人手不足。そして働き手の5割は50代後半から60代の高齢者。70歳で働いている方もいらっしゃいました。

これからの人生は100年生きると言われています。ライフシフト、人々の人生のあり方も変化していくこの時代、そのライフシフトに合わせて流通業界も大きく変化していく事でしょう。高齢化が進めば進むほど買い物難民が出てきます。人口の少ない土地では、スーパーは閉店しコンビニがとても有利に展開しています。それと同じく有利な小売業が「インターネット通販」です。

アメリカではすでにインターネット通販を活用した定期購入、Subscriptions販売が主流になっていると言われています。日本でも徐々にこの波は押し寄せてくるでしょう。もしかしたらすでに押し寄せているのかもしれません。いや、もう来ています。これからの小売りは、インターネット通販無くしては語れません。実際に、日本の最大手コンビニエンスストアを展開するセブンイレブンでは、数年前からオムニチャネルを推進して来ました。リアルだけではなく、ネットも制する。これが彼らのスローガンです。

18年間働いてきた物流の現場で感じた事、そして5年間インターネット通販事業を行ってきて感じた現実を伝えて行こうと思います。

物流をなくして小売りは語れない!

小売りと物流、そして卸や仲卸、さらには生産者やメーカーも全て含めて流通があります。その流通の中でも主に「商流と物流」は両輪で動いています。商品の流れが経済を活性化させ、物が流れて消費者へ商品が届く。まさに両輪です。

私は、18年間物流の現場にいました。物流の仕事をしてきて思ったことを正直に書きます。

「物流とは企業のコストでしかない」

物流がなければ当然物は運べません。以前、神奈川県相模原市の物流センターで働いていた時でした。50年ぶりの大雪が降ったのです。私が住んでいる長野県とは違い、神奈川県では雪の対策予算が組まれていません。雪が降らないので当たり前と言えば当たり前。長野県の様に予算の中から雪を処理したりはしないのです。

この雪によって物流は全てストップ。バスやタクシーも全てストップ。物流センターへ通うのに雪の中をびしょ濡れになりながら1時間半かけて数日通いました。一般の方の自動車も道の脇に乗り捨ててありました。当然、物流がストップしているのですからコンビニやスーパーにもあまり商品はありません。飲食店は、仕入れが出来ないので全て休業。

この体験で思ったのが、物流は人々の暮らしにとても貢献しているんだと言う事。物が運べなければ、商品を購入する事は出来ません。お腹が空いていても、住んでいる場所、そこに商品がなければお腹を満たすためのご飯を購入する事も出来ません。Amazonや楽天などのインターネットショッピングモールで欲しい商品を買っても、物流が機能しなくては商品が自宅へは届きません。この雪害で身を持って痛感しました。しかし、それでも…

「物流とは企業のコストでしかない」

そうなんです。人々の暮らしに貢献している物流も、企業にとってみればコストでしかないのです。

宅急便最大手のヤマト運輸が運賃の値上げをしました。そして、ヤマト運輸はAmazonからの撤退も発表しました。まだ、地方ではAmazonで購入した商品をヤマト運輸が届けていますが、都心の方では丸和運輸機関などの会社が新しく配送を請け負うようになりました。インターネットショッピングモール最大手のAmazonも配送コストを下げるために新しい取引先を見つけてきたということです。

実際に、私が運営しているネットショップで購入して下さったお客様へ商品を届けるのにお願いしている会社はヤマト運輸です。ネットショップを始めた時からヤマト運輸です。しかし、値上げの影響はとても大きく、販売している商品によっては、小売価格の1割ほどの運賃が上乗せでかかってしまうようになってしまいました。

私は、18年間物流の現場で働いていました。そんな人間がこういうことを言って良いものかどうか分かりませんが、物流はコストです。物流費が上がれば上がってしまうほど、ネットショップを運営している企業にとっては、利益が少なくなってしまうのです。

大手コンビニでも、生産性を高めて常日頃物流コストを下げる事に必死に取り組んでいます。次回は、その部分についてお伝え致します。

私の記事をお読み頂き、ありがとうございます。頂いたサポートは、今後の自分への投資のために友好的につかわさせていただきます。