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政治や歴史を知らなくとも「宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました」はひたすら笑える至福の韓流コメディ。

ひっそりと日本公開してた「宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました」。上映を見逃してしまったので配信レンタルで。
日本タイトルはヒットしたドラマからのパクリだが、原題は「6/45」。今回争点となる宝くじの名称である(45の数字から6個合致すれば大当たり)。三十八度戦の監視所を舞台にしていて、「愛の不時着」と言うよりは「JSA」なんだけど、マスに届けるにはこのくらいベタなタイトルになるのはしゃあないか。
ひょんなことから当たりくじが韓国の監視所兵士の手に渡る。1等6億円のくじに興奮していると、なんと風のイタズラでくじは軍事境界線を超えて北側に行ってしまう。で、このくじを北の兵士が拾ったことからさあ大変。それぞれの上官や同僚が巻き込まれ、いつの間にか3対3の睨み合いに。北は金が欲しいが換金する術がない。南はなんとしても取り返したい。交渉の末思いついたのは、意表をつくアホらしい作戦だった。
いや、ほんとに全編笑いっぱなしというのも珍しいくらい腹を抱えた。ネタもオチも控えるが、南北軍事境界線で分断のシリアスな状況をベースにしつつ、ここまで笑える(もちろん北の人は笑わない)ストーリーを作り上げるセンスに脱帽だ。歴史社会的な痛みはあるのに、カラッと笑わせるのが何よりもすごい。日本喜劇はウェットなので、絶対にこうはならない。
コ・ギョンピョ、ウム・ムンソク、イ・イギョンらキャ。ストは、見たことあるかも、くらいな印象だったんだけど、本作で忘れられない存在となった。紅一点パク・セワンは「聖女」の妹だったね。監督はパク・ギュテ。この映画までは無名だった。

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