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組織やコミュニティ運営は、いかに「領域展開」するかにかかっている

この記事では、漫画「呪術廻戦」の領域展開という技をヒントに、組織内でいかに自身のパフォーマンスを最大化させるかについて書いています。


領域展開とは何か

呪術廻戦という漫画の「領域展開(りょういきてんかい)」という技をご存知でしょうか。

領域展開とは、ざっくりいうと、呪力(ドラゴンボールでいう「気」みたいなもの)を用いて、心の中を具現化して自らの領域を展開していく感じです。幽遊白書でいうテリトリーみたいなもので、ワンピースでいうローのroomみたいな感じです。

領域展開を通じて、自分の領域を広げ、敵(相手)がこの領域展開の中に入ると、次の二つの効果が発生します

  • 領域展開をしている人のステータスが向上する(パワーアップする)

  • 術式(必殺技みたいなもの)が確実に相手に当たる(必中効果)

すなわち、領域展開をして、相手がその領域に入ると、勝ち確のような状況になります。もし、こちらと相手側がお互いに領域展開をすると、領域の押し合いとなります。そして押し合いに勝った方が、領域展開を制することになります。

この領域展開の対処法はいくつかあるのですが、ここでは深掘りをしないでおきます。ここからが本題です。最近感じるのは、組織やコミュニティの運営は言ってみれば、いかに領域展開できるかにかかっているということです。

領域展開を通じて組織内でのパフォーマンスを向上させる

組織やコミュニティに入ってみれば、その独特のルールや文化、雰囲気というものが存在します。そして、その独特の文化というのは多くの場合、トップ、創始者、創業者、経営陣等が培ってきたものとなります。

もし、自身が組織やカルチャーにフィットすると、領域展開でいうステータス向上の状況となり、いつも以上にパフォーマンスが上がることになるでしょう。

一方で、カルチャーフィットしない場合は、自分からしたら「領域展開をされている」ようなもので、自分の力がうまく出せなくなる可能性があります。しかも、それぞれの指示命令が必中効果で襲ってきます。

私の場合で言えば、銀行で働いているときは、銀行の領域展開の中で活動をしているので、どうしても息苦しさがありました。一方で、自身のコミュニティや自分が好きなコミュニティでは、銀行にいるときよりも生き生きと活動できたように感じています。銀行では領域展開されている側ですが、自身のコミュニティでは自分が領域展開する側だからです。

この領域展開をもっとも活用できるのが、フリーランス、起業家、経営者、株主、コミュニティ運営者でしょう。そして、組織に集まってくる人が同様の属性を持っている場合、その場の領域はさらに強化されます。

見方を変えれば、カルチャーフィットしなければ、その領域展開内では活躍するのが残念ながら多くの場合、難しくなります。もちろん、漫画においても領域展開は無敵でありません。

例えば自ら簡易領域を作って身を守ることや、領域の外に出るという方法で対処できます。これは組織やコミュニティでも同様でしょう。とはいえ、運営側からすると組織やコミュニティのパフォーマンスを最大限活用するには、いかに上手に領域展開できるかにかかってきます。

とある起業家の領域展開

以前、ある起業家にこんな質問をしました。

「ビジョンやミッションをどうやって社員に浸透させているのですか。」

その答えは私にとって意外なものでした。「ビジョンやミッションを浸透させようとしたことなんてない。むしろ、ビジョンやミッションに合わない人は会社から去って欲しい。ビジョンやミッションに共感する人だけ入ってもらえれば良い」まさに領域展開を最大限活用している状況です。ちなみにこの方は「〇〇の会社って、〇〇そのものだよね」と言われたとおっしゃっていました。

このような状況はまさに領域展開をしている状況で、そこに集まる人は、ステータス向上をして一層パフォーマンスが上がるのだと考えました。

一方で、その組織に合わない場合は、自身のパフォーマンスを最大限発揮できていない可能性があります。転職をして、急に活躍し出した人がいるとしたら、領域展開を自身にうまく活用できている状況なのかもしれません。

自らのパフォーマンスを最大化させるためには

昔ながらの大企業で、終身雇用・年功序列が色濃く残っている企業は、まさに領域展開そのものです。この状況で、内側からいくら企業に対して変革を迫ったとしても短期的な改善は望めない可能性が高いです。

というのも、領域展開されていて、その中で行動するしかないからです。これは部門単位、部署単位でもいうことできます。権限を持っている人は、むしろ積極的に領域展開をすることで、自身のパフォーマンスを上げることができます。メンバーたちがその状況でステータス向上が見込めるならば、その領域展開は多くの人にとってハッピーでしょう。

一方で、権限者のみがステータス向上して、それ以外のメンバーは、ステータスが下がってしまい、権限者からの命令が必中効果でくるような状況も存在します。

この状況から脱するには、組織との距離感を変えるか、組織を変わるか、別の方法で身を守るしかありません。少なくとも領域展開が解除されることを期待するのは難しいように思います。

また、いわゆる組織における派閥というのは領域展開の押し合いと考えることができます。自身の領域展開内ではパフォーマンスは発揮できますが、相手の領域展開内にいると、一気に不利になります。

このように組織やコミュニティを運営する人は領域展開をしている状況と捉えることができます。

この領域展開に入る場合、自分にとってどういう状況なのかの理解を深めることが、自身のパフォーマンスの向上につながるのではないでしょうか。

画像の出所:呪術廻戦2巻 集英社 芥見下々

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