加田修 (Osamu Kada)

数学を違った切り口で、ある意味わかりやすく、紹介して行きたいと 思っています。

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最近の記事

ツォルンの補題 10 ; 集合の階数 (ランク) と累積階層 (2)

今回はいよいよ累積階層を合わせたものが集合のクラスになるという事を証明します。すなわち、全ての集合は空集合から作られたものであるという事です。

    • ツォルンの補題 9 ; 集合の階数 (ランク) と累積階層 (1)

      今回は次回の準備として、累積階層について成り立つ事を証明します。

      • ツォルンの補題 8: 超限帰納法の原理 (The Principle of Transfinite Induction)

        今回は超限帰納法の原理 (The Principle of Transfinite Induction) の証明をします。

        • ツォルンの補題 7: 超限帰納法による定義 (Transfinite Induction) ; 累積階層の定義

          今回はツォルンの補題の第7回で、超限帰納法による定義(Transfinite Induction) ; 累積階層の定義についてやります。  超限帰納法による定義は第2回でツォルンの補題の証明で、ツォルンの補題を否定したときにstrict な chain の増大列が定義できるという形で説明しましたが、また説明します。累積階層についてもまたやります。

        ツォルンの補題 10 ; 集合の階数 (ランク) と累積階層 (2)

          ツォルンの補題 6 ; 順序数 (Ordinal Numbers), 順序数全体は集合ではない!

          今回はツォルンの補題の第6回で、順序数 (Ordinals) についてやります。 順序数はある意味自然数の一般化で、順序数全体は集合にはなりません。 集合全体 V も集合でないですが、順序数に対して累積階層を考えた全体は、集合全体に一致します。 ラッセルの逆理の、自分自身を含まない集合全体 R は、集合 a が a を含んでいたら正則性公理に反しますから、R に入らない集合は空、すなわち R =V になります。 今回は全体の講義ノートを貼り付けておきます。 ツォルンの補

          ツォルンの補題 6 ; 順序数 (Ordinal Numbers), 順序数全体は集合ではない!

          ツォルンの補題 5: ツェルメロ・フランケルの集合論 (3)(Zermero-Frankel); 正則性公理 (Axiom of Regurarity):弱い意味と強い意味での同値性の証明など

          今回は「ツォルンの補題 5」、 Zermero-Frankel の集合論の公理の第4回で、重要な公理、正則性公理 (Axiom of Regurarity)についてやります。 これは、集合というものは、空集合からどんどん集合を作っていって、それが累積階層と言われるものですが、それで集合は尽くされると言うことを意味します。くわしくは 9, 10 でやりますが。これは知らない人も多いのではないでしょうか。僕も最近までこの事を知らなくて、知ってびっくりしました。  正則性につい

          ツォルンの補題 5: ツェルメロ・フランケルの集合論 (3)(Zermero-Frankel); 正則性公理 (Axiom of Regurarity):弱い意味と強い意味での同値性の証明など

          ツォルンの補題 4 ツェルメロ・フランケルの集合論 (3)(Zermero-Frankel) 集合の構成, Frankel の置換公理, 「集合全体は集合ではない⁉️」

          今回は、 Zermero-Frankel の集合論の公理の第3回で、具体的にどういったものが集合になるかと言うことに関する公理です。  また集合全体が集合にならない事も、 Frankel の置換公理とラッセルのパラドックスからきちんと証明します。

          ツォルンの補題 4 ツェルメロ・フランケルの集合論 (3)(Zermero-Frankel) 集合の構成, Frankel の置換公理, 「集合全体は集合ではない⁉️」

          ラッセルの逆理: 自分自身を含まない集合全体は集合ではない。ツォルンの補題 3-2

          今回は「ラッセルの逆理」をやります。  自分自身を含まない集合全体 R、というものを考えると、それが集合とすると矛盾を生じます。  RがRに入っていると言う事は、自分自身を含まないと言う事だからRがRを含まない、つまりRがRに入っていないと言う事であり、RがRに入っていないと言うことは自分自身を含むと言う事だから、RがRに入っていることになり、いずれにしても矛盾を生じます。これを「ラッセルの逆理」と言います。  これを 集合論ではこれをどう回避しているのでしょうか。さ 参

          ラッセルの逆理: 自分自身を含まない集合全体は集合ではない。ツォルンの補題 3-2

          ツォルンの補題 3-1 ツェルメロ-フランケルの集合論 (1)

          今回からようやっと、ツォルンの補題 3-1 で、ツェルメロ-フランケルの集合論の公理体系に入っていきます。 参考文献

          ツォルンの補題 3-1 ツェルメロ-フランケルの集合論 (1)

          ツォルンの補題 2

          前回の続きで、ツォルンの補題第2回です。 前回の最後で、Zermero Frankel の集合論の内容に入っていくと言いましたが、その前に、前回のツォルンの補題で出てきた、chain の増大列の定義を、超限帰納法 (数学的帰納法の拡張で恐れる必要はありません)を使ってやるのを、今回は説明します。 Zermero Frankel の集合論は、第3回からやります。 今回は短いです。

          ツォルンの補題 2

          ツォルンの補題 1 (Zorn's Lemma)

          今回は ツォルンの補題 (Zorn’s Lemma) を取り上げます。選択公理からの Zorn’s Lemma の証明を、数学基礎論を使って、一般の人にもなるべくわかりやすく説明したいと思います。長くなったので全部で10回に分けました。 最初の第一回は、 ツォルンの補題 1 大雑把なツォルンの補題の証明。 動画中のノートです。 以下、次のようになります。 ツォルンの補題2 ツォルンの補題 1 でやった chain の増大列の超限帰納法 (Transfinite In

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          ツォルンの補題 1 (Zorn's Lemma)