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7日目

朝、目が覚めると、窓を開けて冷たい風を入れ、病室の空気の入れ替えをする。今朝の眺めは最高だった。綺麗な朝焼けと、遠くに八甲田大岳かな、綺麗な三角が雲海に包まれて見えた。大自然から今日一日の活力を分けてもらえた、そんな気がした。

冷たい空気も気持ちがいい

歯を磨いて顔を洗う。同じタイミングで洗面所にくるおじさんが、少しウキウキしている。聞いてみると今日で退院できるらしい。同じ日くらいに入院した方なので、『良かったですね。僕も月曜日です。』と返事をした。やはり気持ちも目に見えるもんなんだなと思った。

7日目 朝ご飯

朝ご飯だから消化に良いおかずで、少し質素に思えるのかな。もうだいぶ慣れてきて、好んでは食べないが、梅干しも抵抗なく食べている自分がいる。明日の朝食で終わりだと思うと、少し寂しさも感じなくはない。作ってくれて、ありがとうございます。

朝の処置時間。先生から明日の退院の許可がでた。こまめにガーゼを変えてねと伝えられながら、傷口に消毒液を塗られ、あまりの沁みり具合に力を入れながら悶絶した。不思議なことに傷口が生々しく、皮膚下のお肉全開の時に比べて、少し膜を張っている治りかけの方が沁みる。これも治そうとする細胞が活性化するかららしい。細胞よ、あんまり騒がんといて!と思った。

大分県臼杵市
うすきの竹宵

午前中に『お見舞い』ということで、大分県のお客様が、昨年の写真を送ってくれた。夜になると、こけしを置いての撮影が難しいので、日中の準備中に撮影してくれたみたい。撮影中に外国人の方達にも話かけられて、一緒に撮影していたとのこと。本当に嬉しい、ありがとうございます。

7日目 お昼ご飯

懐かしさを感じる味のカレーライスだった。カレーは金曜日のイメージ(学校給食)、今日は日曜日だぞと思いながら、プリンがついていることでウキウキしている。しかし、トマト・大根ときゅうりのサラダが目に入り、テンションが下がった。食べるのもしんどかったけど、頑張って食べた。

僕の母校の中学では、カレーは金曜と決まっていた。給食前には体力作りと称して、グラウンドか体育館を何周かするのと、縄跳びをするというルールがあった。僕とヒデ君が給食当番。他に女子三人くらい居たかな。みんなが体力作りに行ってる間に、女子を口止めして、僕とヒデ君は一杯目のカレーライスを食べてしまうのだ。女子はそんな食べないし、みんなの量を少しずつ減らせば二杯分くらい誤魔化せると、何度かそれをして自分達だけ二杯食べた。ある時、空手有段者の担任が『俺の少ないじゃないか!』とぶちギレる。いつもならバレないのに、どうやら誰が密告したらしい。最初は誤魔化していたが、全部バレて数発殴られた。有段者の拳はとても痛かったな。貧困が生んだ中学時代の苦い想い出。こんな給食風カレーを食べると、いつも思い出す。

最近、昔のことばかり思い出す。年を取ったのだなと実感しながら、病院の窓から外を眺めた。『あの枯れ葉が落ちたら僕は…』なんて、病院コントのように。

7日目 晩御飯

油淋鶏定食だった。すぐに頭の中に青森県弘前市の有名店中華料理みんぱいが浮かんだ。もちろん油淋鶏定食は看板メニューだが、僕がオススメしたいのは、キャベツとレバーのみそ炒め定食だ。これはマジでハマるから、弘前市にお越しの際は、ぜひ食べてもらいたい。
今日の油淋鶏定食も美味しかった。病院で最後の晩御飯。明日、退院だから肉食わしてくれたのかな。ごちそうさまでした。

明日、朝の処置が終われば帰宅できる。しかし、まだ本格的に仕事は無理かなと思う。もう2日3日休んで、それから仕事に取りかかりたいと思う。

さぁ最後の夜…と言っても何もすることがない。とりあえず、最後まで気を抜かず、間違いなく退院できるように、ゆっくり安静にしたいと思います。この病院ブログシリーズも明日でラスト。

衝撃の結末が待っているかも!?
お見逃しなく。笑

では…また

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